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29.落ち着くマイホーム
しおりを挟む「えぇ……? どゆこと??」
俺は、戸惑いながらも。キョロキョロと周りを見渡す――――。
△▼△▼△▼△▼
――日が暮れた頃、漸く魔術塔から解放されて。
俺は、レイドに。禁術機の話を聞く前に、毛玉達のいる森に行きたいと言った。
それで、青い鳥や毛玉達にもみくちゃにされ、感動(?)の再会を果たした。
青い鳥が俺の顔をジーと見て。なんだか、口を膨らましたり、吐き出すような仕草をしていたので。最初は何やってんだろ? って思いながら、見てたんだけど。
途中で、青い鳥が噴き出していた、たくさんの種のことを言っているんだと気が付いた。
だから、『ダンジョン、展開!』って言って、手をかざしたんだ。
本当に冗談のつもりだった。
だって、もう俺自身でさえ、この状況をよく分かっていないからさ……。
そしたら、パッ!! と一瞬のうちに、お馴染みのダンジョン内に全員が入っていた。
△▼△▼△▼△▼
「……俺も、良くわからないな」
「お前が分からないなら、もう考えるのやめるわ」
長い時を生きている、レイドでさえ知らないなら。誰に聞いても、この答え持っている人はいないだろう。
その当事者である、俺さえ理解出来てないんだからな~。
周りにいた、青い鳥や毛玉達はめちゃくちゃ喜んでるようだ。
青い鳥はビュンビュン洞窟内を飛び回り、毛玉達は地面をゴロゴロ転げ回っている。
うん、まぁ……喜んでくれているようで何よりだ。
俺も、何だか落ち着くな~。……と、そうだ。レイドから、話を聞かなきゃ。
「レイド。あいつらと何の話してたんだ? 俺、良く内容が分からなくてさ……」
「ああ、まずは。この世界にある、禁術機のことから話そう――――」
********
この世界にどこからか現れた禁術機は、全部で6つあった。
1つ、灰の禁術機【憤慨の確定】
この禁術機の術にかかった者は、あらゆるものを破壊し尽くしたくなるような衝動に駆られる。
解術方法は、国一つを滅ぼすこと。
2つ、紫の禁術機【愛憎の逆転】
この禁術機の術にかかった者は、愛している者を憎み、憎んでいる者を愛するようになってしまう。そして、その感情は時間が経つ毎に増幅される。
解術方法は、愛する者を殺し、憎んでいる者と結ばれること。
3つ、黒の禁術機【追憶の蜻蛉】
この禁術機の術にかかった者は、己がもっとも苦しいと感じる、記憶や記録を見せられる。
解術方法は、無いので。最終的には、身体が黒ずんで死に絶えてしまう。
ここまでが。未だ、この世界に存在している禁術機である。
そして、残りの3つは、既に破壊された禁術機だ。
4つ、赤の禁術機【愛の掌握】
この禁術機の術にかかった者は、首から下が一切動かせなくなり、魔法も使用出来なくなる。
解術方法は、誰かの子を孕み、孕ませること。
5つ、緑の禁術機【次元の飛躍】
この禁術機の術にかかった者は、魂のみを過去や未来、または異世界のどこかに飛ばされ、殺され続ける。
解術方法は、術にかかった者に対し。自らの命を、心から捧げられる者がいた場合のみ可能だ。
緑の禁術機は、一度使用するだけで壊れる性質であった。
6つ、白の禁術機【命の変換】
この禁術機の術にかかった者は、存在し得ない。
解術方法は、無い。
この禁術機だけは異質なもので、死人に使い。術をかける者の、望み通りに蘇らせることが出来る。
白の禁術機は、一度使用するだけで壊れる性質であった。
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