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私の悩みと思い人
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「今日は一際騒いでいたな? 本当に大丈夫か?」
夕方が近づき、他の皆さんが撤収準備を始めた頃、ハロルド様がやってきて私を心配してくれた。
「す……っ、すみません……っ、だっ、だいっ」
謎の物体に何時間も体を愛撫され続けた私は、息も絶え絶えに答えるしかできない。
見えない物体というか、恐らくあれは触手だ。
目には見えないのだけれど、私のドレスの下に潜り込むと、布地が膨らみ、そこにきちんと質量があるのが分かる。
えいっ! と掴んでみると、ヌルヌルした物が手に当たって大きな悲鳴を上げてしまった。
けれど皆が心配して駆けつけてくれた頃には、それはどこかへ消えている。
(魔物にでもとりつかれているのかしら……)
恥ずかしさと情けなさで一杯になりながら、私はハロルド様に不明瞭な言い訳をし、のろのろと後片付けをする。
何せ触手はドロワーズの切れ目から侵入してきて、秘唇を直接擦ってくる。
ヌルヌルと擦られているうちに愛蜜が溢れ、敏感な淫芽も刺激されて何度も達ってしまった。
(私はまだ! 立派な! 生娘です!!)
擦られまくっているけれど、ギリギリ生娘だと周囲に言い張りたい。
……そんな事を口にしたら、ふしだらな令嬢として、社交界からつまはじきにされそうだけれど……。
湖畔に来るたびに触手に襲われ、そのたびに感度が増してしまっている気がする。
ここでだけ襲われているようなので、本当に嫌なら来なければいい。
でも皆さんと活動できないのが嫌なので、こうして恥ずかしい思いをし、我慢に我慢を重ねているのだけれど……。
後片付けをしようとして身じろぎをしただけで、ぐっしょり濡れたドロワーズの奥で勃起した淫芽が擦れて声が漏れた。
「あんっ……♡」
ハロルド様の前だというのに甘い声を漏らしてしまい、ドバッと変な汗が出る。
「え?」
彼が驚いたように瞠目したので、私はとっさに誤魔化した!
「あんあんあんっ! ……って、うちの犬がこうやって鳴くんですけど……、可愛い……です、よね……」
ハロルド様の目を見ずに言ったあと、私は俯いて片付けの手を動かし、額から滴ってしまいそうなほど変な汗を流す。
――いっその事、羞恥が高まって失神できればいいのに。
――もっと繊細に生まれたかった!
「……ん、うん。帰る支度をしよう。手伝う」
ハロルド様はぎこちなく頷いたあと、私の荷物に手を掛け始めた。
そうですよね。そういう反応になりますよね……。
心の中で涙を流した私は、ノロノロと手を動かす。
と、ハロルド様が声を掛けてきた。
「エメライン。もし良ければ、君が何に悩んでいるのか相談に乗りたいのだが」
「そっ、…………相談、ですか……」
気を遣ってもらえるのはありがたいが、アレを何と説明したらいいか分からない。
私たちは神様を信仰し、堕落した人は悪魔に魅入られると言われているけれど、普通に生活していて悪魔――魔物に遭遇する事はない。
だからいきなり「触手っぽいものに襲われているんです」と訴えても、どうしようもない。
聖職者でもない限り対抗手段を持たないだろうし、「大変だな」と言われて距離を取られるに決まっている。
私もその他の令嬢と同様に、ハロルド様に好意を寄せている。
素敵な方だし、優しく接してくださるし、絵画の解釈も似ていて彼が描く繊細なタッチも好きだ。
口数が少なく少し近寄りがたい雰囲気があるけれど、彼が描く絵から、繊細で優しい人だと分かっている。
だからこそ、少しずつ仲良くなって親密になれたら……と思っていた。
それを触手に邪魔されたくない!
