【完結】死に戻った令嬢は、贖罪のために生きる

焔に焼かれて死んだはずだった。
最後に見たのは、父の冷たい目と、涙を浮かべた少女の横顔――あの子だった。

意識を取り戻した時、私は処刑の一年と少し前へ戻っていた。
誰がこの時間を与えたのかはわからない。けれど、それが「救い」ではなく「罰」だということだけは、よくわかっていた。

もう誰も傷つけない。
あの子――父に愛され、私の母を奪った義妹にも、これ以上なにも望まない。
私はただ、最後の時を静かに待つだけ。
幸せなど、手にしてはいけない。愛など、受け取ってはならない。

なのに。
かつて私を裁いた人々が、今はなぜか、私に微笑みを向ける。
「君は、誰よりも美しく、悲しい」と。

忘れてしまったのか。それとも、知らないふりをしているのか。
過去を背負うのは、私ひとりだけだというのに。

信じてはいけない。
縋ってはいけない。
けれど、それでも、差し伸べられた手が、痛いほどに、あたたかかった。

――これは、終わったはずの悪役が、二度目の人生で静かに堕ちていく、贖罪と共依存の記録。

※名称被りの小説があったため、タイトルを変更しました。
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