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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章四十七節 山道の斥候とグダグダ陽動とマサツグの答え-

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もう日も落ちて夜の帳が空を支配し始める頃…マサツグ達はあの不気味な天の声

との対話を終えると、ただ休む事無く異変解決に尽力していた!…その際先頭を

モツに任せて進んで行くと、モツのアイテムポーチの中に居るコロッグが洞窟への

案内をし!…それこそ今までチネットが案内をしてくれていたのだが、この時

リーナの精神状態はとても悪く!…チネットの案内に機敏に動ける状態では

なくなってしまうと、同じノームのコロッグに任せざるを得ない状況にになって

いた…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…このままこの道に沿って行けば洞窟に辿り着ける!…けど気を付けてくれ?…

アイツらに色々と荒らされてからは誰一人としてその様子を見に行っていない!…

つまりはって事だ!…十分に注意をしてくれ!!…」


「ッ!……りょうか~い!…」


岩山を下る様にしてアダマンタイマイの背中を進み!…辺りに警戒をしつつ

コロッグの言葉にも耳を傾けて見せると、コロッグは注意をするよう言い

聞かせる!…と言うのもデグレアント兵達に色々と荒らされてからは誰も

見に行って居ないと!…つまりは今如何なって居るのか全く把握出来ておらず!…

となると当然もはやここは敵の領地と言っても過言ではなく!…とにかく

警戒を怠らない様子にコロッグが注意の言葉を口にし続けると、モツとアヤも

コロッグの話に返事をする!…その際言われなくとも!と言った具合にモツが

感知サーチを発動すると、更にはアヤも千里眼を使い!…


「……見た所大丈~夫そうだけど…どう?」


「…ふむ……誰も隠れたりしては居ないな…

今の所は安全そうだな…」


「…じゃあ、呼ぶわよ?」


__パッ!…ブンブンブンブン!!…


岩影から岩影へ!…二人が揃って斥候スカウトマンを務め!…その後ろをマサツグとリーナが

付いて来る形で進んで居ると、モツとアヤは安全かどうかを話し合う!…その際

アヤの目から見て敵が居ない事を口すると、モツも敵の気配を感じない事を口に!…

そうして互いに大丈夫と判断をした所で後方に合図!…マサツグ達に向けて手を

振り!…マサツグもそれを見てリーナの様子を見ながら移動をすると、何とも慎重に

慎重を重ねていた。その際リーナはマサツグの服の裾を人差し指と親指で摘む様に

掴んで歩くと、宛ら青春漫画の様に!…しかし当然ながらそんな状態ではない訳で

あって!…俯いた様子でゆっくり!…更にその後ろをオリハが殿を務める様に付いて

来ると、如何にも急いでいる感に欠ける様子を見せていた…


「ッ!…どうやら敵影無し…よし!…行くぞ、リーナ?…」


__……コクリッ…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「は~い…後ろO~K~…後ろO~K~…」


「……オリハさん?…

