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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
398.キャスリーヌ。ニンデリー王立学園で、異世界転生者と聞くと?
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青年は、顎の調子を確認した。
青年の顎は、まだまだ働けるようだ。
「俺の研究成果を担保にするから、俺を助けてくれ。
俺は、好きで、この研究をしていたわけじゃない。
この研究に手を挙げなかったら、俺自身が、別の研究に使われていたんだ。
この研究を外されたら、俺は、そっちの研究に回されてしまう!」
と青年。
「そっちの研究、ねえ?担保できる程の成果を出していなければ、そっちの研究者に売りつけるか。」
とキャスリーヌ。
「嫌だ。あいつらは、人を素材の一つとしか、とらえていない。俺達を同じ人だと思わないんだ。」
と青年。
「同じ人だと、思えない理由があるから、思わない?それとも、研究者として、何にも思わない?
研究者も、人を人だと思わないで研究したのでは?」
とキャスリーヌ。
「そうだけど。俺には、ちゃんとした理由がある。
ここにいる被験者は、全員、反逆者だ。
全員、処刑されると決まっている。」
と青年。
「研究者の被験者は、反逆者だから、研究に使うのが、処刑か。
研究者が、反逆者でないなら、研究者自身が研究される理由は?
何もなければ、研究されない。
研究者をそっちに連れていったほうが、私は得るものがあるかな?」
とキャスリーヌ。
「止めろ!
あいつらは、異世界転生者を同じ人だとは思わないんだ。
肉体は、同じでも、同じ世界の魂じゃない。
この世界では異質だから、異世界転生者には、何をしてもいいと思っている。」
と青年。
異世界転生者?
最近よく聞く単語だよ?
キャスリーヌの身近に、二人もいる。
異世界転生者にまつわるニンデリー王立学園の騒動は、レベッカ・ショアが狙われる前から深刻だったのか?
「異世界転生者を研究に使う教授がいるね?
表舞台から姿を消しているけれど。
研究者は、どういう関係がある?」
とキャスリーヌ。
「知っているのか?教授の名前を言ってみろ!」
と青年は急に活気づいた。
研究者は、頭が、いいのか、悪いのか。
中途半端な頭の出来なのか?
「教授の名前は、研究者が言うといい。
私は専門を答える。
教授の研究のために異世界転生者を集めているのは、誰か?
誰が、何のために主導した研究か?
私は、正解のみ受け付けるよ。」
とキャスリーヌ。
「騙されないぞ。教授の名前を言わないのは、知らないからだろう!」
と青年。
青年は、以前、同じような状況で騙されたのだろう。
青年は、用心深さを発揮した。
キャスリーヌ相手には、悪手でしかなかったが。
「口のきき方には、気をつけるといいよ。
気は長い方じゃないから。
己の立場も力量も弁えない弱者の無駄吠えは、かんに障る。」
とキャスリーヌ。
キャスリーヌの手には、千枚通しが。
「体に風穴を開けると死ぬ。
千枚通しを何回か刺すくらいなら、即死はしないよ?
千枚通しを突き刺されながら、話をしたい人種には、尽きることがない痛みがご褒美なんだよね?
まずは、一刺し目だけど。
せっかくだから、希望を聞こう。
第一希望はどこ?
手の甲から、肩へ?
太ももに何回もがいい?」
とキャスリーヌ。
青年は、壁から離れて、キャスリーヌから距離をとろうとしたが、背面が壁にくっついて身動きが出来ない。
「広範囲に千枚通しを希望とは、なかなか、マニアックな好みだよ?」
とキャスリーヌ。
「違う。違う。千枚通しはいらない。答える。答えるから。千枚通しを遠ざけてくれ!」
と青年。
「答えたら、止まる。答えないと、刺さる。」
とキャスリーヌ。
「待て。答える。ヒイロ・ゼーゼ教授だ。」
と青年。
青年の顎は、まだまだ働けるようだ。
「俺の研究成果を担保にするから、俺を助けてくれ。
俺は、好きで、この研究をしていたわけじゃない。
この研究に手を挙げなかったら、俺自身が、別の研究に使われていたんだ。
この研究を外されたら、俺は、そっちの研究に回されてしまう!」
と青年。
「そっちの研究、ねえ?担保できる程の成果を出していなければ、そっちの研究者に売りつけるか。」
とキャスリーヌ。
「嫌だ。あいつらは、人を素材の一つとしか、とらえていない。俺達を同じ人だと思わないんだ。」
と青年。
「同じ人だと、思えない理由があるから、思わない?それとも、研究者として、何にも思わない?
研究者も、人を人だと思わないで研究したのでは?」
とキャスリーヌ。
「そうだけど。俺には、ちゃんとした理由がある。
ここにいる被験者は、全員、反逆者だ。
全員、処刑されると決まっている。」
と青年。
「研究者の被験者は、反逆者だから、研究に使うのが、処刑か。
研究者が、反逆者でないなら、研究者自身が研究される理由は?
何もなければ、研究されない。
研究者をそっちに連れていったほうが、私は得るものがあるかな?」
とキャスリーヌ。
「止めろ!
あいつらは、異世界転生者を同じ人だとは思わないんだ。
肉体は、同じでも、同じ世界の魂じゃない。
この世界では異質だから、異世界転生者には、何をしてもいいと思っている。」
と青年。
異世界転生者?
最近よく聞く単語だよ?
キャスリーヌの身近に、二人もいる。
異世界転生者にまつわるニンデリー王立学園の騒動は、レベッカ・ショアが狙われる前から深刻だったのか?
「異世界転生者を研究に使う教授がいるね?
表舞台から姿を消しているけれど。
研究者は、どういう関係がある?」
とキャスリーヌ。
「知っているのか?教授の名前を言ってみろ!」
と青年は急に活気づいた。
研究者は、頭が、いいのか、悪いのか。
中途半端な頭の出来なのか?
「教授の名前は、研究者が言うといい。
私は専門を答える。
教授の研究のために異世界転生者を集めているのは、誰か?
誰が、何のために主導した研究か?
私は、正解のみ受け付けるよ。」
とキャスリーヌ。
「騙されないぞ。教授の名前を言わないのは、知らないからだろう!」
と青年。
青年は、以前、同じような状況で騙されたのだろう。
青年は、用心深さを発揮した。
キャスリーヌ相手には、悪手でしかなかったが。
「口のきき方には、気をつけるといいよ。
気は長い方じゃないから。
己の立場も力量も弁えない弱者の無駄吠えは、かんに障る。」
とキャスリーヌ。
キャスリーヌの手には、千枚通しが。
「体に風穴を開けると死ぬ。
千枚通しを何回か刺すくらいなら、即死はしないよ?
千枚通しを突き刺されながら、話をしたい人種には、尽きることがない痛みがご褒美なんだよね?
まずは、一刺し目だけど。
せっかくだから、希望を聞こう。
第一希望はどこ?
手の甲から、肩へ?
太ももに何回もがいい?」
とキャスリーヌ。
青年は、壁から離れて、キャスリーヌから距離をとろうとしたが、背面が壁にくっついて身動きが出来ない。
「広範囲に千枚通しを希望とは、なかなか、マニアックな好みだよ?」
とキャスリーヌ。
「違う。違う。千枚通しはいらない。答える。答えるから。千枚通しを遠ざけてくれ!」
と青年。
「答えたら、止まる。答えないと、刺さる。」
とキャスリーヌ。
「待て。答える。ヒイロ・ゼーゼ教授だ。」
と青年。
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