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【7話】
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「本当に申し訳ない!まさかあんなタイミングで睡魔に襲われるなんて思いもし無かった…重かったであろう?」
キンキラな美青年が顔を真っ赤にしてサイヒに謝る。
人に見られたら顔が良すぎて変な扉を開けるものが出てきそうだ。
少し涙目なのもポイントが高いだろう。
サイヒに変な性癖がなくて良かった。
あったらこの青年はサイヒにペロリと美味しく頂かれていたであろう。
「いや、随分睡眠不足だったんだな。睡眠負債と言うやつだ、仕方ない。しかし体重は軽すぎだぞ。ちゃんと食事は摂っているのか?」
「最近ようやくスープとサンドイッチを食べても気分が悪くなることが無くなった」
「長年毒物を摂取してきたから内臓がまだ弱っているんだな。仕方ない乗りかかった舟だ。体調が良くなるまで付き合ってやろう」
サイヒの言葉に青年は目を輝かせる。
「食事も付き合ってくれるのか!?」
「あくまで後宮の昼食だけだがな」
「私はあまり後宮で歩き回りたくないのだが…」
「その辺は問題ない」
サイヒは己の着けていた水晶のブレスレットを外すと【認識阻害】の魔術を付与する。
一瞬だけブレスレットが強く光ったが、本当に一瞬だけだった。
「これを着けていれば存在感がほぼなくなる。歩き回っても大丈夫だと思うぞ?」
「魔術の付与とはそんなに簡単に出来るものなのか!?」
「さぁ、人と比べたことがないから分からんな。ほら、着けておけ」
サイヒが青年の左手を取ってブレスレットを嵌める。
水晶のブレスレットは決して高いモノではなかったが、シンプルなデザインのため安ものに見えると言うことも無かった。
いや、この青年の美貌をもってすれば屋台の子供向けのアクセサリーですら付けこなせるかも知れない。
「これからは後宮に来るときはソレを着けてくればよい。オオカミに狙われずに済む」
「これもくれるのか?」
「必要になればまた作るから問題ない。ソレよりアンタみたいな美形が後宮を歩き回る方が問題だ」
「そうなのか?」
「そういうものだ」
「さて少し遅くなったがまだ宦官用の食堂は空いているだろう。食べに行くぞ」
「私も一緒にか!?」
「アンタは痩せすぎだ。しっかり飯を食べろ。安心しろここの食事は美味しいぞ」
「では一緒に行ってみる」
青年はサイヒの言葉に異論を唱えることなく承諾する。
あまりにも素直なので変な人間に騙されないかサイヒは心の奥で心配した。
「あぁそうだ。私の事はサイヒで良いぞ?其方なんて呼ばれるほど立派な身分でもない」
「では私の事もルークと呼んでくれないだろうか?」
「ルークな。了解した」
名前を呼んだだけで青年が笑顔になる。
チョロ過ぎて本気で心配になる。
「もう少し人を疑うことを覚えた方がよいぞルーク」
「その辺りはしっかりしているつもりなのだが…それにサイヒは私を欺かないだろう?」
「まぁ嘘をつく必要性もないしな」
「私は見る目はあるつもりだ」
非常に嬉しそうである。
何がそんなに嬉しいのかは分からないが美形の笑顔は眼福だ。
全くもって顔が良いと言うのはある種の才能だ。
サイヒも自分の顔は整っている方だと思っていたがルークに比べると流石に負けると認識している。
まぁ美貌で苦労することも多そうだが…。
ちなみにサイヒは自分よりルークの方が断然美形だと思っているが、実際のところ同レベルの美形である。
むしろ男としての色気ならサイヒの方が断然にある。
女にモテるのは圧倒的にサイヒだろう。
自分を棚に上げておいて、サイヒはルークの美貌にかんする危機管理能力は大丈夫なのかと心配した。
:::
「まだ料理は出せるだろうか?」
すでに殆ど人がいない食堂でサイヒはカウンター越しのオバちゃんに声をかけた。
「サイヒ君じゃない。何時もなら1番に来るのに遅いから心配したんだよ?」
「友人と喋っていて時がたつのを忘れていた。私と友人2人分定食をお願いしたい」
「はいはい、サイヒ君は大盛でしょう。お友達はどれくらい食べるのかしら?」
「今、胃の状態があまり良くないらしいから全体に少なめにしてくれ」
「了解だよ。座って待っててちょうだいな」
「あぁ有難う。ルーク、席に着こうか」
「あ、あぁ」
ルークが物凄く驚いた表情をしている。
何事か?