そのまるでバック駐車の案内をしている様な掛け声どうにかならない?…

何か緊張感が無くなるんだけど?…」


マサツグがアヤの合図に気が付いて手を振り返し!…リーナに移動を口にすると、

リーナも頷き…そこから歩く様なスピードで移動を開始!…幸いにも陽が落ちて

いるため敵味方共に視認性は悪く!…運が良いのか悪いのか…とにかく隠密性には

不自由する事は無いで居た…そして歩いて行く際オリハが後ろをびっちり警戒する

のだが、この時その場の空気を和ませようと思ったのか…付いて行く際に掛け声を

口に!…それが如何聞いても車の駐車を先導して居る様にしかとても聞こえず!…

マサツグがそう言う風にしか聞こえない!と言ったツッコミを入れると、オリハは

恍けて質問をする!…


「え?…駄目かいこれ?…じゃあ、何て言えば良い?…」


「いや、敵が来た時に敵襲とだけ言ってくれれば良いから!…

言われたらさすがに直ぐに反応出来るから!!…」


__ッ!……えぇ~~~!?……


「いやそんな顔をしても要らんモンは要らん!!…」


さもキョトンとした様子でオリハは質問!…だが当然改善して欲しいのはそこでは

なく!…マサツグは更に違う、そうじゃない!とツッコミの事を口に!…とにかく

今そんな掛け声は必要じゃない事を口にすると、オリハは文句有り気な様子で顔を

顰める!…まさにえぇ~!?と言わんばかりの顔で無言抗議!…だがマサツグは

そんなオリハに対して三度ツッコミ!…しかしそんな会話を二人でする一方でやはり

リーナは落ち込んだ様子を見せており…とても会話に参加出来る状態はなく…

二人もそんな様子に気が付きつつもただただ漫談の様に話しをし続けて居ると、

何とか斥候スカウトマンの二人と合流する!…


「…っと、とうちゃ~くぅ!!…おまた!…」


「あぁ、無事で何より!……とは言え、シンドイ道のりだな…

この調子だと辿り着くのに時間が掛かりそうだ…」


「……ねぇ?…本当に大丈夫?…

今からでもマサツグと一緒にさっきのノームの住処で待って居て良いのよ?…」


__…ブンブンブンブン……


「………。」


時間を掛けながらも合流するとモツ達に声を!…全然疲れた様子等を見せる事は

なく!…するとモツもそんなマサツグの声に対して返事を一つ!…共に無事である

事にホッとしつつ…このままの調子での時間に対して不安を感じたよう言葉を

零すと、アヤもリーナの心配をする!…その際今からでも遅くはない!と言った

具合に戻った方が…と、しかしリーナはそれを拒否する様に首を左右に振って

見せ!…言葉を発する事無くただギュッと!…マサツグの服の裾を更に強く掴んで

見せると、何か頑なな様子を見せていた!…


「…とは言え本当に大丈夫なのか?…何か心成しか顔色も…」


「…大丈夫だ!俺がコイツを何とかするから!…」


「ッ!…でもマサツグ!…この様子じゃまともに動けないでしょ?…

それにいざ戦闘になったら…私達で彼方達を守れるかさえ怪しいのに!?…」


一向に回復の兆しを見せないリーナの心労!…当然ながら安心出来る様子は微塵も

なく!…するとモツもアヤの心配に乗っかるよう言葉を漏らし!…そのリーナの

顔色も悪い様な?…そんな風に見える事を口にすると、マサツグが間に割って入る

よう大丈夫と言う!…そして大丈夫と言うのもリーナに対してではなく、自分は!

と言う意味で有り!…となるとそのマサツグの言葉にアヤも反論!…いざとなった

時の事を話し始め!…戦闘面でも不安を覚えて居る事を口にすると、マサツグは

それでも大丈夫と言い張って見せる!…


「大丈夫だ!!…リーナを守る位なら俺にも出来る!……それに…」


「それに?…」


「今のリーナなんて図体のでっかいシロの面倒を見て居る様なモンだ!…」


__ッ!!…ズデエェ~~~!!!……


マサツグの言う大丈夫の言葉に勿論一同困惑!…一体何を持ってして大丈夫

なのかと!…だがその肝心のマサツグは何故か自信満々にそう答え!…理由が

ある様子で何か臭わせる様に言葉を口にして行くと、次にはアヤが復唱する!…

それこそその根拠について一体何?と言った不思議そうな表情を浮かべて居る

と、マサツグはその根拠について!…リーナの事をデッカいシロと言った具合に

例えて行き!…これ位慣れっこ!と言った言葉を口にすると、当然アヤ達を

ズッコケさせる!…それも新喜劇宜しく崩れ落ちる様に!…これにはアヤも

ツッコミの言葉を!…


「ッ!?…ず!…図体のデッカイって!!…貴方って人はぁ!!……ッ!…」


__…スッ…


「……ッ?」


__ドゴスッ!…


「げふぅ!!…」


アヤがツッコミの言葉を口に!…相変わらずのマサツグに対して苦言を口に

しようとするのだが!…ハッと気が付くとそのマサツグの後ろではリーナが

何故か拳を固め!…服の裾を掴んだまま何かマサツグに狙いを定める様な

そんな素振りを見せて行くと、次にはマサツグの横っ腹に目掛けてフック!…

鋭い一撃を見舞って行く!…するとマサツグの体は横くの字に!…マサツグも

堪らず苦痛の声を上げ!…これはリーナなりのツッコミなのであろう…

とにかくそんなマサツグの言葉に対してリーナが不満の様子を露わにして

見せると、更にアヤは不安を感じる!…


「……本当に大丈夫かしら?…はあぁ~…」


「…アヤ?…幾ら言っても無駄だよ…

そうなったマサツグは梃子でも動かないし…

ゴリ押ししてでも解決しようとするから…

…その度に俺達が幾ら付き合わされた事か…」


「ッ!…そ、そうなの?…」


目の前で守れる自信がある!と言った人物から報復を受ける!…そんな友人の姿を

見てアヤは更に呆れて見せ!…思わず本音をポロっと漏らしては溜息を吐き!…

若干諦めた様なそんな反応を見せて居ると、モツもそんなアヤの様子に諦めるよう

声を掛け出す!…その際その理由に今までの経験上無駄である事を語る様に話して

行くと、自分達も苦労したとばかりに口調が重く!…何ならその表情ももはや達観

した様な…そんなモツの表情を見てアヤも戸惑った様子で返事をすると、更に

オリハも話に乗っかる!…


「えぇ…兄さんはそう言う人です…

…でも、何故か最終的に上手く行くんですよね?…何故か…」


「…何なのそのご都合主義?…

…て言うか今更だけどマサツグって本当に何者なの?…」


「……さぁ?…それは本人にしか分からない…

…っと言うよりは本人も分かって居ないかもな…

…さて、そろそろお喋りもここまでにして先を急ぐぞ!…

まだ道のりは長そうだからな?…」


「イィ~タタタタタタ!!…さすがに今のは効いたぜ!……」


実の兄を捕まえて呆れた様に…マサツグはそう言う人と!…そして奇妙な事に

何故か上手く行く事に疑問を持ち!…肉親ながらに何故?…と言った様子で

そう言葉を口にすると、その話を聞いたアヤも戸惑って見せる!…そのチート

めいた能力?…は何なのだ?と、改めてマサツグは何者なのだ?と疑問を持ち!…

するとその答えに対してモツは分からないと!…苦笑いをしつつ本人にも

分かって居ない様子で話しをすると、ハッと我に返った様子で先を急ぐよう

声を掛ける!…さてこんな話をして居る内にマサツグも復帰!…一同は更に

山道を下り!…難無く二合目を突破して見せ!…更に下って一合目へと向かって

行くと、そこで面倒な物を目にする!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…ッ!!…ザザザッ!!…


「…チッ!!…面倒なのを見つけた!…

数は5人!…相手自体は大した事は無いが…

順調にここまで来たのにこれは面倒臭い!!…」


「…如何する!?…陽動するにも何も無いし!…」


「…ここは強行突破しますか?…私、行けますけど?…」


一合目の半分位の場所…そこに中継地点でも設けたのか、デグレアント兵達が

簡単な櫓を組んでおり!…辺りには視界確保の為か松明が!…煌々と点いては

さすがに隠れて進む事を困難とさせる様に配置がされて有るのを目にすると、

モツが面倒臭い!と言った様子で後続を止める!…そして簡単に状況を仲間達に

説明をし始めると、アヤも考える様に如何する?と言葉を!…その際今使える

物を総動員するよう自身のアイテムポーチを弄り出し!…その一方で自分一人で

殲滅して来るとばかりにオリハがいけると口にすると、モツが冷静に止めに

入る!…


「……いや、ここまでバレずに来れた事は大きい!…

出来ればこのまま誰にもバレない様に進みたいんだが!…」


「………ッ!!…だったら良いのがあるぞ!…」


__ガサゴソ!!…ガサゴソ!!…


「…ッ!…あった!…ほれ、これ!!」


まだ見つかって居ない利点を生かしたいと!…モツはオリハに静まるよう声を!…

となるとその話を聞いてかマサツグが嬉々とした様子である提案を口に!…その際

自身のアイテムポーチを徐に開き始め!…そこからふと見覚えのあるアイテムを

取り出して見せると、あった!とばかりにモツ達に見せる!…するとモツも振り

返ってそれを見るなり驚いた様子!…次にはマサツグに戸惑った様子で言葉を!…


「ッ?…ッ!?…ま、まだ持ってたのかよ!?…

…さすが歩く道具屋さん!…」


「ッ!?…物持ちが良いと言ってくれ!!…

…てか誰がそんな名前を!!……でも、これなら突破出来るんじゃないのか?」


「…ッ?…何これ?…缶みたいでピンみたいなのが付いてるけど?…」


「兄さんこれは?…」


モツはとうの昔に使い切った様子で言葉を!…そしてマサツグがまだ持って

居る事にさすがと口に!…その際誰からそう聞かされたのかは分からないが…

マサツグの事を移動販売員とばかりに褒めて行くと、マサツグがその言葉に

ツッコミを入れる!…そしてその移動販売員の言葉にも疑問を持つ所では

あるのだが、今はそれ所では無いと!…とにかくこれを使えば打開出来ると

モツに話し!…アヤとオリハもその缶ジュースの様な何かに興味を持った

様子で話しに参加をすると、マサツグは二人にこう答える!…


「……俺達がまだ駆け出しの頃!…

幾度と無くお世話になった神アイテム!…様だ!!…

こいつを使えばあいつ等を制圧出来るかもしれない!!…」


「……言いたい事は分かったけど…そうなると時間との勝負になってくる!…

…オリハ!…アヤ!…いつでも飛び出せる様に武器を構えておいてくれ!…

合図はこいつが光った時!…」


自分達がまだ始めたばかりだった頃の事をチラッと話すとそのアイテムの事を

説明する!…この時大分お世話になったよう様付でそのアイテムの事を口に

すると、モツも意図を汲んだ様子で話しに乗っかり!…その際時間との勝負に

なる事を考えると、手早く動ける様に二人に指示!…ただ光る様な事だけを

二人に話すと、アヤはまだ分かって居ない様子で戸惑って見せる!…


「ッ!?…うえぇ!?…そ、そんな急に!?…

…わ、分かったけど大丈夫なの?…」


「安全性は保障する!……ただ扱い方を間違えると全滅だがな?…」


「ッ!?…ちょ!?…や、やっぱり危ないんじゃ!?…」


まぁ普通閃光弾など持って居ない!…と言うよりは廃止されたアイテムなので

持って居る筈がなく!…とにかく大丈夫なの?とアヤが心配をする一方…モツが

安全性だけは保障すると口にすると、更に怖い一言を付け添える!…となると

当然それを聞いたアヤは更に不安を覚えた様子で困惑するのだが、マサツグは

躊躇いなくピンを引き抜き!…次には投擲の構えを取り出し!…そして二人に

対して最後の注意を口にすると、次には掛け声を付けて閃光弾を投げて行く!…


「アヤ!…オリハ!…

俺がこれ投げたら2秒か3秒かは目を閉じておけ!…

でないと目がバ○スするから!!…」


「ッ!?…ちょ!…ちょっと待って!?…

バ○スって何!?…聞いた事が!!…」


「行くぞぉ~?…ソォイッ!!…」


その注意を口にする際…まるで某・大佐の様に目を押さえる事になると注意を

すると、アヤは当然の如く戸惑って見せる!…勿論アヤがそのジ○リ作品の事を

知って居る筈も無い訳で、何ならその某・大佐の事などもっと知らない訳で!…

となるとマサツグの言うバ○スと言う言葉に困惑して見せ!…一体如何言う事!?

と慌てた反応を見せて居ると、マサツグはアヤの事を御構い無しに!…その櫓に

向かって閃光弾を投げて行き!…それを合図にモツとオリハはハッと目を閉じて

何かを待つ様な素振りを見せて行くと、アヤも更に戸惑った様子で言葉を!…


「えぇ、ちょ、ま!!!…」


__ヒュゥ~…カラン!!…カランカラン!…


「ッ!!……ん?…何だこれは?…」


「おい、どうかしたのか?」


「いや、急に妙な物が……」


アヤの言葉空しく閃光弾は宙を!…弧を描く様に飛んで行き!…そこで大体櫓の

足元辺りでカン!と音を立てながら閃光弾は転がり!…それに気が付いた兵士の

一人が閃光弾が転がっているのを見つけると、これは何だ?と言った様子で

警戒をする!…その際決してその閃光弾を拾う事無く上から見下ろす様にして

マジマジとそれを見詰めて居ると、その音を聞き付けた様子で他の兵士も集まり

出し!…遂には閃光弾を囲んでこれは何?と…とにかく見た事の無いモノが

転がって居る事に兵士達が何か話し合いをする様な様子を見せて居ると、次の

瞬間には強烈な閃光が!…


__バシュ!!…カッ!!…ッ~~~~~~~~~………


「ッ!?…ぐああああああぁぁぁぁぁ!!!…な、何だこれはぁ!!…」


「目が!!…目がああああぁぁぁぁ!!!!……」


「ッ!…あれ?…あの中にム○カ居る?…」


何か小さく弾ける様な音と共に強烈な閃光が!…そして三半規管を狂わせる様に

耳にもキィーンとする音の様なモノが響いて行くと、次には兵士達が悶絶する!…

勿論初体験と言った様子で叫び声を上げる中!…何ならお手本とばかりに

目がぁ!!…と叫ぶ者まで!…するとそんな叫び声に対してオリハがクスッと!…

思わずボケる様に某・大佐が居る?と言葉を口にすると、マサツグも悪ノリを

し始める!…


__……スゥ…ッ!…


「…ッ…バ○ス!!!!」


「ッ!…ッ!?…」


「喧しい!!!!…声を上げるな!!…気付かれるだろ!!!…

それに閃光した後に言うセリフじゃないだろ!!!…」


マサツグはリーナの手を取ると重ね合わせる様にグッと手を握り!…そして

重ね合わせた手を前に突き出しお約束の台詞を口にすると、何か真剣な表情を

浮かべて見せる!…それはさも某・ある名場面を再現するようキリッとして

見せ!…となるとそんな一連の行動にリーナも困惑した様子でマサツグの顔を

チラチラと!…一体何をしたらいいのか分かって居ない様子で困惑しており!…

その一方でマサツグが叫んだ事にモツがツッコミを口にすると、次には

オリハ達が突貫する!…


「モツさんツッコミは後!!…行きますよ!!……」


__ババッ!!…ババッ!!…


「……ッ?…ア、アレ?…気配が?……ッ!!…モ、モツ達は!?…」


「ッ!…え?…オリハ達と一緒に制圧に向かったが?…ほれ?」


もはやここまで来ると仲がいい!…マサツグにツッコミを入れているモツに

対してオリハもツッコミを口にすると、モツとオリハは敵兵達に向かって

突貫する!…そして次にはアヤもふとその気配に気が付いた様子で目を開けて

行くと、隣に居た筈のモツが居ない事に戸惑い!…モツは何処に行ったのか?

と声を!…するとマサツグが呑気に行ったと!…その飛んで行った方向を

指差し今まさに制圧しようとしている様子を見せて行くと、アヤも更に慌てて

見せる!…


「え?…ッ!?…ちょ!…ッ~~~!!…あぁ~もう!!…

マサツグが余計な事を言うから~!!」


「ッ!?…え!?…俺のせい!?…」


既に先行しているモツ達の様子に戸惑い、自分は出遅れたと!…するとそんな

状況にアヤも不満が溜まった様子で文句を口に!…全てはマサツグのせいである!

