83 / 127
第二章 NOAH
22 契約
しおりを挟む
※すみません、大したエピソードでもないのですが、前章・08話と09話の間にもう1つだけエピソードを追加しました。はじめの帰還の繋ぎがちょっと気になってて。通知が行ってしまったら、すみません!
──────────────────
「………アオイくん……そっか。良かった」
気がつけば、僕は、アオイくんと出会った、コンビニの前だった。
住宅街の夜闇の中で、一際明るいコンビニの灯りに、ジジと音を立てながら、羽虫が群がっていた。その様子を見て、その日本の夏の夜を感じて、まだ理解が追いついていない僕の頭は、まず、僕にそんなことを呟かせた。
(そっか……)
アオイくんは、クズ攻めになることなく、無事にエヴァンス騎士団長と、結ばれたんだ。まず、そのことに、ほっとした。
それから、次に、突然の別れに、さよならの一言もみんなに言えなかった、と思った。
ミシェル先輩達に、お礼の一言も、言えなかった。僕の頭は、最後に、ミュエリーに、ヒューに言いたいことでいっぱいで、しかも結局、文句を言って、それで帰ってきてしまった。
よく考えてみたら、長い間がんばってきてたのに、僕に文句を言われて、もしかしたらヒューは、すごく嫌な気持ちになったかもしれなかった。
でも、───
「そうだ。血……」
それでもヒューは、最後に、僕にヒントをくれた。
僕は文句を言ってしまったのに、多分、合理的なヒューは、一番、自分に繋がる可能性のある未来を、僕に託した。
(流石だ……流石の合理性…)
感情で、全てを吐き出してしまった僕とは、完全に真逆の対応だった。
と、そこまで考えて、僕はようやく、辺りが夜で、そう、まだ夜で、僕はコンビニの前に立っている、と、再度、現実として、認識したのだ。
ハッとして僕は、コンビニに駆け込んだ。そして、店員の人に慌てて尋ねた。
「す、すみません!今、何時ですか?!」
「え?あ、はい。今は9時15分ですよ」
「あっありがとうございます」
どうして、今回だけ、僕はコンビニに戻ってきたんだろう、と、思いながら、とりあえず、店内を歩く。なぜなら、今が夜の9時15分だと言うのなら、それは、───
(信じられない……まだ、10分しか経ってない)
もしかしたら二十年コースなんじゃないかと思っていた世界が、二ヶ月弱で決着がついたのだ。それは確かに、今までの中でもかなり短い期間ではあったが、それが、地球では、たった10分だったのだ。
それならば、僕は、羽里の好きなアイスを、買って帰らなくてはいけない。そして、ふと、スイーツコーナーに目をやったとき、僕は、どうして今回だけコンビニの前に戻ってきたのかが、わかったような気がした。
(チェリーぱふぇノワール………)
いつもは完売していることが多いと言うのに、なぜか、3個も残っている。だが、僕は邪神に、これを支払う義理はないんじゃないだろうか。確かに、少しだけ、転移の時間を伸ばしてもらったような、気がしなくもない。だが、それは、対価を払ったとしても、420円が限度だった。
どういう原理で邪神のその『結末のタイミング』が来るのかは、分からない。だが、待ってくれるというのなら、僕は、みんなにもお別れを言う時間が欲しかったのだから。
「買っておいた方がいいぞ。前払いでもいいんだ」
僕の耳元で、悪魔の囁きのような、いや、普通に、邪神の囁きが聞こえた。そして、僕は首を傾げる。前払い?これから何か他にも、僕が対価を払わなくてはいけないことが起きるのだろうか。
そして、それを聞いたとき、僕は、そういえば…と思い、邪神に尋ねた。
「なあ、次もまた、どこか異世界に飛ばされるんだよな…」
次の世界でもまた、ヒューに会えるのかもしれない、と、僕は少しだけ期待した。異世界に転移するのは、もう懲り懲りだった。それでも、ヒューに会えるのなら、と、思う。
だが、そんな僕のことを、おそらくは分かっている癖に、邪神は、言った。
「それはわからんな。だが、───もう、お前との契約はここで終わりだ」
「え?」
「それはそうだろう。お前は、我輩との契約を破った。『邪神』と、我輩の存在を人前で暴露し、そして、あの魔術師は、それを認識した。契約違反だ」
頭の理解が、追いついていなかった。僕は、スイーツコーナーに並んだ、チェリーぱふぇノワールの前で、固まったまま、目を瞬かせた。
─────────え?