「何を驚いているんだ?」
「いや、サイヒの術は凄いと思ってな…」
「大陸中探せばこれくらい出来る宦官も居るだろう」
「そう言うものなのか?」
「そう言うものだ」
話している間に美味しそうな匂いが香ってくる。
「はい、お待ちどうさん!サイヒ君もお友達もしっかり食べておくれ」
ドン、とサイヒの目の前に置かれた定食は米からおかず全てが山盛りだ。
細身のサイヒが食べきれるとは思えない。
反対にルークの前に置かれたのはその4分の1程度の量だった。
「食べきれるのか!?」
「問題ない。さぁ温かいうちに食べよう。私は腹が減ってしょうがない」
”頂きます”と手を合わせサイヒがおかずを口に含む。
「うん、やはりここの食堂はパンより米の方が旨い」
「確かに美味しいな」
ルークもおかずを口に入れる。
おばちゃんの計らいで料理は小さく切られていた。
胃が弱いのを気にしてくれたのだろう。
「ゆっくりで良いからしっかり食べろ。そして今日からは少し体も動かした方が良いな。十分な栄養を摂って運動すればおのずと筋力も付いてくる。ルークが多少重くなったところで膝にのせて眠らすのに支障はない」
「うっ、すまなかった…これからは寝ないように気を付ける」
「別にとくに構わないぞ私は。人肌と言うのは気持ち良いしな。昼間に軽く取る睡眠は体にも良い。ルークは睡眠負債をかなり抱えている様だから眠い時は寝た方が良い」
「だが成人した男が抱きかかえられて寝ると言うのは問題が無いだろうか?」
「私は困っていないから問題ない」
「そうか…」
ルークが頬を染める。
お昼寝が随分と気持ちよかったのだろう。
これからもサイヒが付き合うことを口にしたので、嬉しかったらしい。
少しの羞恥もあるようだが。
「サイヒは変わっているな」
「そうか?」
「こんなに一緒にいて気分が安らぐ相手は初めてだ」
「お褒めの言葉有難く頂戴しよう」
クスリ、とサイヒが小さく微笑む。
その目は慈愛に満ちている。
サイヒはルークが何者か知らないが、少なくとも毒を混入されるのが当たり前な日常を過ごしてきたのだけは分かっている。
だから”一緒にいて気分が安らぐ”と言うなら自分位はルークを甘やかしてやろうと思うのだ。
だからサイヒはルークが何者であるかは聞かない。
位がかなり高い事は分かる。
並の身分では後宮に男が入ることはかなわない。
位を聞くと対応が上の者に対する失礼のない態度を取らねばならないだろう。
ルークがそれを望んでいるとは思えない。
だからサイヒは1人の友人として”ルーク”を受け入れた。
「ゆっくりで良いからしっかり咀嚼して食べろ。よく噛むと消化に良い。食べ終わるまで待っているから焦らなくて良いぞ」
「あぁ、分かった。有難う」
蕩ける様な笑みをルークは浮かべる。
ブレスレットを渡しておいて良かったとサイヒは心の底から思った。
【認識阻害】が働いてなかったらルークの笑顔に、周囲の性癖の生命線が奪われた者が出ていたであろう。
良い仕事をしたとサイヒは心の中で自画自賛し温かいお茶を口にした。
キンキラな美青年が顔を真っ赤にしてサイヒに謝る。
人に見られたら顔が良すぎて変な扉を開けるものが出てきそうだ。
少し涙目なのもポイントが高いだろう。
サイヒに変な性癖がなくて良かった。
あったらこの青年はサイヒにペロリと美味しく頂かれていたであろう。
「いや、随分睡眠不足だったんだな。睡眠負債と言うやつだ、仕方ない。しかし体重は軽すぎだぞ。ちゃんと食事は摂っているのか?」
「最近ようやくスープとサンドイッチを食べても気分が悪くなることが無くなった」
「長年毒物を摂取してきたから内臓がまだ弱っているんだな。仕方ない乗りかかった舟だ。体調が良くなるまで付き合ってやろう」
サイヒの言葉に青年は目を輝かせる。
「食事も付き合ってくれるのか!?」
「あくまで後宮の昼食だけだがな」
「私はあまり後宮で歩き回りたくないのだが…」
「その辺は問題ない」
サイヒは己の着けていた水晶のブレスレットを外すと【認識阻害】の魔術を付与する。
一瞬だけブレスレットが強く光ったが、本当に一瞬だけだった。
「これを着けていれば存在感がほぼなくなる。歩き回っても大丈夫だと思うぞ?」
「魔術の付与とはそんなに簡単に出来るものなのか!?」
「さぁ、人と比べたことがないから分からんな。ほら、着けておけ」
サイヒが青年の左手を取ってブレスレットを嵌める。
水晶のブレスレットは決して高いモノではなかったが、シンプルなデザインのため安ものに見えると言うことも無かった。
いや、この青年の美貌をもってすれば屋台の子供向けのアクセサリーですら付けこなせるかも知れない。
「これからは後宮に来るときはソレを着けてくればよい。オオカミに狙われずに済む」
「これもくれるのか?」
「必要になればまた作るから問題ない。ソレよりアンタみたいな美形が後宮を歩き回る方が問題だ」
「そうなのか?」
「そういうものだ」
「さて少し遅くなったがまだ宦官用の食堂は空いているだろう。食べに行くぞ」
「私も一緒にか!?」
