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第一章 HUE
59 <ユクレシアの記憶11>
しおりを挟む「何をやってるんだ」
「……あ、ヒュー」
立ち寄った村の外れで、土だらけになって、しゃがんでいたら、後ろから声をかけられた。
あの花の都と呼ばれていた街を境に、魔王の住む城に近づくにつれ、景色はどんどん荒廃していった。訪れる村々は困窮していて、畑は荒れ野も同然だった。ゲームで見ていたときは、「大変そうだな」くらいにしか思わなかったことだけど、やっぱり目の前で、現実として見ると、それは、すごく、辛い事実だった。
薄汚れた小さな子供たちも、皆一様に、痩せていて、自分の無力さが辛かった。ふと、顔をあげて見た先に、二人の子供が、荒れた畑でしゃがんでいるのが見えた。
何をしてるんだろうと思って、近づくと、どうやら、ひとつの苗を見て、ため息をついているところだった。
僕が覗いてみると、そこには、しなっと萎れて、紫色になってしまったひとつの苗があった。
「これなに?」
「あっゆ、勇者様の!こ、こんにちは!」
僕が話しかけると、二人はしゅぴっと姿勢を正して、僕に向き直った。僕は、勇者一行に、数えられていいのかは、よくわからなかったけど、僕も「こんにちは」と、言って、笑った。そして、二人は、教えてくれたのだ。それが、ちょっとだけ、育っていたジャガイモの苗なのだと。「でも、もうだめだ」と、二人はしょぼん、としているわけだった。
僕はもう一度、その苗を見てみた。
確かに、茎は、いい感じの高さまで伸びていた。もしかしたら土の中では、芋が育っているかもしれない。でも、葉っぱには、紫色の斑点がたくさんついていて、なんだか、それは、呪われているように見えた。
(…ん?呪われてる?)
僕は、ちょっと思いついたことを試してみることにした。その苗に手を翳すと、ぱあっと僕の手から白い光が出た。すると、苗の葉っぱから、紫色の斑点が消えていったのだ。
「………あ」
「うわああ!すごい!!!今、何したの???」
大喜びした二人は、その近くのもっと萎れた苗も、あれも、これも、と、僕を連れ回し、僕はすっかり土だらけになっていたのだ。そこに、ヒューが来て、眉間にしわを寄せたまま、「何をやってるのか」と、尋ねたのだった。
僕が、、ジャガイモの苗に魔法をかけたら復活したから、その辺一体の土に魔法をかけて、元気にならないか試している、と伝えると、ヒューはさらに眉間にしわを寄せて、言った。
「こんな土地で、何かが育つわけ……なんだその魔法は」
「あ、えーと。ほんと、大したことじゃなくて」
「もう一度、やってみせろ」
実はこれは、僕の固有魔法なのだ。この、全く役に立たなそうな固有魔法は、『解呪』だった。
僕は、ゲームの内容を覚えていて、この旅の間に、誰かが呪われるようなことがないことを、知っていた。それに、解呪なら、聖魔法を使うことのできる、シルヴァンがいるのだから、シルヴァンができるだろうと、思ったのだ。そもそも、聖魔法で、きっと解呪はあるはずなのに、なぜそれが『固有魔法』になるのか、全くもって意味がわからない。
そんなのは、量産のシュークリームを、違う場所で限定品ですよ!と言って売ってるみたいな、胡散臭さを感じている。そんな固有魔法がコレです。
偏に、全くもって役に立たない魔法であった。
でも、ヒューがもう一度やれというのだから、どうせやろうとしていたし、と思って、また土に手を翳した。別に、土がふんわりするみたいな、そういう「おおお」と感動するような特典は、ない。だけど、先から、その白い光で土を照らすと、周りの苗が元気になっていくのだ。
じっとヒューに見られて、どきどきと、少し緊張する。
「魔王討伐には、何にも役に立たないんだけどさー。土に効果あるなら、もしかしたら、この村のためになるかも、と思って」
緊張してしまった僕が、なんとなく、恥ずかしくて、ぺらぺらと喋るのを、ヒューはじっと見ていた。しばらく、そうして土に手を翳していたけど、シルヴァンが呼ぶ声が聞こえたので、僕とヒューは、子供に別れを告げて、馬車へと戻った。
少しでも、食べ物が育つといいな、と思った。
歩きながら、何かを考えている様子な、ヒューに言った。