←↓←↑→↓←↑→↓←↑→
「ど、どういうことだよ!」
「お前こそどういうことだ!チェリーぱふぇノワールを一つしか買わずに!!」
あの後、───。
驚いた僕は、羽里に頼まれたものと、自分用の飲み物と、チェリーぱふぇノワールを一つ買って、僕は、こっそりとルクスを使って、光の速さで帰宅した。地球で魔法が使えたことにも、ものすごく驚いたが、とにかく、今は、邪神に尋ねなければならないことがあった。
怒った様子の邪神は、僕に言った。
「もう終わりだ。この先は、お前の力でどうにかしろ」
「どういうこと?!もう異世界には行かないってこと?!」
「それは教えることはできない。契約外だ。だが、お前の心の闇は美味しいし、一応、貢物ももらったからな。もう少しだけ、契約終了を保留にしてやってもいい。でもとりあえず、保留にするだけだ。もう我輩の存在が、あの魔術師にバレた以上、基本的には、お前に関わることはできない」
僕はそう言い残すと、僕のクローゼットの中に入っていった。
突然の宣言に、頭が追いついていない僕は、呆然とその様子を見ているしかなかったが、手に持っていたコンビニの袋の中から、ちゃっかり、チェリーぱふぇノワールと、プラスチックスプーンがなくなっていることに気がつき、少し、冷静になった。
(契約が終わったって言いつつ、なんで僕のクローゼットでパフェ食べてんだよ…ていうか、契約保留って言いながら、僕の心の闇食べる気でいて、異世界から帰還はさせてくれない…のか?それ、ずるいだろ)
三個買えば、教えてくれたんだろうか、と、少し考え、だけど、心の闇が大好きな邪神のことを思えば、教えてくれないに決まっていた。
僕はコンビニの袋から、飲み物だけを取り出すと、リビングの羽里にアイスを渡しに行った。そして、自分の部屋に戻り、バックパックの中から、いつものノートを取り出した。よくわからないが、考え事をするときは、これを見ていると安心するのだ。
そして、ころんとベッドに横になりながら、考える。
「もう、───異世界に、行けないかもしれない?」
あんなにも、毎回嫌がっていた異世界転移だったのに。本来ならば、大手を振って、喜ぶべき事態だというのに、僕の心に広がったのは、ただの不安と焦燥だった。
口に出して見えば、その現実は、冷たく恐ろしいものだった。なぜなら、───
(僕が異世界に行けなければ、転生したヒューがいくらがんばったとしたって、会うことすらできなくなる…)
見つけ出すと言ったのに。どんな世界で出会っても、きっと、ヒューを探して見せると思ったのに。そもそもの前提が覆ってしまった。
もう会うことができない、そんな状況、想定してなかった───と、考えて、思い至った。
(いや、違うよ…)
いつだって、僕は想定していた。
ヒューと出会い、ヒューと別れ、エミル様と出会い、エミル様と別れ、ユノさんと出会い、ユノさんと別れ、フィリと出会い、フィリとも別れた。他のみんなとだって、いつだって、僕は、いずれ来る『別れの時』に、ずっと、ずっと怯えていた。
想定してなかったなんてことはなかった。
ミュエリーの時が異常だったのだ。また会える、形が変わったとしてもまた会える、と、僕は期待してしまったのだ。また会えるものなんだと思い、ろくな別れも告げずに、僕は文句を言って、戻ってきてしまった。
(もし、───もしも、もう二度と、出会うことができなかったら…)
どうしてあれが最後の別れじゃないと、思ってしまったんだろう。僕はぐっと唇を噛みしめ、その不安を追いやる。
「違う。どっちも諦めない。僕は羽里の兄なんだ。僕が諦めてどうする。ヒューなんてずっとずっとがんばってくれてるんだ」
そうだ、と思い直す。自分に言い聞かせるように、そう呟く。
邪神は「わからない」と言っただけだ。今までの、邪神のシステムを考えれば、そうやって濁すことで、僕の心の闇を増幅させようっていう魂胆だろうと思う。
羽里が異世界をあきらめない以上、きっとまた何らかの呪物にぶち当たるはずだ。だがその後もまた、問題だった。
(あのヒューが、何年かかっても来ることのできないでいる地球に、どうやって戻ることができるのかってことも…)
考えることは山積みだった。だというのに、明日は学校なのだ。
もう僕は自分が何歳なのかも、よくわからなくなっていた。久しぶりに学校へ行く気でいるが、あの濃密な2ヶ月間は、この世界では10分だったのだ。
