婚約破棄で処刑された私、死に戻ったら冷徹公爵に溺愛されたので、今世は全員ざまぁします

無実の罪で婚約破棄され、断頭台に送られた公爵令嬢リゼッタ・ヴァルトシュタイン。最後に見たのは、婚約者だった王太子が側妃の肩を抱いて笑う姿だった。

――ああ、私の人生って、なんだったんだろう。

そう思って目を閉じた瞬間、リゼッタは五年前の自分に戻っていた。王太子との婚約が決まった、あの舞踏会の夜に。

前世の記憶をすべて持ったまま。

誰が自分を陥れたのか。側妃がどんな手を使って王太子を操ったのか。そして、自分に冤罪を着せた貴族たちが、裏でどんな汚職に手を染めていたのか。すべてを、知っている。

今世のリゼッタは、もう泣かない。笑って頷かない。黙って耐えない。

まず最初にやるべきことは一つ。王太子の婚約を、自分から断ること。

「殿下、私にはもったいないお話ですわ」

周囲が凍りつく中、リゼッタは完璧な微笑みでそう告げた。王太子は面食らい、側妃候補の令嬢は顔を歪め、社交界は一夜にして騒然となる。

そんなリゼッタの前に現れたのが、「氷の公爵」と呼ばれるレオンハルト・クラウゼヴィッツだった。王家すら容易に手を出せない北方最大の軍事貴族にして、冷酷無慈悲と恐れられる男。前世では一度も関わることのなかった人物。

「面白い女だ。――俺の婚約者になれ」

それは政略でも同情でもなく、リゼッタの"反逆"を間近で見た男の、純粋な興味から始まった申し出だった。

最初は利害の一致。レオンハルトはリゼッタの知識と胆力を、リゼッタはレオンハルトの圧倒的な権力と武力を必要とした。けれど共に過ごす日々の中で、氷の公爵は誰にも見せない不器用な優しさをリゼッタにだけ向けるようになる。

「お前が寒いと言うなら、俺はこの北方の冬ごと燃やしてやる」

――この人、言っていることの規模がおかしい。

真顔で過保護な溺愛を注ぐレオンハルトに振り回されながらも、リゼッタは着実に復讐の駒を進めていく。

王太子の側妃が仕組んだ毒殺未遂の証拠を暴き、共犯貴族の横領を公文書とともに法廷に突きつけ、前世で自分を見殺しにした者たちを一人ずつ社会的に葬っていく。

「どうして……あなたにそんなことができるの!?」

泣き叫ぶ側妃に、リゼッタは静かに微笑んだ。

「あなたが私にしたことを、私はただ"正しい手順で"返しているだけですわ」

法と証拠で、容赦なく、鮮やかに。

断罪が進むほどに明らかになる王家の闇。揺らぐ王太子の地位。そしてリゼッタ自身の出生に隠された、国の根幹を揺るがす秘密――。

これは、一度すべてを奪われた令嬢が、二度目の人生で愛と誇りを取り戻す物語。

最強の味方に溺愛されながら、全員まとめてざまぁします。
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