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一章 異世界生活開始します

パパンからの解放とスキルの儀

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魔法を急に使って倒れた日から1週間が経った。

体調も特に問題なく、むしろ動きたくて仕方がない。

倒れてから両親が代わる代わる私を監視(心配して様子を見てる)してるのだ…。

お庭に出たいと言っても、もうちょっと安静にしてから!とか…
ご飯も全部あーんで食べさせるとか…(これは単に父がやりたいだけだろう)

うぅ…自由がないよ自由が。


流石にそろそろ耐えられないと思い、ついに母に直談判した。

私は元気だと、ピンピンしてると。
そしてパパンがちょっとうざいと。
(もちろん好きだけど)

すると母も思うところがあったのか、
「そろそろ大丈夫そうね」と監視を緩めてくれた。
話がわかる母で良かった…。

父にそれを伝えると、予想通りとてもごねたが、最後には母の威圧により大人しくなってたよ。

ちょっと可哀想だったけど私も自由が欲しいのだ。許せパパン。


この1週間、ずっと両親がそばにいたので特殊スキルは使っていない。

多少使ってもバレないだろうけど、念のためやめておいた。

そして、暇な時間の暇つぶしとしてお金問題について色々考えてはみたけど、特にいい案は思いつかなかった…。


まぁでもやっと自由を手にしたので明日からまた特殊スキルの実験(とオタ活)をしながら、お金を稼ぐ方法を考えてみよう!

と意気込んでいたら部屋に母が来た。


「リリー、体調も良くなったみたいだし明日教会に行くわよ~」

教会…?


何しに行くのかと尋ねると、3歳になったら教会にいき、神様からスキルを受け取る「スキルの儀」というのを行うらしい。

街中の3歳児が集まって…とかではなく、行きたいタイミングに行けばいいそうだ。

わかったと返事をすると、母は夕飯の支度をしに部屋を出て行った。


「スキルの儀」か…。


詳細が気になったので久しぶりに「異世界PC」をだし、異世界用ブラウザで検索をかけてみる。

ふむふむ…

この世界の人間は神様から必ず1つはスキルをもらえるらしく、初めてもらえるのが3歳のタイミングなのだそうだ。

母のように何個もスキルをもってる人もいるが、そういったスキルは勝手に生きてくうえて身に付けるものらしい。

ずっと剣を振ってる人がスキル「剣技」を覚えるみたいな感じかな?


詳しく調べてみたところスキルの儀でもらえるスキルについては、教会にいる神父さんが本人にだけ伝える式みたいで、勝手に家族や周りの人にバラされたりはないみたいだ!

良かった!

と言っても3歳児だったらすぐ家族に言っちゃうだろうけどね。
スキルの内容もあんまりわからないだろうし。


昔はそういうの気にしないで、3歳児をみんな集めてスキルを伝えてたらしいんだけど、スキルの強さや種類によってのイジメが発生したりしたみたいで、今は改善されたそうだ。
どの世界もあるんだねそういうの。


でも「鑑定」とかされたら勝手にバレたりするんじゃない?と思い、「鑑定」についても調べてみる。

なんと「鑑定」を含めた特殊スキルもちは100年に1人現れるかどうかというくらい貴重らしく、人に勝手に鑑定されるような危険性はほぼないようだ。

これは助かる…!

ついでに今生きてる鑑定もちは私だけみたいだから、この子こんなに特殊スキル持ってるー!国で保護しようー!みたいな望んでない展開になる可能性は完全になくなったね!

良かったー!!

そして異世界版ブラウザ本当になんでも載ってるな…助かるけど個人情報ダダ漏れじゃないですか。ひぇ。


でもまさか特殊スキルがそんなにレアだとはなー。
鑑定スキルもちは年に数回依頼された鑑定をするだけで食べていけるくらい稼げるそうだ。
不労所得感あっていいな…(働いてはいるけど)


ん…?

でも普通鑑定出来ないって事は、私は「鑑定」で自分のスキルだったりママンのスキルを見ることが出来たけど、スキルの儀で伝えられたスキル以外は本人達にスキルを覚えてる自覚はないってことか。

それもなんだか可哀想…って思ったけど、前世にもしスキルなんてものがあっても見られなかったわけだし、スキルが一個もらえて内容がわかるだけ恵まれてるような気もしてくる。

まぁ、そこらへんはいいか。


とりあえずスキルの儀についてはわかったし、久しぶりにお家の外に行けるから楽しみだな…!

誕生日にもらったワンピース着ていこう…!

と、うきうきしながら次の日を待つリリーだった。

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