(通信具に、勇者召喚魔法陣に、次の異世界、それから戻り方も、、ああ…考えることばっかり…)
あの大立ち回りを終えて、帰ってきた僕の体に、どっと疲れがのしかかって来た。僕は、重い体を引きずって、なんとかシャワーだけ浴びると、うとうとしているうちに、そのまま、眠りについてしまったのだった。
──────────────────
「………アオイくん……そっか。良かった」
気がつけば、僕は、アオイくんと出会った、コンビニの前だった。
住宅街の夜闇の中で、一際明るいコンビニの灯りに、ジジと音を立てながら、羽虫が群がっていた。その様子を見て、その日本の夏の夜を感じて、まだ理解が追いついていない僕の頭は、まず、僕にそんなことを呟かせた。
(そっか……)
アオイくんは、クズ攻めになることなく、無事にエヴァンス騎士団長と、結ばれたんだ。まず、そのことに、ほっとした。
それから、次に、突然の別れに、さよならの一言もみんなに言えなかった、と思った。
ミシェル先輩達に、お礼の一言も、言えなかった。僕の頭は、最後に、ミュエリーに、ヒューに言いたいことでいっぱいで、しかも結局、文句を言って、それで帰ってきてしまった。
よく考えてみたら、長い間がんばってきてたのに、僕に文句を言われて、もしかしたらヒューは、すごく嫌な気持ちになったかもしれなかった。
でも、───
「そうだ。血……」
それでもヒューは、最後に、僕にヒントをくれた。
僕は文句を言ってしまったのに、多分、合理的なヒューは、一番、自分に繋がる可能性のある未来を、僕に託した。
(流石だ……流石の合理性…)
感情で、全てを吐き出してしまった僕とは、完全に真逆の対応だった。
と、そこまで考えて、僕はようやく、辺りが夜で、そう、まだ夜で、僕はコンビニの前に立っている、と、再度、現実として、認識したのだ。
ハッとして僕は、コンビニに駆け込んだ。そして、店員の人に慌てて尋ねた。
「す、すみません!今、何時ですか?!」
「え?あ、はい。今は9時15分ですよ」
「あっありがとうございます」
どうして、今回だけ、僕はコンビニに戻ってきたんだろう、と、思いながら、とりあえず、店内を歩く。なぜなら、今が夜の9時15分だと言うのなら、それは、───
(信じられない……まだ、10分しか経ってない)
もしかしたら二十年コースなんじゃないかと思っていた世界が、二ヶ月弱で決着がついたのだ。それは確かに、今までの中でもかなり短い期間ではあったが、それが、地球では、たった10分だったのだ。
それならば、僕は、羽里の好きなアイスを、買って帰らなくてはいけない。そして、ふと、スイーツコーナーに目をやったとき、僕は、どうして今回だけコンビニの前に戻ってきたのかが、わかったような気がした。
(チェリーぱふぇノワール………)
いつもは完売していることが多いと言うのに、なぜか、3個も残っている。だが、僕は邪神に、これを支払う義理はないんじゃないだろうか。確かに、少しだけ、転移の時間を伸ばしてもらったような、気がしなくもない。だが、それは、対価を払ったとしても、420円が限度だった。
どういう原理で邪神のその『結末のタイミング』が来るのかは、分からない。だが、待ってくれるというのなら、僕は、みんなにもお別れを言う時間が欲しかったのだから。
「買っておいた方がいいぞ。前払いでもいいんだ」
僕の耳元で、悪魔の囁きのような、いや、普通に、邪神の囁きが聞こえた。そして、僕は首を傾げる。前払い?これから何か他にも、僕が対価を払わなくてはいけないことが起きるのだろうか。
そして、それを聞いたとき、僕は、そういえば…と思い、邪神に尋ねた。
「なあ、次もまた、どこか異世界に飛ばされるんだよな…」
次の世界でもまた、ヒューに会えるのかもしれない、と、僕は少しだけ期待した。異世界に転移するのは、もう懲り懲りだった。それでも、ヒューに会えるのなら、と、思う。
だが、そんな僕のことを、おそらくは分かっている癖に、邪神は、言った。
「それはわからんな。だが、───もう、お前との契約はここで終わりだ」
「え?」
「それはそうだろう。お前は、我輩との契約を破った。『邪神』と、我輩の存在を人前で暴露し、そして、あの魔術師は、それを認識した。契約違反だ」
頭の理解が、追いついていなかった。僕は、スイーツコーナーに並んだ、チェリーぱふぇノワールの前で、固まったまま、目を瞬かせた。
─────────え?
←↓←↑→↓←↑→↓←↑→
「ど、どういうことだよ!」
「お前こそどういうことだ!チェリーぱふぇノワールを一つしか買わずに!!」
あの後、───。
驚いた僕は、羽里に頼まれたものと、自分用の飲み物と、チェリーぱふぇノワールを一つ買って、僕は、こっそりとルクスを使って、光の速さで帰宅した。地球で魔法が使えたことにも、ものすごく驚いたが、とにかく、今は、邪神に尋ねなければならないことがあった。
怒った様子の邪神は、僕に言った。
「もう終わりだ。この先は、お前の力でどうにかしろ」
「どういうこと?!もう異世界には行かないってこと?!」
「それは教えることはできない。契約外だ。だが、お前の心の闇は美味しいし、一応、貢物ももらったからな。もう少しだけ、契約終了を保留にしてやってもいい。でもとりあえず、保留にするだけだ。もう我輩の存在が、あの魔術師にバレた以上、基本的には、お前に関わることはできない」
僕はそう言い残すと、僕のクローゼットの中に入っていった。
突然の宣言に、頭が追いついていない僕は、呆然とその様子を見ているしかなかったが、手に持っていたコンビニの袋の中から、ちゃっかり、チェリーぱふぇノワールと、プラスチックスプーンがなくなっていることに気がつき、少し、冷静になった。
(契約が終わったって言いつつ、なんで僕のクローゼットでパフェ食べてんだよ…ていうか、契約保留って言いながら、僕の心の闇食べる気でいて、異世界から帰還はさせてくれない…のか?それ、ずるいだろ)
三個買えば、教えてくれたんだろうか、と、少し考え、だけど、心の闇が大好きな邪神のことを思えば、教えてくれないに決まっていた。
僕はコンビニの袋から、飲み物だけを取り出すと、リビングの羽里にアイスを渡しに行った。そして、自分の部屋に戻り、バックパックの中から、いつものノートを取り出した。よくわからないが、考え事をするときは、これを見ていると安心するのだ。
そして、ころんとベッドに横になりながら、考える。
「もう、───異世界に、行けないかもしれない?」
あんなにも、毎回嫌がっていた異世界転移だったのに。本来ならば、大手を振って、喜ぶべき事態だというのに、僕の心に広がったのは、ただの不安と焦燥だった。
口に出して見えば、その現実は、冷たく恐ろしいものだった。なぜなら、───
(僕が異世界に行けなければ、転生したヒューがいくらがんばったとしたって、会うことすらできなくなる…)
見つけ出すと言ったのに。どんな世界で出会っても、きっと、ヒューを探して見せると思ったのに。そもそもの前提が覆ってしまった。
もう会うことができない、そんな状況、想定してなかった───と、考えて、思い至った。
(いや、違うよ…)
いつだって、僕は想定していた。
ヒューと出会い、ヒューと別れ、エミル様と出会い、エミル様と別れ、ユノさんと出会い、ユノさんと別れ、フィリと出会い、フィリとも別れた。他のみんなとだって、いつだって、僕は、いずれ来る『別れの時』に、ずっと、ずっと怯えていた。
想定してなかったなんてことはなかった。
ミュエリーの時が異常だったのだ。また会える、形が変わったとしてもまた会える、と、僕は期待してしまったのだ。また会えるものなんだと思い、ろくな別れも告げずに、僕は文句を言って、戻ってきてしまった。
(もし、───もしも、もう二度と、出会うことができなかったら…)
どうしてあれが最後の別れじゃないと、思ってしまったんだろう。僕はぐっと唇を噛みしめ、その不安を追いやる。
「違う。どっちも諦めない。僕は羽里の兄なんだ。僕が諦めてどうする。ヒューなんてずっとずっとがんばってくれてるんだ」
そうだ、と思い直す。自分に言い聞かせるように、そう呟く。
邪神は「わからない」と言っただけだ。今までの、邪神のシステムを考えれば、そうやって濁すことで、僕の心の闇を増幅させようっていう魂胆だろうと思う。
羽里が異世界をあきらめない以上、きっとまた何らかの呪物にぶち当たるはずだ。だがその後もまた、問題だった。
(あのヒューが、何年かかっても来ることのできないでいる地球に、どうやって戻ることができるのかってことも…)
考えることは山積みだった。だというのに、明日は学校なのだ。
もう僕は自分が何歳なのかも、よくわからなくなっていた。久しぶりに学校へ行く気でいるが、あの濃密な2ヶ月間は、この世界では10分だったのだ。
(通信具に、勇者召喚魔法陣に、次の異世界、それから戻り方も、、ああ…考えることばっかり…)
あの大立ち回りを終えて、帰ってきた僕の体に、どっと疲れがのしかかって来た。僕は、重い体を引きずって、なんとかシャワーだけ浴びると、うとうとしているうちに、そのまま、眠りについてしまったのだった。
75
あなたにおすすめの小説
【土壌改良】スキルで追放された俺、辺境で奇跡の野菜を作ってたら、聖剣の呪いに苦しむ伝説の英雄がやってきて胃袋と心を掴んでしまった
水凪しおん
BL
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。
そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。
ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。
フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。
ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!?
無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。
冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる
尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる
🌟2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟
ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。
――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。
お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。
目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。
ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。
執着攻め×不憫受け
美形公爵×病弱王子
不憫展開からの溺愛ハピエン物語。
◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。
四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。
なお、※表示のある回はR18描写を含みます。
🌟第10回BL小説大賞にて奨励賞を頂戴しました。応援ありがとうございました。
🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる