揺るがぬ愛を御身に

 或る街に若く美しい娘が居ました。
 多くの男が彼女に求愛しました。けれど、彼女が受けることは有りません。
 彼女は愛を疑っていました。揺るがぬ愛など存在しないと固く信じていたのです。愛など、いずれ脆く崩れ去るものだと思っていたのです。

 その街を魔女が訪れます。
 税を滞納していた領主を裁きに来たのだと、誰もが悟りました。
 領主はあの娘に命じます。
 魔女を欺け。税の滞納を悟られぬように。

 そうして、魔女と娘は出逢います。
 そうして、娘は揺るがぬ愛を識るのです。


 これは、彼女が幸せに過ごしていた頃の記憶。

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