84 / 87
恋ってウソだろ?! 84
しおりを挟む
「わかった…なんて言うわけないだろ……どこへ戻るんだよ? あんたの居場所はここなのに」
背後から佐々木の存在を指で確かめるように、沢村はしっかりと佐々木を抱きしめる。
その熱とともに背中から伝わってくる沢村の鼓動を感じて、佐々木は身を固くする。
噛みつくように沢村が佐々木の首筋に唇を這わせた途端、佐々木の身体は戦慄した。
このまま沢村の手に堕ちたら、せっかく沢村のために離れようとしたことが無駄になってしまう。
「あかん、離せ……っ!」
沢村の腕を外そうとわずかな抵抗を試みる佐々木だが、むしろそれは沢村の中にある暴虐な領域を逆撫でした。
佐々木の腕を掴んだまま無理やり毛足の長いラグまでくると、沢村は佐々木のからだごとラグに倒れこんだ。
佐々木は腕を突っ張り、沢村を押し退けようとしたが、ただでさえウエイトがある大きな男は佐々木に覆い被さり、その力を封じた。
「…おい…待て……! こんな……」
言葉は強引な口づけで塞がれた。
熱っぽく貪る沢村のキスは佐々木の脳の中枢を次第に麻痺させていく。
「……あかん……て……」
流されてしまう。
ようやく息をつぐ間にも、沢村は佐々木の髪を鷲掴みにしたまま再び唇を重ねた。
昂ぶる男の劣情が佐々木の身体と記憶に刻まれた甘い熱い感覚をリアルに呼び覚ます。
沢村の手が佐々木の腰からズボンを脱がせようとしているのに気づき、佐々木は力ない抵抗を試みるが、あっさりととっくに感じてしまっている事実がさらされる。
「…は……あっ……あ……」
沢村の指が佐々木に絡みつき、弄ぶように責め立てると、その唇から抑えることのできない嬌声がほとばしる。
「……あんた、往生際悪すぎ……」
佐々木が乱れるのを楽しみながら耳元で沢村が囁き、その耳朶を噛む。
「……この…やろう……!」
沢村の背中を拳で叩いてみるが、佐々木のその指からもやがて力が抜け、濫りがましく声を上げるしかなかった。
虚ろな意識の白濁から還った佐々木から理性はもう奪われていた。
重なり合った肌から互いの熱を感じ合い、昂ぶる息遣いのうちに眩むような愉悦の波が幾度も押し寄せる。
身体の深いところで沢村に繋がれ、覚えのある痛み、覚えのある沢村の熱さが性急に佐々木を侵食する。
「ああっ……あっ…あっ………ん!」
艶を帯びた佐々木の吐息は沢村の獰猛な欲望を助長させる。
火をつけられた身体は冷めやらず浅ましく沢村を欲しがって、佐々木は沢村の背中にきつくしがみつく。
あとはもう何も考えられなかった。
長い間渇望していた互いの熱を貪りあう。
「こんな風に……俺を狂わせるのはあんたくらいだ、佐々木さん……」
近づく者は無防備な佐々木の存在そのものに幻惑され、囚われてしまう。
一度手にしたら、他の誰かにさらわれないように、逃がさないように腕の中でしっかり抱きしめていないと不安でどうしようもない。
「……好きだ……あんたが好き……」
繰り返される囁きに、目を閉じた佐々木の眦からつぅと涙がその頬を伝って落ちた。
あかん……もう、これで堕ちてしまう………どこにも行かれへん…………。
「………トモ………」
思わず知らず佐々木の唇が沢村の一番欲しかった名前を呼ぶ。
沢村は佐々木をきつく抱きしめる。
降り注ぐ雪に埋もれるごとく、二人だけの空間で、沢村と佐々木の身体は絡みつき、幾度も愛し合い、溶け合って深い愉悦の底に堕ちていった。
背後から佐々木の存在を指で確かめるように、沢村はしっかりと佐々木を抱きしめる。
その熱とともに背中から伝わってくる沢村の鼓動を感じて、佐々木は身を固くする。
噛みつくように沢村が佐々木の首筋に唇を這わせた途端、佐々木の身体は戦慄した。
このまま沢村の手に堕ちたら、せっかく沢村のために離れようとしたことが無駄になってしまう。
「あかん、離せ……っ!」
沢村の腕を外そうとわずかな抵抗を試みる佐々木だが、むしろそれは沢村の中にある暴虐な領域を逆撫でした。
佐々木の腕を掴んだまま無理やり毛足の長いラグまでくると、沢村は佐々木のからだごとラグに倒れこんだ。
佐々木は腕を突っ張り、沢村を押し退けようとしたが、ただでさえウエイトがある大きな男は佐々木に覆い被さり、その力を封じた。
「…おい…待て……! こんな……」
言葉は強引な口づけで塞がれた。
熱っぽく貪る沢村のキスは佐々木の脳の中枢を次第に麻痺させていく。
「……あかん……て……」
流されてしまう。
ようやく息をつぐ間にも、沢村は佐々木の髪を鷲掴みにしたまま再び唇を重ねた。
昂ぶる男の劣情が佐々木の身体と記憶に刻まれた甘い熱い感覚をリアルに呼び覚ます。
沢村の手が佐々木の腰からズボンを脱がせようとしているのに気づき、佐々木は力ない抵抗を試みるが、あっさりととっくに感じてしまっている事実がさらされる。
「…は……あっ……あ……」
沢村の指が佐々木に絡みつき、弄ぶように責め立てると、その唇から抑えることのできない嬌声がほとばしる。
「……あんた、往生際悪すぎ……」
佐々木が乱れるのを楽しみながら耳元で沢村が囁き、その耳朶を噛む。
「……この…やろう……!」
沢村の背中を拳で叩いてみるが、佐々木のその指からもやがて力が抜け、濫りがましく声を上げるしかなかった。
虚ろな意識の白濁から還った佐々木から理性はもう奪われていた。
重なり合った肌から互いの熱を感じ合い、昂ぶる息遣いのうちに眩むような愉悦の波が幾度も押し寄せる。
身体の深いところで沢村に繋がれ、覚えのある痛み、覚えのある沢村の熱さが性急に佐々木を侵食する。
「ああっ……あっ…あっ………ん!」
艶を帯びた佐々木の吐息は沢村の獰猛な欲望を助長させる。
火をつけられた身体は冷めやらず浅ましく沢村を欲しがって、佐々木は沢村の背中にきつくしがみつく。
あとはもう何も考えられなかった。
長い間渇望していた互いの熱を貪りあう。
「こんな風に……俺を狂わせるのはあんたくらいだ、佐々木さん……」
近づく者は無防備な佐々木の存在そのものに幻惑され、囚われてしまう。
一度手にしたら、他の誰かにさらわれないように、逃がさないように腕の中でしっかり抱きしめていないと不安でどうしようもない。
「……好きだ……あんたが好き……」
繰り返される囁きに、目を閉じた佐々木の眦からつぅと涙がその頬を伝って落ちた。
あかん……もう、これで堕ちてしまう………どこにも行かれへん…………。
「………トモ………」
思わず知らず佐々木の唇が沢村の一番欲しかった名前を呼ぶ。
沢村は佐々木をきつく抱きしめる。
降り注ぐ雪に埋もれるごとく、二人だけの空間で、沢村と佐々木の身体は絡みつき、幾度も愛し合い、溶け合って深い愉悦の底に堕ちていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる