勇者が頭につけるアレ
「リディ。あれ作ってくれ。勇者が頭につけるあれ」
王家公認の魔導具師リディアの店に、彼女が密かに想いを寄せる暗殺者のマティスが持ち込んだのは、〈勇者のサークレット〉の注文だった。装備するのは彼自身。暗殺者を勇者に選ぶほど、この国は追い詰められていた。
サークレットに嵌める宝石は、愛する人の瞳か髪の色。けれどマティスが選んだ石は、リディアの瞳の色でも髪の色でもなかった――。
それでも好きな人の生還を祈り、サークレットを完成させたリディアの恋の行方は。
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