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賢者。勇者剣士と合流する。

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実際はそんなことはなく、私はけっきょく集落を出て『魔王探し』の旅に出てしまったし、きっとリムであれば魔王は彼女のことを認識もせずに倒してしまうだろう。
そう言えば──

まおうは

その言葉に続く何かを私は忘れているような気がしたが、それはきっとあいつに会えばわかるだろう…とその小さなしこりのようなものは飲み込んだ。


やがてミルベルの店が見えてきたが、店の扉には『閉店』というカードが掛かっている。
それには構わず、ラダとデューンは庭の方から回る木戸を開けたが、私とミウはピタリと止まった。
「ん?どうしたの?」
後ろに続かない私たちを見てラダが怪訝そうな顔をしたが、すかさずミウがひらひらと手を振って訳を話してくれた。
「私たちはそっちから入っちゃダメってミルベルに言われてるから……呼んでくれたらわかるよ」
「ふ~ん?なんか……訳アリ?」
「そう。アリアリ。だから、ねっ?お願い!」
ラダは別にイタズラとか意地悪とかそういう気質は持っていないようで、納得いかないような顔をしつつも肩を竦めて、そのまま庭の奥へと入っていく。
デューンも何か言いたそうではあったが、やはり何も言わずに後に続いた。
私たちが続かない、その訳は──
「わわわっ!ごっ、ごめんごめん!!ついいつもの癖で……ミウに鍵を渡しておけばよかったよ!」
「ううん。いいんだよ。それより……納得してもらえた?」
「いやぁ……それが……」
慌てて出てきて扉を開けてくれたのはいいものの、ミルベルが歯切れ悪そうに笑う。
とりあえず人目に付く前にと店に通され、そのまま庭へ続く扉へと導かれる。
そうして目の前に展開していたのは、少年と青年の狭間にあるはずなのにどこか幼い雰囲気の若い男と、ちょこんとその足元に座ってご機嫌なウル、それと対峙するかのように鞭を身構えるラダとその後ろで大斧に手をやろうかとしているデューンがいた。
「……入ってきた途端にあれだよ。従魔がいるっていうことは教えてなかったの?」
「う~ん……言ったんだけどね……たぶん『魔獣』っていうので頭に血が上っちゃってるんだと思う……ミルベルのところに来るのって、ほとんどペットレベルだから」
「そうとも限らないんだけどね。パトリック様、止められる?」
はぁ~…と少女2人が溜め息をつくが、どうやらその会話が聞こえたらしいデューンが『やっぱり』というように頷き、ラダが鞭を使って彼らのリーダーを守ろうとウルに向かってその手を振り上げようとした瞬間に、遠慮なくその細い胴体に手を添えて己の身体ごと反転した。


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