無口な俺が、異世界で良い地位に上り詰めてしまっている。

俺が異世界に来てからもう半年になる。まさか、こんな事になるなんて思いもよらなかった。
女神の命令に従って色々と悪戦苦闘したけれど、俺は思ってる以上に人との縁があるらしい。
人と話すのが嫌いなのに、何故だか周りにはそれすら受け入れてついて来る仲間がいる状況。
正直一人になりたい時もあるが、まあ、仕方ない。それが一度命を失った俺の運命なんだろう。

こうして誰にも見つからないように日記が書けるのも今では数少ない機会になっている。
ああ、ほら。扉の向こうで俺を呼ぶ声がした。もうこの場所がバレてしまったようだな。

「今からそっちへ行くよ。ユリ」 俺は声に出すことなく、ため息交じりに微笑みながら筆を置いた。


※物語は基本的に主人公の一人称視点で進みます。登場人物は吹き出しの言葉以外は聞こえていません。
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