幽閉塔の彼女と僕

 幽閉塔に閉じ込められたとある国の少女と、秘密持ちの訳ありの男性の物語です。
 ハッピーエンドよりはメリバよりかもしれません、個々人の感覚によります。

 それでは準備はよろしいですか?

 これより開幕!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 僕が住む洞窟の近くには大きな塔がある。
 その塔は、黒くてとても高い。
 
 あの塔のことをよく知っている人は、『幽閉塔』と呼んでいた。

 僕が、獲物がたくさん取れた時や日用品を買うために行き、王都でもないのに王都のように栄えている近くの街では、『あの塔には“化け物”が住んでいるらしい』という噂があった。

 でも僕は知っている。

 あの塔には、今、誰もいないことを。
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