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第2章『エルフの里編』
作戦会議
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………アーシャ達が広場へ着くと、20人程の若者が集まっていた。
「やっと来ましたか………はぁ、ではこれから今日の目標と作戦を説明します!」
リーダーらしき青年が半ば諦めた様な顔をしながら声を上げた。
………苦労してるんだな、その様子からは中間管理職の様な哀愁が見てとれた。
「今回の目標はこの里の周囲に出来たゴブリンの村を壊滅させる事です」
「斥候からの情報によるとこの里から北西の位置にゴブリンの村があり、櫓や物見台は無いが村の周りは丸太の柵で覆われているようです」
…………まだ2匹しか見ていないが、ゴブリンに村を作れる様な知性と仲間意識がある様には思えなかったが………。
「村が出来ている以上、ゴブリンキングとゴブリンの上位個体が発生しているでしょう、十分に注意して任務に就いて下さい」
なるほど………、ゴブリンキングやゴブリンの上位個体の様な群れを統率する個体がいるのか。
「次に作戦の大まかな流れについての説明をします、各員はゴブリンに気付かれない程度の距離まで村に近寄り、僕の合図で一斉に各々の得意な精霊魔法を放って貰います」
「ゴブリンが混乱している隙にゴブリンキングと上位個体を攻撃する事で、ゴブリン達の統率を取らせないようにして下さい」
……エルフ達は静かにしているがあまり真剣味は感じられない、だが不思議と頼もしさを感じるな。
………この作戦は昔から変わらない決まりきった物なのだろう。
「作戦の決行は太陽が沈んでからです、各自装備を整えて戦いに備えておいて下さい」
今からじゃ無いのかよ、もう既に戦う気持ちでいたのにな………。
「一応聞いておきますが、質問のある方ははいますか?……いませんね、ではこれをもってゴブリン討伐の事前会議を終了します」
…………もう終わりなのか、一人一人に作戦が割り振られる感じじゃ無いんだな。
「やっと終わったわね!ターニャとソフィーも一緒に身体を動かしにいくわよ!!」
「そうね、………じゃあ今日の晩御飯を狩りに行きましょうか」
「アーシャが今日はやけに張り切ってる………」
「ソフィー?私はいつもと変わらないわ!」
「まあまあ、それぐらいにして装備を取りに一旦家へ戻りましょう」
「わかったわ!ネラ、行くわよ!」
アーシャが小走りで走り出したので、俺は遅れないようについていくのだった。
「ただいま!今から狩に行ってくるわ!!」
「あら……アーシャおかえりなさい、討伐に遅れないようにするのよ」
「分かっているわ!」
「じゃあ、行ってきます!」
「はいはい、いってらっしゃい」
……先程の広場に戻ると2人は既に来ていた。
「皆んな集まったから行きましょ!」
………里から10数分移動した所に4メートル程の大きな猪がいた、こちらにはまだ気がついていないのか木の根本を掘っている。
「よしっ!ちょうどいいのがいるわね、私が後衛でターニャが前衛、ソフィーは撹乱よ!!」
………今からあの大きな猪を狩るみたいだな、その前に大きな猪のステータスを確認しておくか、鑑定。
――――――――――――――――――――――――
【ステータス】
ランク:D+
種族名:ラッシュボア
個体名:未獲得
レベル:17/35
状態:正常
能力値
HP:238/495
SP:134/455
MP:79/256
攻撃力:134
防御力:112
素早さ:138
魔法力:75
魔防力:83
パッシブスキル
[硬毛Lv4][毒耐性Lv4][気絶耐性Lv3][麻痺耐性Lv2]
アクティブスキル
[突進Lv5][土魔法Lv2][噛み付きLv3][探知Lv1][身体強化Lv1]
称号
[大食い][狂乱猪][当たり屋]
――――――――――――――――――――――――
………かなり強いんじゃないか?[突進]には要注意だ。
「くらいなさいっ!『火の精霊よ槍を』フレイムジャベリン!」
アーシャの放った火の槍が当たるとともに戦闘が始まった。
「ブギイィ!」
「……こっちを見なさいブタ、[挑発]」
怒った猪はアーシャの方へ行こうとしたが、ソフィーに[挑発]され方向を変える
「隙ありですね、『スラッシュ』!」
「シャーッ!」
「グルルゥアォ!」
ヨルが水魔法を放ち、ルリは無防備な横腹に噛み付く。
「これでおしまいよ!………『火と風の精霊よ炙り刻め』バーニングトルネード!!」
【経験値23を獲得しました】
【レベルが上がりました】
大猪は黒焦げになってその場に倒れ込んだ………、あんな攻撃絶対に喰らいたくないな。
このレベルの魔物を一瞬で倒してしまうなんて…、かなりいい連携だったんじゃないか?
「あっ………アーシャ、そんな魔法を使ったから毛皮が黒焦げで使い物にならなくなっちゃったじゃん」
「………里に持って帰りましょ」
「アーシャ……、露骨に話題を変えましたね」
「ターニャ、肉は多分無事だから……許してちょうだい」
「はー仕方ないわね……、安全に狩れる相手にはその魔法使うの禁止」
ソフィーが冷たい表情をしたままそう言った。
「えぇー!あの魔法…派手だから気に入ってたのに、
…………分かった、分かったからナイフをコッチに向けないで!
