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倒叙形式ミステリー:犯行シーンから始まる、追い詰め型の快感
「文字は人を殺す。読み書きができることは一生隠せ」
没落した下級官吏の父が遺した呪いのような言葉を守り、漣(れん)は後宮の片隅にある「遺棄書庫」で、無知で無害な下女を演じていた。
しかし、そんな彼女の正体を見抜いたのは、後宮の秩序を司る監察官・公孫(こうそん)だった。
慈悲深い聖人のような貌(かお)の下に、底なしの野心と毒を隠し持つ公孫。
彼は、漣の圧倒的な事務処理能力と「記録の矛盾」を見抜く観察眼を、自らの出世のための「道具」として利用しようと画策する。
「君の頭脳を私に貸せ。代わりに、君が何より欲しがるものを用意する」
拒否権のない契約。こうして、後宮で起きる数々の醜聞を「片付ける」二人の共犯関係が始まった。
アリバイを作る妃、存在しない花瓶で人を殺める侍女――。
犯人たちが完璧に仕立て上げたはずの謎は、漣の知恵の前に、無残にも瓦解していく。
お互いに相手を「腹黒い」と罵り合いながら、二人はやがて、漣の父を死に追いやった後宮最大の禁忌へと近づいていくことになる。
知略と毒舌が交錯する、本格中華後宮ミステリ、開幕。
文字数 101,631
最終更新日 2026.08.31
登録日 2026.04.26
探偵として他人の裏側を覗き込む仕事をしていた俺は、逆恨みの刃に脇腹を刺され、あっけなく命を落とした。
目を覚ませば、そこは魔法が当たり前に存在する異世界。
自称・女神とかいうやかましい女から押しつけられたのは、あらゆる事象を解体し、無に帰す力――《終焉の理(デリート・コード)》。
使い方次第では、国どころか世界すら滅ぼせるという、とんでもない代物だ。
だが、俺が欲しいのは平穏な暮らしだけだった。だから力は隠す。
看板は「便利屋」。
そこへ転がり込んできたのが、亡国の元処刑姫にして底なしの胃袋を持つ少女、ラピス。
そして、格安で借りた「幽霊付き物件」に棲みついていた、記憶を失った幽霊の少女、ルナ。
旅の先で拾うことになる、ワケありの相棒。
魔法に頼らず、観察と推理だけで謎を解く。
だが、辺境都市に隠された謎を暴くたびに、俺の「静かな暮らし」はどんどん遠ざかっていくらしい。
正体を偽った最強の便利屋が、拾った少女たちと囲む食卓を守るため、今日も小さな謎と、途方もなく大きな謎を「解体」していく。
等身大の異世界便利屋譚。
文字数 14,140
最終更新日 2026.08.31
登録日 2026.08.28
元アパレル店員が、伝説の衣で見返す異世界お仕事ファンタジー。
アパレル店員として働いていた柊茜は、ある日突然、見知らぬ異世界の路地裏に投げ出されていた。
目に映るのは、魔法が飛び交う日常と、無骨な防具ばかりが並ぶ武器至上主義の街。途方に暮れていたところを、経営難にあえぐ小さな洋品店を営むエルフのエルウィンに拾われる。
生地に触れるだけで、その由来や効能がわかる不思議な力、「鑑定眼」に目覚めた茜は、店の奥で三年も眠っていた「火鼠の皮衣」を、竜討伐に向かう冒険者への肌着として提案し、見事に売り上げてみせる。
前世で培った接客の腕と、鑑定眼、そしてこの世界に息づく数々の伝説の力。
茜はそれらを武器に、一人また一人とお客様の悩みに向き合っていく。透明化の指輪を選ぶ奥様、大空を翔けるための一揃いを求める冒険者、陸を歩きたいと願う人魚。
服は、ただ身を守るだけの布ではない。誰かの一歩を後押しする、確かな力になる。
新しく仲間になった獣人のヤン、そして正体不明の看板猫モモ。小さな洋品店は少しずつ、けれど確かに賑わいを取り戻していく。
けれどある日、この店の存在そのものを脅かす、大きな影が街に忍び寄ってきて――。
伝説と絆が紡がれる、異世界お仕事ファンタジー。
文字数 7,518
最終更新日 2026.08.31
登録日 2026.08.18
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