今度こそ君の愛から逃げてみせるから、どうか君は幸せに

自分勝手な公爵令息×魔力泥棒の汚名を持つ公爵家次男

ルカ・ミンターク(18)はいつも同じ夢を見る。
腕に抱いた恋人の体がどんどんと熱を失って、生気を失った唇が愛してる、と呟く夢だ。
自分の身が削られるより辛く、心臓が引き裂かれるような想いはもうしたくなかった。禁じられた魔法が記された魔術書を開くのに躊躇いはない。
ジュリアスに生きて、笑顔で青空の下を歩いてほしい。
ルカはただ一つの願いを叶えるために、自分の全てを捨てることにした。
魔力泥棒のルカと呼ばれ、友人や社交界、果ては家族にまで冷徹な瞳で見られたとしても。

今日も、ジュリアスが笑顔で生きている。
それだけで、ルカの心は満たされていた。
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