黒獅子の愛でる花

レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。

中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。

深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。

サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。

しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。

毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。 

そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。

王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。

王妃は現在、病で療養中だという。

幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。

サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…




















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