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第二章 愛される末っ子姫
第2話 何かあげたい
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私は、ローランド兄様の宮であるサファイア宮でお菓子を食べている。ここまでは、もう当たり前のようになった、空を飛んでの移動だ。
最近は、空を飛んでいても、何かに狙われるような事はなくなった。もう人形姫に飽きてしまったのかもしれない。そうでなきゃ、人形姫の自分を狙ったりなんてしない。
ケーキを食べていると、ローランド兄様がたずねてくる。
「そういえばティア。お師匠様見なかった?」
「ティアのきゅうににげてきたから、いれてあげたよ」
なぜか、息を切らした状態で、「かくまってください!」と言ってきたので、別に自由にしててもいいよと言ったら、どこかに行ってしまったけど、宮のどこかに隠れているんだろう。
「なんで、そんなこときくの?」
「いやね、お師匠様をストー……尊敬している騎士が探し回ってたから気になって」
何か言いかけた気がしたけど、フェレスを探している理由はわかった。
尊敬している騎士って言うのは、父様たちが連れ帰ってきた騎士だろう。よくフェレスに会いに行っているから。名前は、ガルド……って言ったかな。
ハリナいわく、隣国の王国の黒騎士と呼ばれる騎士団の副長だったらしい。すごいなぁと思った。
「ティア~!ローラ~!」
遠くから、私達を呼ぶ声が聞こえる。声の感じと、兄様のことをローラって呼んでいるところからみると、多分来たのは……
「マリー姉様……何をしに来たのですか?」
「ティアに会いに来たのよ。それで、何を食べてるの?」
「けーき」
ローランド兄様が用意してくれたのは、ショートケーキだった。ケーキの上に乗っている苺がとてもおいしい。味覚がわかるようになったのは、少しだけいいなと思った。ここの料理がおいしいからというのもあるかもしれないけど。
「えっ!私も食べたかったのに~!」
「マリー姉様にあげるケーキなんてありません」
「弟は姉に貢ぎなさいよ!」
「じゃあ、ティアもにいさまやねえさまに、なにかあげないとダメ?」
自分は、一番下の妹だ。マリー姉様の言うようにやらないといけないなら、私は10人分何かを用意しないといけないことになる。
マリー姉様にはすでにはなかんむりを渡したけど、他の兄様や姉様には何も渡していない。
「いや。ティアは無理してあげなくてもいいわよ?くれるならありがたくもらうけどね」
「なんでティアはよくて僕がダメなのさ」
「だってティアだもの」
それは理由になっているのだろうか。ここに来てから思ったけど、みんなが人形姫を好いてくれている。
理由はわからない。冷宮では、みんなが人形姫を嫌っていた……と思う。邪魔に思われていたのは間違いない。
「むしろ、私達が何かあげるべきだと思わない?」
「まぁ、それはそうだけど……でも、服は母上達があげてるし、宝石もフロー姉様がいっぱいあげてるよ?」
「そうなのよね……」
そう。皇妃様達からはいろいろなお洋服。そして、フロー姉様からはたくさんの宝石をもらっている。もらっても、使うことがあまりないから、ずっと引き出しにしまっているけど。
それならもらわなければいいんじゃないかと言われそうだけど、人形姫に拒否ということはできない。まだ冷宮の感覚が抜けなくて、すべて受け入れるしか。
多分、断っても怒られたりはしないだろう。頭の中では分かっているけど、それが染み付いてしまっている。
「そうだ!何か買ってあげようか!」
「まさか、街に出かけるとか言い出しませんよね?」
街?街があるの?……そりゃあ、あるか。街が一つもない国なんて、おそらく存在しないだろう。
それでも、街に出かけるとしたら、初めて……に、なるのか。一瞬出たことがあると思ったけど、それは静香の記憶だ。
静香のときも、お出かけはしたことがあったみたい。
「一緒にいれば大丈夫だと思うわよ。まぁ……あいつらが余計な事をしないかは不安だけど……」
余計な事ってなんだろう。そう思っていると、ローランド兄様も「あぁ」と納得するようにうなずく。
わかっていない私がおかしいのだろうか。
「僕らのところもだなぁ。トリー姉様が嫁ぐ事になってるから、大丈夫だと思いたいけど……」
どうやら、ローランド兄様の方も、余計な事をしないか不安になっているらしい。余計な事がなんなのかはわからないけど。
「そうだ。ティアは街に行きたい?」
「……わかんない」
ついてこいと言われればついていく。行くなと言われれば行かない。それだけだ。別に、行きたいと思っているわけでもないし、行きたくないと思っているわけではない。
「それなら、一緒に行きましょう!ハリナとセリアとお父様には話をつけておくから」
こうして、ちょっと強引そうなマリー姉様によって、私たちは一週間後にお出かけすることになった。
