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敵の正体 カティの真実
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カティが男たちにかけられていた契約魔法を解除し、エドヴァルドの尋問が始まった。
氷の宰相の尋問に男たちはすぐに口を割った。契約魔法を無効化されるなど考えもしなかったのだろう。物理的な尋問に耐性のない者も含まれており、その者から敵の姿が明らかになった。
敵はここから遠く離れたバートランド国の王族だという。その国は魔法を巧みに操れる者が多い。それゆえ、力のあるものが集まりエドヴァルドの結界を破ることが出来たようだ。
しかし今回暗殺を命じられた者たちは理由まではしらなかった。
「今のカティには暗殺者を退けるのは造作もありませんが、ずっと警戒して生きていくわけにはまいりません。根本から片を付けたいと思います。」
「もちろんだ。ただし相手が王族となると一歩間違えると争いのもとになりかねん。まずバートランド国について調べさせる、カティちゃんについてもだ。」
「お願いいたします。私は義弟の両親やそしてその祖父母殿を遡って調査いたします。」
国王とエドヴァルドはまず情報を収集し今後の対応を考えることにした。
バートランド国は現在、代理国王が治めている。
前国王が亡くなったあと、その弟であるトルスティが次期国王と決まっていた。
この国は代替わりの儀式を無事にやり遂げ、その証を身に宿すことで真の王と認められる。しかし、トルスティはまだ正式な国王になっていなかった。
トルスティはその儀式を終えていない。ということは・・・真の国王となる資格がないという事。それに焦っているという情報がその周辺諸国から得られた。
そして・・・
カティがその血縁であることが判明した。
カティの実父クラウスの父で、カティの祖父に当たるユリウスがバートランド前国王の一人息子であったことが分かった。ただし、その一人息子のユリウス王子は早逝していた。
正式な婚姻を結ばないままお手付きにした侍女のサンドラのお腹にクラウスが宿っていたが、サンドラは誰にも知らせないまま行方をくらました。一人でクラウスを育て、その事情を知らないままエドヴァルドの父はそのサンドラを後妻に娶った。
今回それが分かったのは、サンドラの妹が話してくれたからだ。初めは何も知らないと言っていたが、クラウスの子が命を何度も狙われていることを話すと青ざめながら話してくれた。
サンドラの妹だけが真実を打ち明けられていた。血筋が明らかになると奪われるか殺されるかもしれないと姉が怯えていたため誰にも言わなかった、そして早逝した王太子ユリウスの死を不審に思っていたとも。
「直系のカティちゃんが生きていると、トルスティ代理王が真の王になれぬわけがあるという事か?」
「探し出して王女として迎えるどころか暗殺しようとするとは。いらぬものなら捨ておけばよいものを!」
珍しく感情もあらわにエドヴァルドは怒る。
真実がわかっても相手が一国の代理国王。事実上の国王。
こちらの動き方次第で確実に戦争がおこる。
氷の宰相の尋問に男たちはすぐに口を割った。契約魔法を無効化されるなど考えもしなかったのだろう。物理的な尋問に耐性のない者も含まれており、その者から敵の姿が明らかになった。
敵はここから遠く離れたバートランド国の王族だという。その国は魔法を巧みに操れる者が多い。それゆえ、力のあるものが集まりエドヴァルドの結界を破ることが出来たようだ。
しかし今回暗殺を命じられた者たちは理由まではしらなかった。
「今のカティには暗殺者を退けるのは造作もありませんが、ずっと警戒して生きていくわけにはまいりません。根本から片を付けたいと思います。」
「もちろんだ。ただし相手が王族となると一歩間違えると争いのもとになりかねん。まずバートランド国について調べさせる、カティちゃんについてもだ。」
「お願いいたします。私は義弟の両親やそしてその祖父母殿を遡って調査いたします。」
国王とエドヴァルドはまず情報を収集し今後の対応を考えることにした。
バートランド国は現在、代理国王が治めている。
前国王が亡くなったあと、その弟であるトルスティが次期国王と決まっていた。
この国は代替わりの儀式を無事にやり遂げ、その証を身に宿すことで真の王と認められる。しかし、トルスティはまだ正式な国王になっていなかった。
トルスティはその儀式を終えていない。ということは・・・真の国王となる資格がないという事。それに焦っているという情報がその周辺諸国から得られた。
そして・・・
カティがその血縁であることが判明した。
カティの実父クラウスの父で、カティの祖父に当たるユリウスがバートランド前国王の一人息子であったことが分かった。ただし、その一人息子のユリウス王子は早逝していた。
正式な婚姻を結ばないままお手付きにした侍女のサンドラのお腹にクラウスが宿っていたが、サンドラは誰にも知らせないまま行方をくらました。一人でクラウスを育て、その事情を知らないままエドヴァルドの父はそのサンドラを後妻に娶った。
今回それが分かったのは、サンドラの妹が話してくれたからだ。初めは何も知らないと言っていたが、クラウスの子が命を何度も狙われていることを話すと青ざめながら話してくれた。
サンドラの妹だけが真実を打ち明けられていた。血筋が明らかになると奪われるか殺されるかもしれないと姉が怯えていたため誰にも言わなかった、そして早逝した王太子ユリウスの死を不審に思っていたとも。
「直系のカティちゃんが生きていると、トルスティ代理王が真の王になれぬわけがあるという事か?」
「探し出して王女として迎えるどころか暗殺しようとするとは。いらぬものなら捨ておけばよいものを!」
珍しく感情もあらわにエドヴァルドは怒る。
真実がわかっても相手が一国の代理国王。事実上の国王。
こちらの動き方次第で確実に戦争がおこる。
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