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フィレンツェ

二度目のエッチ①

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 朝日が眩しい……
 まだ眠いかも。昨日ははしゃぎすぎたせいか少し疲れたし……

 そんなことを考えながら、朝日の眩しさを避けるように、ぐるんと寝返りをうつとトモと向かい合わせになった。彼の端整な寝顔をぼんやりと見ると、「おはようございます」と言った彼に唇を奪われる。


「……っ! ふぁ……んっ、んぅ」

 とても朝にするとは思えない深いキスに目を大きく見開く。やめさせたかったが、口内を弄ぶようにねっとりと彼の舌が這いまわると、力が抜けてしまい抵抗ができなかった。

 トモのガウンを縋るように掴むと、ゆっくりと唇が離れる。解放されてハァハァと荒い息を繰り返す私の背中を優しくさする彼をじろりと睨んだ。


「きゅ、急に何をするのよ……」
「すみません。可愛くて……」
「だからって……まだ朝なのに」
「でも、もっと触れ合いたいです。無理はさせませんから……」

 そう言った彼にまた唇を奪われる。口の中に入ってくる熱くぬめりを帯びた舌に眩暈がした。


「ん……っ」

 観念したように目を閉じて、トモに身を任せる。

 彼にキスをされると頭に靄がかかって、強く抗えないのだ。彼は動けないでいる私の髪に指を通しながら、舌を絡めて吸う。

 気持ちいい……

 彼の舌に応えるように私も一生懸命舌を絡めると、褒めるように頭を撫でられた。


「ん……は、ぁっ、っ」
「花梨奈さん。君は何も考えなくていいんです。僕の腕の中で守られていればいい」

 その傲慢ともとれる言葉と共に、私のお尻に彼の硬い屹立が押しあてられる。動揺から体がびくりと跳ねると、彼の腕の力が強くなった。

 それは違うと言いたいのに、気持ちよくて言葉を紡げない。


「んぅ……っ」

 口内に差し込まれた舌が好きなように這い回り、唾液も吐息もぐちゃぐちゃに混ざり合って彼のキスに溺れていく。


「花梨奈さん、いいですか? 貴方を抱きたい……」

 先ほどまで太ももを撫で回していた手が、私のネグリジェを脱がす。頭からすっぽりと脱がされて、私は手で自分の体を隠した。


「やだ、待って。その前に話がしたいの……」
「話、ですか?」
「私は何も考えずに守られていればいいなんて、そんなの絶対に嫌よ。ちゃんと対等でいたいの。私もトモを支えられるように頑張るから、そんなこと言わないで」
「花梨奈さん」

 その言葉にトモが少し驚いた顔をした。その驚いた顔に途端に気まずくなって隠れるように彼の胸に顔をうずめる。


「すみません。言い方が悪かったですね。僕が言いたかったのは、ご家族のことも含め――君が抱える辛いこと、しんどいこと。そのすべてから君を守りたいと言いたかったんです。花梨奈さんはもう不安や寂しさに泣く必要はないんです」
「トモ……。ありがとう。まるで王子様。いえ、騎士みたいね」
「花梨奈さんが望むなら王子でもナイトでも、何にでもなってみせますよ」
「でも残念ね。変態ストーカーはどちらにもなれないのよ」

 照れ隠しのために茶化すように笑うと、「へぇ」とトモが笑う。その笑みに背筋にぞくっとしたものが走り、冷や汗が伝った。

 あれ? 私、失敗した……?

 私が顔を引き攣らせると、彼が私の腰をなぞりお尻を撫で回してきた。


「可愛いと思ったら、意地を張って……。もしかしてお仕置きをしてほしいんですか?」
「ち、違うわっ……ごめんなさい」

 お仕置きは嫌だ。
 私が即座に謝ると、彼は熱い昂りを押しあてながらニヤリと笑う。その瞬間、視界がぐるりと反転した。


「意地っ張りな花梨奈さんも可愛いですが、今は素直になっていただきましょうか」
「ちょっ、ちょっと待って……!」

 今したら観光できなくなっちゃう。
 今日は大聖堂に行くつもりだったのに……。もうホテルのテラスから眺めているだけなんて嫌なのに。

 今、トモとのエッチを許すと、今日一日ベッドから出られなくなりそうな予感を感じた私は彼の下から逃げ出そうと暴れた。が、トモが覆い被さっているせいか無駄に終わった。

「おや? まだ意地を張りますか?」

 彼は楽しそうに笑いながら、私の胸を揉む。胸の先端を人差し指と中指で挟み、つんと主張したそこをねっとりと舐め上げてくる。

 トモの手で形を変えた乳房が卑猥に見えて、私はぷいっと視線を逸らした。


「あ……違うのっ、観光できなくなるからぁ……やぁっ」
「加減するので大丈夫です」

 本当かしら……?