と…不満を爆発させてから弓を手に岩場から飛び出して行くと、そのアヤの言葉に

マサツグがショックを受けて見せる!…それはさも流れ弾を喰らったかの様に目を

見開くのだが、アヤはそれ無視!…そのままモツのバックアップに入るよう弓を

構え!…先に行ったモツ達がその兵士達を制圧して行くと、アヤが合流をする頃

には戦闘は終了していた!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…ッ!…ッ!!……如何やら増援の気配も無いわね…」


「…と言う事は無事に制圧完了…っと!…

はあぁ~…久々にマサツグのボケに思わず反応してしまった!…」


「モツさん…兄さんがボケた途端の反応速度がニ○ータイプでしたもんね!…

さすがと言うか何と言うか…」


アヤが後から合流をすると増援の気配はないと!…するとモツもそれを聞いて

一息吐き…先程のマサツグのボケに反応してしまった事に反省をするよう言葉を

口に…するとその話にオリハは苦笑いをし始め!…さもモツが目覚めたかの様に

話しをすると、三人は揃って笑って見せる!…そしてハッとマサツグ達の事を

思い出した様子で目を見開くと、次には三人とも視線をマサツグ達の隠れて居る

方向に向けて行き!…次には大丈夫!とばかりに手を振り!…マサツグ達も気が

付いた様子で反応すると、移動を開始しようとするのだが…


__ブンブンブンブン!!…


「…おっ?…上手く行ったみたいだな!…よし、移動するぞ!…」


__コクリッ……ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「……なぁ…マサツグ……

お前は今までに不安を感じた事はあるか?…」


「ッ!…リーナ!…お前!…」


マサツグが気が付いた所でリーナに声を!…するとリーナもマサツグに頷くと

一緒にゆっくりと歩き出し…先程の状態のままで手を握って仲良く下山!…

その道中リーナが思い立った様に言葉を口にすると、マサツグも驚いた様子で

反応する!…その際リーナは今だあのフィロノマールの言葉を引っ張っている

様子で不安を口に!…何ならそんな不安を感じた事は無いかと…となるとそんな

問い掛けに対してマサツグは更に困惑して見せ!…とにかくリーナが喋った事に

ハッと驚いた様な反応をして行くと、更にリーナは話を続ける!…


「答えてくれ…不安を感じた事はあるか?…

こうしている間に国や…家族や…民が危険に晒されている…

お前は何所の国の王と言う訳でもないから国や民の心配は無いだろうが…

もし、自分の家族に何かあると分かったらお前は…お前なら如何する?…」


「ッ!?………。」


この時自身の不安を吐露する様に言葉を!…その際自身のせいで戦争になったらと…

家族にも迷惑が掛かる事を口にすると民の事も思い始め!…自身の言葉一つで大きな

間違いが起きたかの様に話しをすると、マサツグに意見を求め出す!…それこそ

マサツグに縋るよう目を潤ませ、如何したら!?と言った表情を浮かべ!…となると

そんな表情を向けられた事でマサツグも更に困惑!…しかしその答えは直ぐに出て

来たのか…若干の間を開けた後スッと口を開いて見せると、リーナにこう返事を

する。


「…そりゃ心配もするし…不安にもなるさ。」


「ッ!?…そ、そうか…そうだよ…な…」


「けどだからって!…

まだ起きても居ない事で不安になるのはそれは違うと思ってる!…」


「ッ!……え?…」


マサツグは真剣に現実での事も交えて返事をする!…その際の返答は心配をする

と言うモノであり!…するとそれを聞いたリーナは何かショックを受けた様な

反応を…さもマサツグにあの時の選択が間違って居た!と言われた様に聞こえた

のか…そんな反応をして俯く様な素振りをして見せて居ると、マサツグはそれを

見透かした様に話しを続ける!…と言うのもまだその戦争自体が起きて居ないと!…

考えるだけ無駄だ!と言い…となるとそんなマサツグの言葉にリーナもハッと!…

その言って居る言葉の意味が分からない様子で戸惑った様な反応をして見せると、

更にマサツグは笑って話す!…


「だってそうだろ?…

あくまでもあの話はにした話であって!…

現に今進行形で起きて居る話じゃない!…

何ならもし本当に戦争が起きたらあんな風にちょっかいを掛けて来る

