俺の名前は今日からポチです

ムーン

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ふたまた、さん

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メールの確認を始めた雪風は集中しているようだったので、邪魔せずに真面目な横顔を眺めていた。しかしその顔は俺が予想していた冷静な「デキる男」のらしさはなく、紅潮が分かりやすい白い頬を真っ赤に染めて何かに耐えるように唇を結んでいる。

「…………はぁーっ、ダメだ」

深いため息をついた雪風はパソコンの電源を落として立ち上がると履いたばかりのスラックスを脱ぎ、ネクタイを緩めながらクッションの上でくつろぐ俺の元へやってきた。

「雪風? 仕事は?」

「これで手につくわけねぇだろ」

読んでいたメンズのファッション雑誌を置き、内側から持ち上げた下着を濡らしている雪風を眺める。シャツの裾から覗く性器の膨らみが分かる下着の様子は酷く扇情的だ。

「……この雑誌のモデル、大したことないな」

「はぁ……? あぁ……それはモデルじゃなくて最近人気の俳優だぞ」

雑誌の表紙の若い男の写真を指差して言うと、雪風は雑誌を拾ってぼうっと眺めた。

「ぁー……こういう草食系男子が案外巨根だったりするんだよなぁ、抱かれたい……後さぁ、この雑誌の後ろの方の……あぁ居た居た、このワイルド系、こいつ好き……抱かれたい」

とろんとした目をしていた雪風は不意に雑誌から俺に視線を移して悪戯に微笑み、俺の膝の上に座った。

「怖い顔して、嫉妬したか?」

「こういう顔なんだよ。なぁ、俺は何系?」

「反社系かな」

反社会的だと? いやいや俺はそこまで強面じゃない。

「冗談冗談、ワイルド系だろ? 人間の言葉覚えたて、愛を知り始めた森の奥に住む化け物……そんな感じ」

「オレ、ニンゲン、スキ。デモ、ニンゲン、オレキライ」

「そうそう」

「誰がバケモンだ、つーかそれワイルド系じゃねぇよ」

文句を言いつつ膝の上に乗った雪風のネクタイを解き、シャツのボタンを外していく。顕になっていく白い肌の紅潮の様子は雪風の椅子と化している俺には分からない。

「……真尋ぉ、ちゃんと見て」

雪風は身体を反転させ、俺と向かい合う体勢になった。彼の足は俺の胴を挟むように開かれていて、腕は俺の首に絡みついていた。

「どぉ? 真尋ぉ……」

「えっろい身体だな、なんだよこの胸」

弄りやすく大きく育った乳首を摘んで言うと、雪風は嬉しそうに頬を緩め、小さく喘いだ。ワイルドだとか反社会的だとか言うくらいだ、少々悪ぶった方が喜ぶのだろう。

「でも、一番はまだ見てないな」

蕩けきった満面の笑みを浮かべた雪風はぐしょ濡れの下着を投げ捨て、俺の膝の上に腰を乗せたまま後ろに倒れて床に背をつけ、後孔を俺に見せつけた。

「……見てるだけで出そう」

蜜を垂らしてヒクヒクと震え、俺を誘って開閉している穴の縁にそっと指を触れさせる。

「真尋ぉっ……後ろ、して。めちゃくちゃに……ガンガン犯して」

「こっち出さなくていいのか?」

右手の中指をゆっくりと穴の中に沈ませていきながら、左手で陰茎を包み、先程よりも強い力で扱いていく。

「ひぁあっ……! あぁっ、後ろっ、細いのきてるっ……んぁっ、あぁっ……そ、こっ、したらっ、もぉ出るっ!」

中指は挿入するだけで動かさず、左手は普通に扱く。至って普通に、自分で自分のを扱く時と同じように手を動かした。
少し前から限界に達していた雪風の快楽の弁はとうとう崩壊し、彼は自分の腹の上に精液を撒き散らした。毎回思っていることだが、雪兎も雪風も白濁液が目立たない肌をしていてつまらない。
もちろん神聖な見た目の彼らが精液にまみれているのはとても素晴らしいことなのだが、視覚的なものが足りない。

「ま、ひろぉ……? 入れ、る?」

しかしもちろん勃起はするし、今から挿入する。
ハッキリ「入れる」と答えて頷くと雪風はとろけながらも満面の笑みを浮かべた。
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