「本当は、もっと強い魔法で、ヒューたちのこと助けられたらよかったんだけど」
「十分、役に立ってるだろ。お前が持ってる情報で、ずいぶん、助けられてる」
そう言ってもらえると、ありがたいな、と思う。
ほっとした瞬間、ちょっと目眩がして、ふらついてしまった。ヒューが横から、僕を抱きとめてくれて、どきっとしてしまった。
「あっ ありがと」
「……あの魔法、聖魔法の解呪なのか?ノア、聖魔法なんて使えた??」
「よくわかんないけど、多分ね~。僕がもっと強かったらなー」
僕の服には、土がついていたから、ヒューは気にするんじゃないかと思ったのに、何も言われなかった。
ヒューは、ちょっと難しそうな顔をしていて、何かを考えているみたいだった。だけど、僕たちの馬車がもう近くなってきたら、さらっと、なんともないことのように言った。
「いい。お前のことは、俺が守るから」
「ヒュー……そんなこと…」
そんなこと言われたら、さらに、ずぶずぶに好きになってしまう。
僕は、あの後、あの、最後の街で、ヒューと一緒に宿屋に泊まった夜、結局、ヒューと、最後まで、、した。はじめてだったから、やっぱり、流石に痛かったけど、ヒューは、それはそれは丁寧に、優しく優しく、抱いてくれたと思う。
最後の方は、僕もすごく気持ちよくなっちゃって、何がなんだかわからないくらい、乱れてしまった。ヒューは、びっくりしなかったかな、と、朝起きて、少し不安になった。でも、そんな不安、すぐになくなるくらい、ヒューは、ずっと、ずっと、優しいのだ。
それに、あれからは連日野宿なわけだけど、毎日のように、あの手この手で、そういう雰囲気に持ち込まれ、気づいたら僕は、あんあん言ってるのだ。邪神が「なし崩し」だなんて言ってたけど、僕とヒューはもう、なんか、そんな感じだった。僕はもう、ヒューの顔を見るだけで、へにゃっとなってしまうくらい。もう、、だめだった。僕はものすごく、だめな奴だった。
(昼間は、こんな、性的な雰囲気なんて一切ないのに!!潔癖症のくせに!!)
頭の中で恨言を連ねながら、じとっと、ヒューを覗いたら、「なんだよ」という顔のヒューと目があって、びくっとしてしまった。僕は、文句を言うことにした。
「こ、これ以上、ヒューのことを好きにさせて、どうする気なんですかー」
ヒューは一瞬きょとんとして、ふっと意地悪そうに笑うと、耳元に口を寄せた。
「好きにさせた分は、夜、還元するよ」
そして、顔を離すと、あわあわとまっ赤になって口を開閉している僕に、ちょっと首を傾げたヒューは、にこっと笑って続けた。
「いっぱい」
←↓←↑→↓←↑→↓←↑→
荒れた村を過ぎ、僕たちは、いよいよ、魔王城の近くにある、迷いの森の中に足を踏み入れていた。ここから先は馬車を使うことができないから、徒歩で行くことになる。
ずっと旅を共にしてきた馬たちに別れを告げて、僕たちは、森の中へと足を踏み入れた。ゲームの中では、「ふうん」としか思っていなかった展開だったが、実際に、木の根が絡まり合った足場を進むのは、一苦労だった。
そして、木々は、どこを見ても、紫色の斑点だらけ。戸惑うヤマダくんと僕に、シルヴァンが言った。
「瘴気に当てられてるんですよ。魔王というのは、世界の闇の集合体のようなものです。こうして大地は呪われ、今、枯れ果てようとしてるんです」
「そうなのか。それは俺が、俺たちが、魔王を倒すことができれば、全部解決するの?」
「ええ。ヒカルがその聖剣で、魔王の心臓を突き刺せば、この世界の闇は浄化され、もとの、あるべき姿へと戻るのです」
ヤマダくんとシルヴァンが話しているのを聞きながら、シルヴァンの言ったことの中で、一点が気になった。
(……呪い。これは呪いなのか。じゃあやっぱり、僕があの村でしたことは、効果があったのかもしれない)
そう思っていたら、僕の斜め後ろを歩いていたヒューが、僕の考えなど、全てを見透かしたように、言った。
「何かしようだなんて思うなよ。お前一人でどうにかできることじゃない。どちらにしろ、ヤマダが魔王の心臓を突き刺せば、全ては浄化されるんだ」
「……あ、うん。わかってるよ」
僕だって、この膨大な量の木々を、その呪いを、解こうだなんて思ってはいなかった。でも、あの村でしたように、近隣の村の土を少しでも、浄化してあげられたらよかったな、と思っただけだった。