 疑わしげにトモを見ると、彼は二つの胸の先端を弄りながら、熱い息を吐いた。彼のその表情と吐息に逃げられないことを悟る。

 私が体から力を抜くと、トモが胸の先端に吸いついた。


「はぅ…っぅ、やだぁっ」

 軽く歯を立てながら舌を尖らせて舐られると、腰が浮いた。

 何度も何度も胸の先端を愛撫されると、お腹の奥がうずうずしてきて、愛液があふれてくる。

「んぅ、っ」

 否応なく体が勝手に反応して、声が勝手に出てしまう。私は恥ずかしさから唇をきゅっと引き結んだ。


「可愛い花梨奈さん、ここはどうなっていますか?」

 トモは胸の先端を指で摘まみながら、もう片方の手でショーツに手を伸ばす。その手を慌てて掴んで止めようとしたが、彼は私が掴んでいるのもお構いなしに、ショーツのクロッチを楽しそうになぞった。


「あっ!」

 トモがクロッチ部分を撫で上げるたびに、粘着質な水音が耳に響く。

 私が羞恥に顔を真っ赤にさせると、トモは楽しそうに私の顔を覗き込み、ちゅっとキスをした。


「可愛い」

 そう囁きながら、くちゅくちゅとショーツ越しに花芽を捏ね、私の耳の縁をひと舐めし、耳の中に舌を差し込んだ。


「んあっ、ああっ!」

 ダイレクトにいやらしい水音がして、鼓膜を揺らす。彼は熱い息を吐きながら「可愛すぎです」と言って、また私の耳を犯しはじめた。

 気持ちよすぎて体に力が入らない。
 彼は体を少し起こし、私の胸の先端を弄りながら、花芽を捏ね回す。敏感な花芽を布越しにきゅっと摘まれると、背中が弓なりにしなった。


「一緒ダメっ、これやだ……ひゃあんっ」
「なるほど……」

 え……? 何がなるほど?

 トモは私の言葉にふむと頷いたかと思えば、私の両脚をガッと大きく開いた。そして、その間に陣取り体をずり下げて脚の間に顔をうずめる。


「きゃあっ」

 恥ずかしいところに鼻を近づけて匂われ、私は必死で身を捩りトモの頭を押しのけようとした。が、トモは私の脚に自分の手を巻きつけて、がっしりと押さえ込む。

 やだ、やだ……匂わないで。

 恥ずかしくて目から涙が勝手にこぼれ落ちてくる。それなのに、彼はあろうことかショーツをすっと脇に寄せて、鼻先で蜜口に触れた。

 彼の鼻の感触を直接感じて、体温がぶわっと上がる。


「やだ、やめてっ」
「いい香りだなと思って。舐める前に堪能させてください」
「絶対無理っ!」

 私がそう叫んだのと同時に、鼻の頭で敏感な花芽をツンと突かれる。その彼の行為に体が跳ねると、トモは「可愛い」と笑って、私の花芽に吸いついてきた。

「ふあぁっ!」
「嗚呼、香りもいいですが、味も最高ですね」

 やだ、バカ。変態……
 羞恥と与えられる快感に泣きながら、トモの髪を掴む。

 彼は私の困惑をよそに、まるで味わうみたいに大きく口を動かして、じゅるっと愛液を啜った。そして薄皮を剥いて舌先で花芽を転がし、戯れに甘く歯を立ててくる。

 もう眩暈がしそう。 
 恥ずかしくて死んじゃいそうなのに……気持ちがよくてたまらない。

 トモの舌が私から羞恥心を奪っていく。


「ああっ、やぁっ……ダメッ、これやぁっ、こんなのすぐイッちゃう」

 私が泣きながら首を横に振ると、彼はそんな私を見つめながら、花芽をねっとりと舐め上げてくる。柔らかく包み込むように舐めてみたり、尖らせた舌先でくりくりと舐めてみたりと執拗に舐め回してくる。

 そんなことをされたら私……


「ひう、っぅ……やぁっ」
「我慢なんてしなくていいんですよ。僕は、花梨奈さんがたくさんイクところが見たいです」
「んあっ!」

 そう言い終えた彼は、私の蜜口に舌を差し込む。ぐにょぐにょと彼の舌が私の中にはいってくる刺激に、私は体を仰け反らせた。

 もうダメ……我慢できない……

 限界を察したのか、トモは蜜口に舌を出し挿れしながら、指先で敏感な花芽をぎゅっと押し潰した。その瞬間、一気に頭の中が真っ白に染まる。


「ひあぁぁっ! イッちゃう、イッちゃ……――っ!!」

 体をガクガクと震わせ、トモの髪を掴みながら足先までピンと力が入る。
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