忘却の対価は最果ての愛 ──絶望を悪魔に売却したので、元婚約者の名前すら思い出せません
「君の醜さは私の運命を汚す」
五年間、王太子の体内に溜まる猛毒をその身に引き受け、美貌も健康もすべてを捧げ尽くした公爵令嬢リリアーナ。
しかし、毒から解放され「太陽の王子」と称えられた婚約者は、美しい愛人を抱き寄せ、ボロボロになった彼女を雨の夜に捨てた。
実の家族からも粗大ゴミとして屋根裏に幽閉され、絶望の底に落ちたリリアーナの前に現れたのは、夜よりも暗い衣を纏う美しき悪魔、ゼパルだった。
「お前を苦しめるその醜い記憶を、すべて私に売らないか」
悪魔との契約により、リリアーナは裏切りの記憶と悲しみをすべて手放す。
同時に、体内に溜め込んだ猛毒はゼパルの魔力と反応し、彼女を神々しいまでの銀髪の美女へと生まれ変わらせた。
すべてを忘れた彼女にとって、かつて自分を虐げた家族も、後悔に狂いすがりついてくる元婚約者も、「ただの臭くて不快な他人」でしかない。
「失礼ですが、どなた様でしょうか?」
極上の無関心という名の刃が、かつての加害者たちを容赦なく精神的去勢へと追い込んでいく。
これは、絶望を悪魔に売り払った少女が、過去を完全に切り捨て、悪魔の腕の中でただ甘やかされるだけの「最果ての幸福」を手に入れるまでの物語。
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