エアレンデルが輝くとき〜双子の姉に代わって第二王子の婚約者になってしまったので懺悔します〜
この国では、双子の片割れは「悪魔の子」と呼ばれ、生まれたことすら知られることなく、処分される運命にあった。
ニア・エアレンデル・シルビアス……本来ならば、彼女もその運命を辿るはずだった。
しかし、彼女は生かされた。
ある、役割を果たすために――
「嫌よ!あんな得体の知れない人との婚約だなんて!……そうだわ、こんな時のために、私には代わりがいるんじゃない!!!」
それは、姉……ミアの身代わりになることだった。
姉に代わってニアが婚約したのは、公の場に一切姿を現さないナヴィガトリア国第二王子、ヴォルフラムだった。
ニアは一生、「ミア」として生きていくしかなかった。
誰にも本当の名前を明かせない。
誰にも本当の自分を知られてはいけない。
そんな彼女が、唯一、ニアに戻れる場所。
それが、教会の懺悔室だった。
「ありがとうございます、神父様。神父様の前でだけ、私は私でいられます」
「いいえ。ここでなくとも、あなたはあなたでいられるはずですよ。ニア……」
――そして私は、まだ知らなかった。
この懺悔室で出会った神父様が、私の運命を大きく変える人になることを。
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