………無表情になってナイフを取り出したソフィーにアーシャは降参したのだった。
「やっと来ましたか………はぁ、ではこれから今日の目標と作戦を説明します!」
リーダーらしき青年が半ば諦めた様な顔をしながら声を上げた。
………苦労してるんだな、その様子からは中間管理職の様な哀愁が見てとれた。
「今回の目標はこの里の周囲に出来たゴブリンの村を壊滅させる事です」
「斥候からの情報によるとこの里から北西の位置にゴブリンの村があり、櫓や物見台は無いが村の周りは丸太の柵で覆われているようです」
…………まだ2匹しか見ていないが、ゴブリンに村を作れる様な知性と仲間意識がある様には思えなかったが………。
「村が出来ている以上、ゴブリンキングとゴブリンの上位個体が発生しているでしょう、十分に注意して任務に就いて下さい」
なるほど………、ゴブリンキングやゴブリンの上位個体の様な群れを統率する個体がいるのか。
「次に作戦の大まかな流れについての説明をします、各員はゴブリンに気付かれない程度の距離まで村に近寄り、僕の合図で一斉に各々の得意な精霊魔法を放って貰います」
「ゴブリンが混乱している隙にゴブリンキングと上位個体を攻撃する事で、ゴブリン達の統率を取らせないようにして下さい」
……エルフ達は静かにしているがあまり真剣味は感じられない、だが不思議と頼もしさを感じるな。
………この作戦は昔から変わらない決まりきった物なのだろう。
「作戦の決行は太陽が沈んでからです、各自装備を整えて戦いに備えておいて下さい」
今からじゃ無いのかよ、もう既に戦う気持ちでいたのにな………。
「一応聞いておきますが、質問のある方ははいますか?……いませんね、ではこれをもってゴブリン討伐の事前会議を終了します」
…………もう終わりなのか、一人一人に作戦が割り振られる感じじゃ無いんだな。
「やっと終わったわね!ターニャとソフィーも一緒に身体を動かしにいくわよ!!」
「そうね、………じゃあ今日の晩御飯を狩りに行きましょうか」
「アーシャが今日はやけに張り切ってる………」
「ソフィー?私はいつもと変わらないわ!」
「まあまあ、それぐらいにして装備を取りに一旦家へ戻りましょう」
「わかったわ!ネラ、行くわよ!」
アーシャが小走りで走り出したので、俺は遅れないようについていくのだった。
「ただいま!今から狩に行ってくるわ!!」
「あら……アーシャおかえりなさい、討伐に遅れないようにするのよ」
「分かっているわ!」
「じゃあ、行ってきます!」
「はいはい、いってらっしゃい」
……先程の広場に戻ると2人は既に来ていた。
「皆んな集まったから行きましょ!」
………里から10数分移動した所に4メートル程の大きな猪がいた、こちらにはまだ気がついていないのか木の根本を掘っている。
「よしっ!ちょうどいいのがいるわね、私が後衛でターニャが前衛、ソフィーは撹乱よ!!」
………今からあの大きな猪を狩るみたいだな、その前に大きな猪のステータスを確認しておくか、鑑定。
――――――――――――――――――――――――
【ステータス】
ランク:D+
種族名:ラッシュボア
個体名:未獲得
レベル:17/35
状態:正常
能力値
HP:238/495
SP:134/455
MP:79/256
攻撃力:134
防御力:112
素早さ:138
魔法力:75
魔防力:83
パッシブスキル
[硬毛Lv4][毒耐性Lv4][気絶耐性Lv3][麻痺耐性Lv2]
アクティブスキル
[突進Lv5][土魔法Lv2][噛み付きLv3][探知Lv1][身体強化Lv1]
称号
[大食い][狂乱猪][当たり屋]
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………かなり強いんじゃないか?[突進]には要注意だ。
「くらいなさいっ!『火の精霊よ槍を』フレイムジャベリン!」
アーシャの放った火の槍が当たるとともに戦闘が始まった。
「ブギイィ!」
「……こっちを見なさいブタ、[挑発]」
怒った猪はアーシャの方へ行こうとしたが、ソフィーに[挑発]され方向を変える
「隙ありですね、『スラッシュ』!」
「シャーッ!」
「グルルゥアォ!」
ヨルが水魔法を放ち、ルリは無防備な横腹に噛み付く。
「これでおしまいよ!………『火と風の精霊よ炙り刻め』バーニングトルネード!!」
【経験値23を獲得しました】
【レベルが上がりました】
大猪は黒焦げになってその場に倒れ込んだ………、あんな攻撃絶対に喰らいたくないな。
このレベルの魔物を一瞬で倒してしまうなんて…、かなりいい連携だったんじゃないか?
「あっ………アーシャ、そんな魔法を使ったから毛皮が黒焦げで使い物にならなくなっちゃったじゃん」
「………里に持って帰りましょ」
「アーシャ……、露骨に話題を変えましたね」
「ターニャ、肉は多分無事だから……許してちょうだい」
「はー仕方ないわね……、安全に狩れる相手にはその魔法使うの禁止」
ソフィーが冷たい表情をしたままそう言った。
「えぇー!あの魔法…派手だから気に入ってたのに、
…………分かった、分かったからナイフをコッチに向けないで!
………無表情になってナイフを取り出したソフィーにアーシャは降参したのだった。
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