暇なんか無いと思うし!…アレは正直ハッタリだろ?…」


「ッ!?…い、いやしかしそれでも!!…」


マサツグはさもまだ大した事は無い!と言った様子で話しをする!…と言うのも

あの時の話と言うのはリーナをただ挑発させただけに有って、戦争そのものが

起きたと言う話ではなく!…そもそももし本当に戦争が起きたとして、あの様に

ちょっかいを掛けて来る事自体が可笑しい事を口にすると、あの一連の話を

ハッタリで済ます!…するとそのマサツグの考え方にリーナは戸惑い!…更に

言葉を続けようとするのだが!…マサツグはそれを良しとしない様子で話しを

遮り!…更に自身の考えを口にすると、リーナの事を宥めに掛かる!…


「それに!!…もし似た様な立場になっても!…俺は家族の事を信じる!!…」


「ッ!?……」


「自分が家族の事で不安になるって事は!…

それだけ家族の事が大切にして居るからであって!…

大切にして居るって事はそのものに対して!…

それ相応に信頼している事と同じ!…って、考えられるんじゃねぇのか?」


「ッ!?!?……ッ…」


マサツグは畳み掛ける様にリーナを遮り!…笑顔で話しを続けると信じると

言う!…勿論その言葉が出て来た事で目をパチクリ!…リーナは驚いた様子を

露わに!…だがマサツグは構わず話を続け!…寧ろこうは思えられないか?と

ある種の提案をする様に励ましの言葉を口にすると、更にリーナはハッと

する!…それそこ自身の家族を信じろ!と言われた様な気がすると、思わず

マサツグの言葉に息を呑み!…マサツグに希望を見出す様に視線を!…

マサツグもそんな様子など露知らず!…ただ自身の意見を続けて見せると、

更にリーナを励まして行く!…


「…何ならアイツ自らまだって言いに来たんだぜ?…

なんせ準備期間中だって言ってた位だし!…

それって要は春野原王国スプリングフィールド王国を落とすのに時間が掛かるって事で!…

更に言うと!って言いに来た様なモンだろ?…」


「ッ!!……」


「…それに自分でも思い返してみ?…あの王様を筆頭に!…

元強者冒険者の王妃様に将軍!!…そして屈強な兵士達!!…

ハッキリ言ってあの三人が居て!…

アレだけの団結力ある皆が居たら、正直安泰だと思うわ!…

…俺達が万全の装備で固めて挑んだとしても!…

勝てるビジョンが出て来ねぇ!…そんな相手だ!…」


「……プっ!…ふふふ♪…」


更には先程のフィロノマールの話についてもこう解釈をして見せる!…と言うのも

アイツはこう言ったと!…つまりはこう言う風に言って居る様に聞こえると!…

するとその話を聞いてリーナもハッと!…言われて気が付いた様に反応して見せ!…

徐々にその顔に明るさと活力が戻って来る様なそんな様子が見て取れると、

マサツグも更にスパートを掛ける!…その際話に出したのはその春野原王国スプリングフィールド王国

居るスティング達についてであり!…アレは本当に一筋縄ではいかない!と…何なら

自分達が挑んでも勝てない!とハッキリ口にして見せ!…それを聞いてリーナも

想像したのか?…プッと噴き出し静かにクスクスと笑って見せると、マサツグは

最後に落としに掛かる!…


__クルッ!…ッ!…


「…こういう言い方は自分でもトゲが有るとは思うけどよ?…

お前は自分で自分を追い込み過ぎだ!…たまには周りに頼る事を覚えろ?…

そんでもって自分が信じているモノに自信を持て!!…

駄目だったら駄目だったでそん時はそん時!!…

また考え直せば良いだけの話だ!!…ただし!!…

その選択に後悔の無い様にな!…それが今のお前に対する俺の答え!!…かな?」


「…自分の信じるものに自信を…か……ッ!…」


徐にリーナの方へ振り向くと絶えず微笑み!…最後に助言を!…その際自身でも

言い方がアレだと言いつつ…それでもこれが必要である事をリーナに話し言い

聞かせると、リーナもそれを黙って聞く!…まるで自身でも分かって居る様に!…

ただマサツグをジッと見詰め!…するとマサツグもマサツグでなる様になると!…

後悔しないよう言葉を口に!…最後にこれが自分なりの答えである事を口にすると、

リーナも納得した様子で零すのであった!…

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