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捕まえたのは王子様
パッピーエンド②
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***
「ごめんね」
「ああ」
平石邸からの帰り道、やはり奏多は不機嫌だった。
そりゃあね、お父様とお母様の前で酷いことを言っちゃったから。
「芽衣が俺のことをかばってくれるのはうれしいけれど、もう少しご両親のことを考えるべきだったな」
「うん」
実の親子だからこそ甘えが出たんだと思う。
「お父さんと約束したから、言わせてもらうぞ」
「はい」
きっとお説教だよね。
「たとえ親子でも、あんな口をきくんじゃない。ご両親だって心配なさっていたんだから」
「はい」
確かにずっと連絡を入れていなかった。
「それに、俺たちはもうすぐ親になるんだ。自分が言われたらどう思うかって考えてみろ」
「イヤだね」
「だろ?」
そうか、自分がされて嫌なことは人にもしないってことね。
「明日、空港まで見送りに行くときにちゃんと謝っておけよ」
「はい」
「お父様とお母様は大丈夫かな?」
すごい嫁をもらったって後悔しているかも。
「大丈夫。俺がちゃんと叱っておいたって言っておく」
「ごめん」
一見わがまま王子に見える奏多だけれど、実は結構苦労人。
私より我慢強いし、ずっと大人。
この人とならきっと幸せになれる。
私はいい旦那様を捕まえた。
END
「ごめんね」
「ああ」
平石邸からの帰り道、やはり奏多は不機嫌だった。
そりゃあね、お父様とお母様の前で酷いことを言っちゃったから。
「芽衣が俺のことをかばってくれるのはうれしいけれど、もう少しご両親のことを考えるべきだったな」
「うん」
実の親子だからこそ甘えが出たんだと思う。
「お父さんと約束したから、言わせてもらうぞ」
「はい」
きっとお説教だよね。
「たとえ親子でも、あんな口をきくんじゃない。ご両親だって心配なさっていたんだから」
「はい」
確かにずっと連絡を入れていなかった。
「それに、俺たちはもうすぐ親になるんだ。自分が言われたらどう思うかって考えてみろ」
「イヤだね」
「だろ?」
そうか、自分がされて嫌なことは人にもしないってことね。
「明日、空港まで見送りに行くときにちゃんと謝っておけよ」
「はい」
「お父様とお母様は大丈夫かな?」
すごい嫁をもらったって後悔しているかも。
「大丈夫。俺がちゃんと叱っておいたって言っておく」
「ごめん」
一見わがまま王子に見える奏多だけれど、実は結構苦労人。
私より我慢強いし、ずっと大人。
この人とならきっと幸せになれる。
私はいい旦那様を捕まえた。
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