辺りの木々はとても立派で、大きく、僕は、父さんが見せてくれた屋久島の写真を思い出した。本当に、父さんは、なんの仕事でそんな世界中をまわっているのか、よくわからないけど、とにかく、写真を見せてくれたのだから、行ったことがあるのだろう。
そして、その時のお土産は、木彫りのお面だった。うねっとした楕円に、不揃いな丸が三つ空いているだけのシンプルなものだったが、その無表情さが、すごく恐ろしくて、驚き過ぎて「ありがとう」と言うまでに、僕は数秒を要した。それは今、僕の本棚の一番上の段の奥で、ひっそりと眠っている。
そして今、ーーー。
本来なら、この森の中には、精霊の泉、と呼ばれる、美しい泉があるらしい。もしかすると、そこならば、少しは瘴気が薄いかもしれない、ということで、僕たちは、そこで野宿するために、向かっているのだった。ここから先は、瘴気との戦いで、シルヴァンは、できるだけ体力を温存して、僕たち全員に、一時間置きに聖障壁の魔法をかけていた。
そして、朝からずっと歩き続けて、ようやく、夕方近くに、目的地の精霊の泉にたどり着いたのだ。
「わあ、すごい!きれいだね」
「ああ。今夜はどうにか眠れそうだな」
目の前に広がっているのは、水の湧き出る小さな池のような泉だった。おおよそ三メートルほどの高さの、崖肌のまんなか辺りから、ちろちろと水が沸いているのだ。水が流れているところには、苔がたくさん生え、水草が生い茂り、紫色の斑点は全く見当たらない。
「太古の精霊石が、この崖の中にあるそうですよ。それがこうして、きれいな水を保っている。この辺りの空気は、全く瘴気を含んでいません。ありがたいですね」
「あ~!疲れた~!シルヴァン、ありがとう。疲れただろ?」
「ええ。大丈夫ですよ。夜、落ちてついて寝ることができる場所を見つけられただけで、もう一安心ですよ」
「お疲れ、シルヴァン。今、天幕張るから待ってろ」
「ありがとうございます、オーランド。少し、休ませてもらいます」
オーランドとヤマダくんは三人用の大きな天幕を出して、ヒューは、泉の反対側に二人用の天幕を出した。なんていうか、その、わざわざ泉をまたいで、天幕を張る辺りが、もう、もはやなんとも言えない恥ずかしさを僕に感じさせたが、僕は何にも気づかなかったことにした。
シルヴァンは疲れているのだから、今日は僕が料理をしたほうがいいだろう。
大きな石を移動させ、簡易的なかまどを作っていると、ヒューが異空間収納袋から、調理器具と、食材を出してくれた。出された食材は、鮭みたいな魚と、ジャガイモと、玉ねぎ、きのこ、それからブロッコリー。それに最後に、牛乳を出してくれた。
(……鮭のシチューが食べたいんだな…?)
随分とわかりやすい主張に、ふっと笑ってしまった。基本的にはさっぱりしたものを好むヒューだけど、どうやらたまにシチューが食べたくなるらしい。僕も、母さんが作ってくれる星空シチュー(人参が星形なだけだけ)はとても好きなので、心の中で、大きく手を丸くしてOK、と思う。
どちらにしろ、小麦粉がなくてホワイトソースを用意できないから、牛乳だけの、さっぱりしたものになるだろう。僕は準備に取り掛かった。
シチューは煮込むだけだから、楽ちんだけど、魚の下処理だけはちゃんとしておかないと、生臭くなってしまう。精霊の泉から、水を鍋で運んできて、グツグツとお湯を沸かす。オーランドとヤマダくんが、「肉~~!!!」と泣き叫ぶだろうな、と思いながら、それでも魚を食べようとするヒューに、ちょっと、くすっと笑いながら、野菜を切りはじめた。
ゲームのことを思い出す。多分、明日には、魔王と対峙することになるだろう。
まさか、魔王戦前日のメニューが、鮭のシチューだとは思わなかったな、と、ふっと笑いを漏らしたのだった。
←↓←↑→↓←↑→↓←↑→
「この子、かわいくない?」
「………」
僕の腕に抱えられた、奇妙なピンク色の植物を見せたら、ヒューは顔をヒクッと引き攣らせて、固まった。
早めに夕飯を済ませたから、その後、ヒューと二人で辺りを散策していたのだ。精霊の泉の周りとうろついていたわけだけど、ちょっとでも離れると、やっぱりそこは、瘴気が充満していた。帰ろうと思って、泉に振り返った瞬間、後ろから、何かが足首に巻きついて、足を取られた。
