あなたにおすすめの小説
終電を逃すたび、お前が迎えに来る
三十四歳、終電を逃す回数だけ増えていく。
会社を出るのはいつも終電ギリギリで、
間に合わないことの方が多くなった。
そのたびに、連絡する相手が一人だけいた。
二十七歳の、同期の後輩。
「迎えに行きます」
「タクシーでいい」
「行きます」
来る。毎回来る。
何も聞かない。ただ来る。
それがいつからか、当たり前になっていた。
登場人物
黒田 篤(くろだ あつし・34歳)
中堅メーカーの営業部長。仕事は速いが雑に扱われることを許しすぎる。終電を逃すのが月に五回を超えている。感情を出すのが苦手。誰かに頼ることがもっと苦手。
坂本 柚樹(さかもと ゆずき・27歳)
同じ会社の営業部員。黒田の七年後輩。仕事の飲み込みが早く、感情の扱い方がうまい。黒田が終電を逃すたびに迎えに行く。その理由を、一度も言ったことがない。
青龍将軍の新婚生活
犬猿の仲だった青辰国と涼白国は長年の争いに終止符を打ち、友好を結ぶこととなった。その友好の証として、それぞれの国を代表する二人の将軍――青龍将軍と白虎将軍の婚姻話が持ち上がる。
武勇名高い二人の将軍の婚姻は政略結婚であることが火を見るより明らかで、国民の誰もが「国境沿いで睨み合いをしていた将軍同士の結婚など上手くいくはずがない」と心の中では思っていた。
そんな国民たちの心配と期待を背負い、青辰の青龍将軍・星燐は家族に高らかに宣言し母国を旅立った。
「私は……良き伴侶となり幸せな家庭を築いて参ります!」
幼少期から伴侶となる人に尽くしたいという願望を持っていた星燐の願いは叶うのか。
中華風政略結婚ラブコメ。
※他のサイトにも投稿しています。
そんなの真実じゃない
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。
オメガ騎士団長の年貢の納め時
オメガであることを伏せて働く騎士団長エヴァン。ある日、番のアルバスに抑制剤を過剰服用していたことがばれてしまって……。
エヴァン、アルバス、老宰相の三視点からお送りします。
病弱の花
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。