愛人(まなびと)
主人公の満(みちる)は、親友の真耶(まや)の突然の結婚報告をきっかけに、それまで気づかないように心の奥に閉まっていた自分の気持ちと向き合わざるを得なくなってしまった。
唯一無二の親友として、二人はかけがえのない15年を過ごし、満はこれからもこのまま真耶とずっと一緒にいられると思っていた。だが、大切なものは、失って初めてその存在の大きさに気づくことを、真耶の結婚式が近づくにつれて満は痛感していく。
真耶の新たな門出を自分のことのように喜びたい一方、大切な人を他の誰かに取られたような感覚を抱いた満は、とてつもない寂しさと虚無感に襲われていった。
大切な親友が、いつの間にか愛しい人になっていたこと、そして、その隣にいられるのはもう自分ではないことを辛い現実として突きつけられた満は、真耶の結婚式を迎えるまで、苦悩と葛藤にさいなまれる日々を過ごす。それでも、自分にとって大切な人の幸せを願いたい気持ちをなんとか優先させようと、湧き上がってくる想いを必死に心の奥底に押し込もうとするが……。
たとえ叶わない恋だと知っても、親友への特別な想いを消せず、自身が抱える複雑な想いに翻弄されていく主人公の淡く切ない恋物語。
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