朱唇皓歯《しゅしんこうし》は野望を抱く

 
 篠 桜は十四歳という若さで、女でありながら十七家の組織を束ねる御庭番の頭領となる。

 桜は一言で表せば朱唇皓歯。
 ただ残念な事に態度はでかく口が悪い。慇懃無礼な態度はお手の物。その性格のせいで敵も多い──そんな子供が御庭番を立て直すなんぞ誰も想像していなかった。

 そんな彼女は十歳の頃に拾われる。

 花街に八歳で売られた桜は十歳で廓から逃げ出し追手から逃れていた際に一隻の船に逃げ込んだ。荷物に隠れて、そのお陰で御庭番の一人である伊賀忍者の末裔の女に拾われるのである。
 その女に拾われて、桜は御庭番の一人として鍛えられる事になり巨大組織に身を置く事になる。そこは御庭番としての役目を失いつつある、才能もない権力を盾にした男が管轄するせいで腐敗した組織と成り果てていた。

 彼女はその場所で頭角を現して行く。

 細腕であるのにも関わらず、どの大人よりも剣術に優れ武術にも精通していく。誰をも凌駕し、しまいには彼女に敵う者は居なくなる。但し彼女には学もない身分もない。あるのは自尊心の高さ、向上心。傍若無人で自信家。それでも他人を引き寄せる。誰をも魅了する美貌と才智──。

 桜は昔は天真爛漫で泣き虫だった。
 己が泣いて見せれば、誰よりも優しい姉が必ず慰めてくれるのだ。
 ある事がきっかけで彼女は修羅の道を進む事を決意する。

 これは、泣き虫だった少女が野望を勝ち取る物語。




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朱唇皓歯…色白で美人、の意。

『遊び人の恋』の篠 雪の妹のお話、『篠 桜編』です。
シリアス、R18シーンは『遊び人の恋』と違い糖分はありません。但し本命は居ます……。
R18シーンはまだまだ先になると思います。

『遊び人の恋』を読んでいなくても問題ないですが、繋がっている部分もあります。

 本編へ行くまで、またR18シーンまでは遠いですがお付合い下されば嬉しいです。




時代背景設定はゆるゆる、遊郭の設定もゆるゆるです。間違いが多々あり想像の設定です。ツッコミどころ満載ですが、宜しくお願いします。

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