名無しの聖域
繁華街の雑居ビル1階、ネオンとクラブミュージックが壁を貫通してくる場所に、名もなき学習塾がある。
塾長・葉山龍樹が見守るのは、男子御三家を目指す孤独な秀才・鋼、言葉があふれ出る感性の持ち主・そら、タブレットなしでは読み書きが難しい來雅、カードゲームの計算だけ天才の礼太、最難関女子校を狙いながら私立小学校に通う二千椛。偏差値も事情もバラバラな5人。
正解のある問題なら誰にも負けない鋼は、作文の時間だけそらに圧倒され、自分の中の何かが揺らぐのを感じている。開成合格の先に、自分は何を見ているのか。答えは参考書のどこにも載っていない。
受験という名の嵐が近づく中、子供たちはそれぞれの「正解じゃない答え」を探し始める。
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