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そこのモンスター社員、今すぐ退職届を書きなさい!
第9話 物品横領②
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係長が運転する社用車で向かった先は、工場エリアから外部へ出入りするトラック専用の門だ。その横に守衛所がある。
「ここでお前は待機してろ」
「はい。あの、どうなさるおつもりですか?」
私の問いかけに彼は答えてくれない。代わりに携帯電話の着信音が鳴り響いた。
彼は車から降りて何やら会話してる。その表情から緊迫感が漂っているのが分かった。そしてその足で守衛所へ入り、警備員に状況を説明している。
ところで私の出番はあるのかしら? 犯人捕まえたいのにぃ……
「来たな。あの運送トラックを停めろ!」
どうやら先程の電話は内通者からの連絡だったと推察する。あのトラックに自社製品が紛れ込んでいるという情報なのだろう。
納入業者などお取引様車両が入門する場合、通行許可証を確認した警備員がゲートを上げる仕組みだけど、出る際のゲートは無くてスルーだ。なので車両の前に立って強引に停めるしか手は無い。
もしかして危険だから車で待機なの? いやいや、そんな女性に優しい上司じゃないよね?
そんな思考を巡らせてるうちに、男性二人が両手を大きく広げトラックを停める姿が目に映った。運転手はかなり驚いている。そしてようやく係長に呼ばれた私はトラックへ近づいた。
「人事労政Grの伊集院だ。中を改めさせてもらう」
「な、何ですか、いきなり……い、急いでるんですけど……」
「なら協力しろ。納入伝票を出せ、早くだ!」
「ひぃっ」
運転手が恐る恐る伝票を手渡した。係長はそれを確認する。
「よし。ウィングサイドパネルを上げろ」
「い、いや、だから荷卸し済んでますから大した物積んでませんよ」
「いいから上げろ!」
ガガガガガッと、荷台の扉が開いていく。
本当に自社製品があるのかしら? もし無かったら凄く問題になると思うけど、大丈夫かな?
「ここでお前は待機してろ」
「はい。あの、どうなさるおつもりですか?」
私の問いかけに彼は答えてくれない。代わりに携帯電話の着信音が鳴り響いた。
彼は車から降りて何やら会話してる。その表情から緊迫感が漂っているのが分かった。そしてその足で守衛所へ入り、警備員に状況を説明している。
ところで私の出番はあるのかしら? 犯人捕まえたいのにぃ……
「来たな。あの運送トラックを停めろ!」
どうやら先程の電話は内通者からの連絡だったと推察する。あのトラックに自社製品が紛れ込んでいるという情報なのだろう。
納入業者などお取引様車両が入門する場合、通行許可証を確認した警備員がゲートを上げる仕組みだけど、出る際のゲートは無くてスルーだ。なので車両の前に立って強引に停めるしか手は無い。
もしかして危険だから車で待機なの? いやいや、そんな女性に優しい上司じゃないよね?
そんな思考を巡らせてるうちに、男性二人が両手を大きく広げトラックを停める姿が目に映った。運転手はかなり驚いている。そしてようやく係長に呼ばれた私はトラックへ近づいた。
「人事労政Grの伊集院だ。中を改めさせてもらう」
「な、何ですか、いきなり……い、急いでるんですけど……」
「なら協力しろ。納入伝票を出せ、早くだ!」
「ひぃっ」
運転手が恐る恐る伝票を手渡した。係長はそれを確認する。
「よし。ウィングサイドパネルを上げろ」
「い、いや、だから荷卸し済んでますから大した物積んでませんよ」
「いいから上げろ!」
ガガガガガッと、荷台の扉が開いていく。
本当に自社製品があるのかしら? もし無かったら凄く問題になると思うけど、大丈夫かな?
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