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何気にチートだったらしいが使いたい時に使えなかったら意味ないんだよ
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ワタシ ナンカスゴイパワー モッテタラシイヨ
「そもそも…最初からイレギュラーだった訳ですけど…考えられる理由として、あなたの魂にあの女神の神力がついてたのは確かだと思うんです。そう考えれば『カケラ』が意思を保ってたのとかもまぁ何とか説明できる…気がします」
割と適当だな、おい。
「それでもやっぱり、その女神の力の欠片は『器』に間借りする程度の効力しかないハズなんですよ。いくら彼の神の眷属と言えど、全く関係ない魂がそうそう適応する訳無いですからね」
ちょっとおたくの女神どんだけ私をぞんざいに扱ってんの? しばくよ? しばいたけど。
「正直、僕だって五体満足で元気にお目にかかれると思ってなかったですからね」
おいおい、私マジヤバい状況だったんかよ…。
「それで、先程、凄まじいまでの神力であの女神を燃やした訳ですけど」
「いやいや、ちょっと待って。マジ待って」
女神を…何だとぅ?
へい、ストップ!的に右手の手のひらをお兄さんに向けて突き出し、左手で眉間をグリグリする。
私が、女神を、何だと??
キョトンとした顔をして首を傾げながら
「え? さっきすんごい神炎出して燃やしちゃいましたよね? 女神」
「………はあぁぁぁぁぁぁっ?!!」
目ん玉飛び出るかと思った。
…とんでもない話を聞いた。
どうやら、私はこの『器』に適応するだけじゃ無く、『カケラ』に残っていた『神力』と呼ばれる『神のみが持つ力』を増幅させ、『カケラと器』をうまく融合させただけで無く、『亜神』の域まで変質させてしまったらしい。
……いやいや、意味わかりませんから。
「いやいや、意味わかりませんから」
あ、口から思考がもれ出ちゃったよ。
「ちっとも全然全くカケラも話がわからないんですけど?!」
「そんなこと言われても、僕としてもそう説明するしか無いんですよ! と言うか、何で『神力』を使えるようになってるか僕の方が知りたい!」
いや、私の方が絶対知りたいわ!!
「そもそも、そんなとんでもチートな不思議パワー持ってたとしたら、私あんな底辺生活してないよ!!」
死にかけた回数などすでに数えていない程、火をつけることすら出来ず、『人間』として生きてるのか『獣』として生きてるのかわからないような生活をしていたのは、『生きたい』という当たり前の欲求に従っていたからだけど、それでもそんな凄い『力』持ってたんなら…使えたんならもっといい生活しとるわい!!
「えぇ…? …あ、そうか…。無意識か…」
納得いかない顔をしていたお兄さん(いや、その表情したいの私の方な!)が、急に腑に落ちた顔をした。
いやいや、一人で納得して終わらないで説明してくれよ。置いてかないで。
目力で訴えてると、お兄さんの右手に急に赤黒い楕円形の何かが現れた。
「…あなた、コレ何かわかります?」
すっと私の方に差し出されたのは、私の手のひらには余るほどの果実。ちょっと毒々しいマンゴーみたいな感じ。Oh、イエス、ワタシ、シッテル。
「お腹壊す実」
お腹減りすぎて『何だかイケそうな気がするー』、と思いつつ食べてエライ事なったヤツや。忘れんぞ。
ズビシ! と指差しながらドヤ顔で言う私。
うんうん、と実を手のひらでコロコロしながら頷くお兄さん。
「これ、『魔の森』産で、『人間』が食べたら数時間で死に至る猛毒な果実です」
『お腹壊す』くらいで済むとか無いですよ、と穏やかな笑顔で断言するお兄さん。
ぱーどぅん???
「つまり、あなたが『人間』じゃ無いってことの証明になります。あ、後、ここに呼び寄せた際、あなた号泣&ものすごくぼんやりしてた上に、左腕を気にしてましたけど…もしかして…」
いやいや、すごい爽やかに『人外認定』せんでもらえます?
「…え…と…腕…その、腕…が…」
…この流れだともしかして…いや、もしかしなくても…
ワタシ ナクナッタ ウデ ハヤシチャッタ??
あの時喰いちぎられた腕。
目を覚ました所がこの白い空間で、クソな女神が出てきたりとかでわちゃわちゃし過ぎて、もしかして喰われたのが夢だったのカナー? ってスルーしようかと思ってたんですが。
「先に言っておきますが、現在、うちの世界ではいわゆる『ヒト族』で欠損を治せる程の力を持った者は…存在しません」
…わぁ、私ってば、やっぱチートだったんだー(棒)
どうやら、『私の魂』についていた『女神の力の一部』は、私の生命が危機に瀕した際に発動、増幅を繰り返していたようだ。
確か、『私』が初めてあの世界で目を覚ました時、身に纏った服は裂けていた上血塗れだった。もしや…と、嫌な想像にぶるっと身震いする。
その後も熱を出したり、お腹壊したり、獣に噛まれたりしたが、都度回復した。いや、治るまでめちゃくそ地獄を見たけども。だが、今考えれば死んでいてもおかしく無いのだ。それも何回も。
…増幅度高過ぎない?
「…車の…軽い接触事故で…塗料が付着しちゃったわ、くらいの認識だったんですけど…」
「…僕の認識でもその程度でしたよ。だから戸惑っちゃった訳です…」
確かに頭抱える案件ですね…。
「なのに、『本体』との繋がり切れても消えないし、いきなり神力暴走させるし、女神燃やしちゃうし…。もう本当、あなた何なんです?」
私が切に聞きたい案件ですね…。
「まぁ何にしろ…今後の事とか考えないとですね…」
めっちゃ重要案件ですね…!!