「わあっ」
振り返ってみたら、どぎついフューシャピンクの強大な触手の集合体が、穴からうねうねと、その手を伸ばしているのだった。ヒューが咄嗟に、魔法を発動させようとしたのがわかった。
「待って!」
「は?」
僕は、ちょっと試してみたいことがあったのだ。
おそらく、コレは、植物系のモンスターにあたると思う。実は、先ほど、村で試した『解呪』を、モンスターに試してみたことはなかったのだ。大きさこそ巨大だけど、魔王を倒しに行く、ヒューや僕の前では、簡単に倒せるモンスターだと思った。
僕は目の前の一本の触手に手をかざし、魔法を使ってみた。
「解呪」
これは実験だった。シルヴァンが、大地が呪われ、と言ったのだ。もしかして、モンスターという存在は、魔王の瘴気にあてられて、変異してしまった動物や、植物なんじゃないかって、僕は思ったのだ。
僕の足に絡みついていた、ピンク色の巨大な触手は、僕の両手に乗るくらいのうねうねした植物っぽいものに変わった。
「解呪…その魔法は、本当に聖魔法の解呪なのか」
ヒューが目を丸くして僕を見た。
「え。わかんない。これ、固有魔法なんだよ。ただ『解呪』としか書いてないけど。聖魔法かどうかはわからないけど、シルヴァンがいるから、ほんと、役に立つことはないだろうけどね」
「固有魔法?解呪が??」
「うん。ヒューなんか知ってる?」
「………いや、だけど…それは…」
ヒューは何か、すごく考えているみたいで、顎を押さえたまま固まってしまった。僕は、その間に、触手植物とたわむれることにした。さっきまでのように、うねうねと蛇のように動いている、ということはない。色も、目がちかちかするような、毒々しいピンク色だったのに、今はちょっと落ち着いたピンク色になっている。
(元は、ただの植物ってことなのかな…)
解呪をして、ただの植物になってしまうということは、やっぱり魔王の瘴気にあてられて、変な風になってしまったのかもしれない。そこまで考えると、魔王の配下以外の、通常のモンスターというのは、もしかして、ただの瘴気による変異なのかもしれないな、という予測がついた。ゲームでは特に語られていなかったけど、もしかすると、ヤマダくんが魔王を倒せば、この世界からは、モンスターもいなくなるのかもしれない。
「ねえ、ヒュー。もしかしてモンスターってみんな、元々は違う生き物だったのかな」
「あ、ああ。確かに、この結果を見てると、元々の生態系は違うのかもしれないな」
ヒューはそう言って、ヒューが生まれた時には、もうすでにこの世界にはたくさんのモンスターがいたから、本当のところは、よくわからない、と、続けた。ヒューはなんだかまだ難しい顔をしていて、しばらく考えていたけど、ハッと何かを思いついたみたいで、僕のことを見た。
「……もしかして、お前の魔法は…俺の…」
「え?」
ヒューは呆然と僕のことを見て、それから、口をむっとつぐんだ。
よくはわからない。よくはわからないけど、なんだかその表情が、うれしいような、泣きそうなような、不思議な表情で、僕は、どうしたんだろう、と心配になった。
「ヒュー?どうした?」
「………いや、いいんだ。全部終わったら、話す」
なんだか、その有無を言わせないトーンに、僕はちょっと怯んで、今はもう、話してはくれなさそうだな、と思った。
なので、触手植物をつんつんする作業に戻った。僕がちょっとつつくと、ぷにっとして、そのぷるんとした感触が、なんだか可愛く思えてきた。
「前に、どこかでこんな植物見たことある気がする。どこで見たんだろう。かわいい」
「………かわ……正気か?」
「かわいくない?ぷるぷるしてて、唇みたい」
せっかく僕の解呪成功第一号の元・モンスターなのだ。なんだか愛着が湧いてきた。害はなさそうだし、連れていきたいけど、僕の異空間収納袋には、この大きさのものを入れたら、厳しいだろうな、という気がした。
そして、思いついた。
「僕の異空間収納袋には入らないから、ヒュー持っててよ」
「…………正気か?」
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