「アンタは痩せすぎだ。しっかり飯を食べろ。安心しろここの食事は美味しいぞ」
「では一緒に行ってみる」
青年はサイヒの言葉に異論を唱えることなく承諾する。
あまりにも素直なので変な人間に騙されないかサイヒは心の奥で心配した。
「あぁそうだ。私の事はサイヒで良いぞ?其方なんて呼ばれるほど立派な身分でもない」
「では私の事もルークと呼んでくれないだろうか?」
「ルークな。了解した」
名前を呼んだだけで青年が笑顔になる。
チョロ過ぎて本気で心配になる。
「もう少し人を疑うことを覚えた方がよいぞルーク」
「その辺りはしっかりしているつもりなのだが…それにサイヒは私を欺かないだろう?」
「まぁ嘘をつく必要性もないしな」
「私は見る目はあるつもりだ」
非常に嬉しそうである。
何がそんなに嬉しいのかは分からないが美形の笑顔は眼福だ。
全くもって顔が良いと言うのはある種の才能だ。
サイヒも自分の顔は整っている方だと思っていたがルークに比べると流石に負けると認識している。
まぁ美貌で苦労することも多そうだが…。
ちなみにサイヒは自分よりルークの方が断然美形だと思っているが、実際のところ同レベルの美形である。
むしろ男としての色気ならサイヒの方が断然にある。
女にモテるのは圧倒的にサイヒだろう。
自分を棚に上げておいて、サイヒはルークの美貌にかんする危機管理能力は大丈夫なのかと心配した。
:::
「まだ料理は出せるだろうか?」
すでに殆ど人がいない食堂でサイヒはカウンター越しのオバちゃんに声をかけた。
「サイヒ君じゃない。何時もなら1番に来るのに遅いから心配したんだよ?」
「友人と喋っていて時がたつのを忘れていた。私と友人2人分定食をお願いしたい」
「はいはい、サイヒ君は大盛でしょう。お友達はどれくらい食べるのかしら?」
「今、胃の状態があまり良くないらしいから全体に少なめにしてくれ」
「了解だよ。座って待っててちょうだいな」
「あぁ有難う。ルーク、席に着こうか」
「あ、あぁ」
ルークが物凄く驚いた表情をしている。
何事か?
「何を驚いているんだ?」
「いや、サイヒの術は凄いと思ってな…」
「大陸中探せばこれくらい出来る宦官も居るだろう」
「そう言うものなのか?」
「そう言うものだ」
話している間に美味しそうな匂いが香ってくる。
「はい、お待ちどうさん!サイヒ君もお友達もしっかり食べておくれ」
ドン、とサイヒの目の前に置かれた定食は米からおかず全てが山盛りだ。
細身のサイヒが食べきれるとは思えない。
反対にルークの前に置かれたのはその4分の1程度の量だった。
「食べきれるのか!?」
「問題ない。さぁ温かいうちに食べよう。私は腹が減ってしょうがない」
”頂きます”と手を合わせサイヒがおかずを口に含む。
「うん、やはりここの食堂はパンより米の方が旨い」
「確かに美味しいな」
ルークもおかずを口に入れる。
おばちゃんの計らいで料理は小さく切られていた。
胃が弱いのを気にしてくれたのだろう。
「ゆっくりで良いからしっかり食べろ。そして今日からは少し体も動かした方が良いな。十分な栄養を摂って運動すればおのずと筋力も付いてくる。ルークが多少重くなったところで膝にのせて眠らすのに支障はない」
「うっ、すまなかった…これからは寝ないように気を付ける」
「別にとくに構わないぞ私は。人肌と言うのは気持ち良いしな。昼間に軽く取る睡眠は体にも良い。ルークは睡眠負債をかなり抱えている様だから眠い時は寝た方が良い」
「だが成人した男が抱きかかえられて寝ると言うのは問題が無いだろうか?」
「私は困っていないから問題ない」
「そうか…」
ルークが頬を染める。
お昼寝が随分と気持ちよかったのだろう。
これからもサイヒが付き合うことを口にしたので、嬉しかったらしい。
少しの羞恥もあるようだが。
「サイヒは変わっているな」
「そうか?」
「こんなに一緒にいて気分が安らぐ相手は初めてだ」
「お褒めの言葉有難く頂戴しよう」
クスリ、とサイヒが小さく微笑む。
その目は慈愛に満ちている。
サイヒはルークが何者か知らないが、少なくとも毒を混入されるのが当たり前な日常を過ごしてきたのだけは分かっている。
だから”一緒にいて気分が安らぐ”と言うなら自分位はルークを甘やかしてやろうと思うのだ。
だからサイヒはルークが何者であるかは聞かない。
位がかなり高い事は分かる。
並の身分では後宮に男が入ることはかなわない。
位を聞くと対応が上の者に対する失礼のない態度を取らねばならないだろう。
ルークがそれを望んでいるとは思えない。
だからサイヒは1人の友人として”ルーク”を受け入れた。
「ゆっくりで良いからしっかり咀嚼して食べろ。よく噛むと消化に良い。食べ終わるまで待っているから焦らなくて良いぞ」
「あぁ、分かった。有難う」
蕩ける様な笑みをルークは浮かべる。
ブレスレットを渡しておいて良かったとサイヒは心の底から思った。
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