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しすたーずとさいきょーぱーてぃー☆

さいきょーぱぁーてぃーのたたかいっ

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「よ、よくやった、テイカ。」

 キョウは、テイカの頭を撫でじゃくる。
 テイカは子供のように照れながら(子供なのだが)それを抑えて、先を見据える。

「まおう、ぶっころそ?」

 エゲツない言葉を吐くテイカに、ほかのメンバーは驚きを胸の奥に留めておく。

––––すると––––

「きゃぁっ!」

 ドーラの悲鳴が、広すぎる魔王の部屋に響き渡る。
 このきょうだいの中で、実は一番乙女であるドーラの声に、キョウ達はすぐさま、反射的に、ドーラの方を見る。
 キョウはあまりの凄さに、目を見開いた。

 そこには、これまで戦ってきた種族のモンスターが勢ぞろいしていたのだ。
 先程、テイカがったゴブリンよりも、強いと見受けられるモンスターが、わんさか溢れかえっている。
 その中の一匹が、ドーラに手を出したらしい。

 きょうだい達の堪忍袋の尾は、ビリビリにキレまくっていた。

「おまえ…ドーラねぇねに、なにしてるの?
 ぶっころす!…ぜったい、ぶっころす!」

 テイカは、そう言葉を吐くが、彼女がそのセリフを言った時には、ドーラに手を出したモンスターは粉々になっていた。

「あ、ありがと。テイカ。」

 照れ気味にテイカに礼を言うドーラ。中二病ゼリフを口にしないドーラは、本気ガチ乙女である!
 ドーラは空間魔法を得意とするので、なかなか前線へは出ない。そのため、ドーラはテイカに助けてもらうことが多い。
 
 だが、ドーラも負けていない!
 もらった恩は倍にして返す!
 それが、二人のモットーである。

「ドーラねぇね!お願いっ!」

「言われなくとも、解っておる!」

 アイコンタクトを交わし、ドーラが最強の空間魔法を放つ。

「さぁ、我に力を。
【妾の家族勇者に最強の翼を授けよ!】」

 ドーラがそう唱えると、テイカの身に神々しいオーラが加わる。そして、テイカは、翼でも授かったかのように、自由自在に、辺り一面を飛び回り、
モンスター達の頭上から、残酷に斬っていく。
 モンスター達が散っていく姿は儚く、花火が咲くように、鮮血が飛び、舞い上がり、
 花火が散るように、彼らは段々と白い光に包まれ、硝子の様な生命の破片がそこら中に飛び散り、呆気なく消えた。

 だが、モンスター達は次々とでてくる。

 一方、メイと、ウミは…攻撃魔法を使える、テイカ、キョウがいないので、ここは、【護る】戦術である。メイが敵を引き付けながら、ウミを護る。
 モンスター達が周りに大勢集まって来る様子を見て、ドーラが【空間魔法《瞬間移動》】を使い、テイカをメイ達のもとへと、誘う。

「メイねぇ…ナイス防御!」

 メイの周りにいたモンスターを、テイカは全員を消滅さしてから、メイの活躍に親指を立てた。

「我ながら…我の妹ながら、感心だわ。
 あんな攻撃魔法で、バンバンってる妹見てたら、なんか自分…何にもやってない感が。
 なんか、【テイカの攻撃魔法あれ】に褒められても…嬉しくないなあ…ハハハ!」

 メイの苦笑に、ウミは笑顔で返す。

「何言ってるの。メイは私を…みんなを護ってくれた。テイカもすごいよ。でも、ドーラも、メイもすごい!みんな頑張って、立ち向かってる。」

「ありがと。ウミねぇ。回復は任せたよ!」

「うん!【家族勇者を癒せ。】」

 ウミが魔法を唱えた途端、5人の体力は完全回復し、攻撃力、防御力、魔力が、魔王の間に入る前よりも上昇する。
 これが、最強の【回復魔法】そして【サポート魔法】の持ち主、ウミの力である。

「ウミねぇ、ありがとう!」

 と、テイカ。

「感謝するっ!」

 と、ドーラ。

「さんきゅぅー」

 と、メイ。


––––そして、この人物も––––

「ありがと、ウミねぇ…って…!俺、何もしてなくね?」

 お気づきだろうか?先程のウミの言葉に、キョウの名前がなかったことを。
 もう一度、リピートして聞いてみよう。

『何言ってるの。は私を…みんなを護ってくれた。もすごいよ。でも、も、もすごい!みんな頑張って、立ち向かってる。』

 ウミは正直だ。だから、余計に彼の胸を抉るのだ。

 キョウのきょうだいは、今も前線を走っている。

 戦っていないので、体力はもちろん、魔力すら1ミリも減ってはいない。
それなのにも関わらず、ウミから回復魔法をかけてもらい、自分の体力と魔力を示すバーナーが、一瞬キラッと光って、後にも先にも、変化することはなかったことが、とても申し訳なく、そして虚しい。

 今、キョウがきょうだい達の所へいけば、せっかく取れていた戦いのプロセスや、連携が無茶苦茶になる。
 今、全てをかけて頑張っているきょうだい達の、成長の邪魔をすることも、キョウとしてはご法度だ。例え、どんなにそれが悔しくとも。

 キョウは、行きたくても行けない、きょうだい達の戦いを一人で寂しく見つめているだけだった。
 
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