「そもそも…最初からイレギュラーだった訳ですけど…考えられる理由として、あなたの魂にあの女神の神力がついてたのは確かだと思うんです。そう考えれば『カケラ』が意思を保ってたのとかもまぁ何とか説明できる…気がします」
割と適当だな、おい。
「それでもやっぱり、その女神の力の欠片は『器』に間借りする程度の効力しかないハズなんですよ。いくら彼の神の眷属と言えど、全く関係ない魂がそうそう適応する訳無いですからね」
ちょっとおたくの女神どんだけ私をぞんざいに扱ってんの? しばくよ? しばいたけど。
「正直、僕だって五体満足で元気にお目にかかれると思ってなかったですからね」
おいおい、私マジヤバい状況だったんかよ…。
「それで、先程、凄まじいまでの神力であの女神を燃やした訳ですけど」
「いやいや、ちょっと待って。マジ待って」
女神を…何だとぅ?
へい、ストップ!的に右手の手のひらをお兄さんに向けて突き出し、左手で眉間をグリグリする。
私が、女神を、何だと??
キョトンとした顔をして首を傾げながら
「え? さっきすんごい神炎出して燃やしちゃいましたよね? 女神」
「………はあぁぁぁぁぁぁっ?!!」
目ん玉飛び出るかと思った。
…とんでもない話を聞いた。
どうやら、私はこの『器』に適応するだけじゃ無く、『カケラ』に残っていた『神力』と呼ばれる『神のみが持つ力』を増幅させ、『カケラと器』をうまく融合させただけで無く、『亜神』の域まで変質させてしまったらしい。
……いやいや、意味わかりませんから。
「いやいや、意味わかりませんから」
あ、口から思考がもれ出ちゃったよ。
「ちっとも全然全くカケラも話がわからないんですけど?!」
「そんなこと言われても、僕としてもそう説明するしか無いんですよ! と言うか、何で『神力』を使えるようになってるか僕の方が知りたい!」
いや、私の方が絶対知りたいわ!!
「そもそも、そんなとんでもチートな不思議パワー持ってたとしたら、私あんな底辺生活してないよ!!」
死にかけた回数などすでに数えていない程、火をつけることすら出来ず、『人間』として生きてるのか『獣』として生きてるのかわからないような生活をしていたのは、『生きたい』という当たり前の欲求に従っていたからだけど、それでもそんな凄い『力』持ってたんなら…使えたんならもっといい生活しとるわい!!
「えぇ…? …あ、そうか…。無意識か…」
納得いかない顔をしていたお兄さん(いや、その表情したいの私の方な!)が、急に腑に落ちた顔をした。
いやいや、一人で納得して終わらないで説明してくれよ。置いてかないで。
目力で訴えてると、お兄さんの右手に急に赤黒い楕円形の何かが現れた。
「…あなた、コレ何かわかります?」
すっと私の方に差し出されたのは、私の手のひらには余るほどの果実。ちょっと毒々しいマンゴーみたいな感じ。Oh、イエス、ワタシ、シッテル。
「お腹壊す実」
お腹減りすぎて『何だかイケそうな気がするー』、と思いつつ食べてエライ事なったヤツや。忘れんぞ。
ズビシ! と指差しながらドヤ顔で言う私。
うんうん、と実を手のひらでコロコロしながら頷くお兄さん。
「これ、『魔の森』産で、『人間』が食べたら数時間で死に至る猛毒な果実です」
『お腹壊す』くらいで済むとか無いですよ、と穏やかな笑顔で断言するお兄さん。
ぱーどぅん???
「つまり、あなたが『人間』じゃ無いってことの証明になります。あ、後、ここに呼び寄せた際、あなた号泣&ものすごくぼんやりしてた上に、左腕を気にしてましたけど…もしかして…」
いやいや、すごい爽やかに『人外認定』せんでもらえます?
「…え…と…腕…その、腕…が…」
…この流れだともしかして…いや、もしかしなくても…
ワタシ ナクナッタ ウデ ハヤシチャッタ??
あの時喰いちぎられた腕。
目を覚ました所がこの白い空間で、クソな女神が出てきたりとかでわちゃわちゃし過ぎて、もしかして喰われたのが夢だったのカナー? ってスルーしようかと思ってたんですが。
「先に言っておきますが、現在、うちの世界ではいわゆる『ヒト族』で欠損を治せる程の力を持った者は…存在しません」
…わぁ、私ってば、やっぱチートだったんだー(棒)
どうやら、『私の魂』についていた『女神の力の一部』は、私の生命が危機に瀕した際に発動、増幅を繰り返していたようだ。
確か、『私』が初めてあの世界で目を覚ました時、身に纏った服は裂けていた上血塗れだった。もしや…と、嫌な想像にぶるっと身震いする。
その後も熱を出したり、お腹壊したり、獣に噛まれたりしたが、都度回復した。いや、治るまでめちゃくそ地獄を見たけども。だが、今考えれば死んでいてもおかしく無いのだ。それも何回も。
…増幅度高過ぎない?
「…車の…軽い接触事故で…塗料が付着しちゃったわ、くらいの認識だったんですけど…」
「…僕の認識でもその程度でしたよ。だから戸惑っちゃった訳です…」
確かに頭抱える案件ですね…。
「なのに、『本体』との繋がり切れても消えないし、いきなり神力暴走させるし、女神燃やしちゃうし…。もう本当、あなた何なんです?」
私が切に聞きたい案件ですね…。
「まぁ何にしろ…今後の事とか考えないとですね…」
めっちゃ重要案件ですね…!!
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