※長くすると言っておきながら、今回も短い……!この事について、近況ボードでアンケートやってるんで、協力してください。
最近は、空を飛んでいても、何かに狙われるような事はなくなった。もう人形姫に飽きてしまったのかもしれない。そうでなきゃ、人形姫の自分を狙ったりなんてしない。
ケーキを食べていると、ローランド兄様がたずねてくる。
「そういえばティア。お師匠様見なかった?」
「ティアのきゅうににげてきたから、いれてあげたよ」
なぜか、息を切らした状態で、「かくまってください!」と言ってきたので、別に自由にしててもいいよと言ったら、どこかに行ってしまったけど、宮のどこかに隠れているんだろう。
「なんで、そんなこときくの?」
「いやね、お師匠様をストー……尊敬している騎士が探し回ってたから気になって」
何か言いかけた気がしたけど、フェレスを探している理由はわかった。
尊敬している騎士って言うのは、父様たちが連れ帰ってきた騎士だろう。よくフェレスに会いに行っているから。名前は、ガルド……って言ったかな。
ハリナいわく、隣国の王国の黒騎士と呼ばれる騎士団の副長だったらしい。すごいなぁと思った。
「ティア~!ローラ~!」
遠くから、私達を呼ぶ声が聞こえる。声の感じと、兄様のことをローラって呼んでいるところからみると、多分来たのは……
「マリー姉様……何をしに来たのですか?」
「ティアに会いに来たのよ。それで、何を食べてるの?」
「けーき」
ローランド兄様が用意してくれたのは、ショートケーキだった。ケーキの上に乗っている苺がとてもおいしい。味覚がわかるようになったのは、少しだけいいなと思った。ここの料理がおいしいからというのもあるかもしれないけど。
「えっ!私も食べたかったのに~!」
「マリー姉様にあげるケーキなんてありません」
「弟は姉に貢ぎなさいよ!」
「じゃあ、ティアもにいさまやねえさまに、なにかあげないとダメ?」
自分は、一番下の妹だ。マリー姉様の言うようにやらないといけないなら、私は10人分何かを用意しないといけないことになる。
マリー姉様にはすでにはなかんむりを渡したけど、他の兄様や姉様には何も渡していない。
「いや。ティアは無理してあげなくてもいいわよ?くれるならありがたくもらうけどね」
「なんでティアはよくて僕がダメなのさ」
「だってティアだもの」
それは理由になっているのだろうか。ここに来てから思ったけど、みんなが人形姫を好いてくれている。
理由はわからない。冷宮では、みんなが人形姫を嫌っていた……と思う。邪魔に思われていたのは間違いない。
「むしろ、私達が何かあげるべきだと思わない?」
「まぁ、それはそうだけど……でも、服は母上達があげてるし、宝石もフロー姉様がいっぱいあげてるよ?」
「そうなのよね……」
そう。皇妃様達からはいろいろなお洋服。そして、フロー姉様からはたくさんの宝石をもらっている。もらっても、使うことがあまりないから、ずっと引き出しにしまっているけど。
それならもらわなければいいんじゃないかと言われそうだけど、人形姫に拒否ということはできない。まだ冷宮の感覚が抜けなくて、すべて受け入れるしか。
多分、断っても怒られたりはしないだろう。頭の中では分かっているけど、それが染み付いてしまっている。
「そうだ!何か買ってあげようか!」
「まさか、街に出かけるとか言い出しませんよね?」
街?街があるの?……そりゃあ、あるか。街が一つもない国なんて、おそらく存在しないだろう。
それでも、街に出かけるとしたら、初めて……に、なるのか。一瞬出たことがあると思ったけど、それは静香の記憶だ。
静香のときも、お出かけはしたことがあったみたい。
「一緒にいれば大丈夫だと思うわよ。まぁ……あいつらが余計な事をしないかは不安だけど……」
余計な事ってなんだろう。そう思っていると、ローランド兄様も「あぁ」と納得するようにうなずく。
わかっていない私がおかしいのだろうか。
「僕らのところもだなぁ。トリー姉様が嫁ぐ事になってるから、大丈夫だと思いたいけど……」
どうやら、ローランド兄様の方も、余計な事をしないか不安になっているらしい。余計な事がなんなのかはわからないけど。
「そうだ。ティアは街に行きたい?」
「……わかんない」
ついてこいと言われればついていく。行くなと言われれば行かない。それだけだ。別に、行きたいと思っているわけでもないし、行きたくないと思っているわけではない。
「それなら、一緒に行きましょう!ハリナとセリアとお父様には話をつけておくから」
こうして、ちょっと強引そうなマリー姉様によって、私たちは一週間後にお出かけすることになった。
※長くすると言っておきながら、今回も短い……!この事について、近況ボードでアンケートやってるんで、協力してください。
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