「お気持ちはありがたいのですが……」
どうやって彼を傷つけず断ろうか考えていた時、ハロルド様が耳元に顔を寄せ、囁いてきた。
夕方が近づき、他の皆さんが撤収準備を始めた頃、ハロルド様がやってきて私を心配してくれた。
「す……っ、すみません……っ、だっ、だいっ」
謎の物体に何時間も体を愛撫され続けた私は、息も絶え絶えに答えるしかできない。
見えない物体というか、恐らくあれは触手だ。
目には見えないのだけれど、私のドレスの下に潜り込むと、布地が膨らみ、そこにきちんと質量があるのが分かる。
えいっ! と掴んでみると、ヌルヌルした物が手に当たって大きな悲鳴を上げてしまった。
けれど皆が心配して駆けつけてくれた頃には、それはどこかへ消えている。
(魔物にでもとりつかれているのかしら……)
恥ずかしさと情けなさで一杯になりながら、私はハロルド様に不明瞭な言い訳をし、のろのろと後片付けをする。
何せ触手はドロワーズの切れ目から侵入してきて、秘唇を直接擦ってくる。
ヌルヌルと擦られているうちに愛蜜が溢れ、敏感な淫芽も刺激されて何度も達ってしまった。
(私はまだ! 立派な! 生娘です!!)
擦られまくっているけれど、ギリギリ生娘だと周囲に言い張りたい。
……そんな事を口にしたら、ふしだらな令嬢として、社交界からつまはじきにされそうだけれど……。
湖畔に来るたびに触手に襲われ、そのたびに感度が増してしまっている気がする。
ここでだけ襲われているようなので、本当に嫌なら来なければいい。
でも皆さんと活動できないのが嫌なので、こうして恥ずかしい思いをし、我慢に我慢を重ねているのだけれど……。
後片付けをしようとして身じろぎをしただけで、ぐっしょり濡れたドロワーズの奥で勃起した淫芽が擦れて声が漏れた。
「あんっ……♡」
ハロルド様の前だというのに甘い声を漏らしてしまい、ドバッと変な汗が出る。
「え?」
彼が驚いたように瞠目したので、私はとっさに誤魔化した!
「あんあんあんっ! ……って、うちの犬がこうやって鳴くんですけど……、可愛い……です、よね……」
ハロルド様の目を見ずに言ったあと、私は俯いて片付けの手を動かし、額から滴ってしまいそうなほど変な汗を流す。
――いっその事、羞恥が高まって失神できればいいのに。
――もっと繊細に生まれたかった!
「……ん、うん。帰る支度をしよう。手伝う」
ハロルド様はぎこちなく頷いたあと、私の荷物に手を掛け始めた。
そうですよね。そういう反応になりますよね……。
心の中で涙を流した私は、ノロノロと手を動かす。
と、ハロルド様が声を掛けてきた。
「エメライン。もし良ければ、君が何に悩んでいるのか相談に乗りたいのだが」
「そっ、…………相談、ですか……」
気を遣ってもらえるのはありがたいが、アレを何と説明したらいいか分からない。
私たちは神様を信仰し、堕落した人は悪魔に魅入られると言われているけれど、普通に生活していて悪魔――魔物に遭遇する事はない。
だからいきなり「触手っぽいものに襲われているんです」と訴えても、どうしようもない。
聖職者でもない限り対抗手段を持たないだろうし、「大変だな」と言われて距離を取られるに決まっている。
私もその他の令嬢と同様に、ハロルド様に好意を寄せている。
素敵な方だし、優しく接してくださるし、絵画の解釈も似ていて彼が描く繊細なタッチも好きだ。
口数が少なく少し近寄りがたい雰囲気があるけれど、彼が描く絵から、繊細で優しい人だと分かっている。
だからこそ、少しずつ仲良くなって親密になれたら……と思っていた。
それを触手に邪魔されたくない!
「お気持ちはありがたいのですが……」
どうやって彼を傷つけず断ろうか考えていた時、ハロルド様が耳元に顔を寄せ、囁いてきた。
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