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ケイルの好きなところ★

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 紗のベールや色とりどりのネックレス、それにリネン製のキトンと呼ばれる一枚布を剥がされてゆく。一糸纏わぬ姿にされたとき、まだ首回りも乱していないケイルが俺に食らいついた。
 舌同士を絡め口づけに酔っていると、胸の頂きに手が伸びる。何度か片方のそれを摘ままれたあと、もう片方をチュッと吸われた。

「んっ」
「綺麗な桜貝色だ。ほら、赤く染まって立ち上がる」

 片方をキュッと摘ままれ、もう片方は舌で転がされたかと思えば甘噛みされる。充血した胸が切なくて、腰にもじわりと熱が集まってゆく。

「あ、あっ。ケイル、もっと強く……」
「まだ二番目を聞いてないよ」

 こんな状態でお預けを食らうなんて。頭なんてまともに動かないのに。だが、愛撫が欲しくて必死でひねり出す。

「仕事で有名なのに、偉ぶらないところ。剪定するときの真面目な顔も、好きだ」
「ありがとう」

 胸を攻めていたケイルの顔が真正面にあった。ちゅっ、ちゅっと小鳥のようなキスが降ってくると同時に、両方の腫れた乳首を強く摘ままれた。

「あぁっ」

 ビクン、と刺激で体が跳ねる。その瞬間、性器を優しく掴まれた。先走りを親指で伸ばされ、残りの四指で陰茎を上下にこすられる。胸をまた舐められ、片手ずつで胸と性器をいたぶられる。

「新年会の準備で、しばらくお預けだったから、溜まってるでしょう」

 実際、ケイルの言うとおり四日間は互いに忙しくてHする暇もなかった。自慰すら忘れていたから、少しさわられただけで、アソコが破裂しそうだった。
 もっと追い上げてほしい。そう思ったとき、急に手が動きを止めた。

「ケイル……?」
「最後だよ。僕の好きなところはどこ?」

 性器を人質に、ケイルが質問を再開させた。懸命に我慢汁をタラタラと零している分身を放置して。

「あ……」

 頭が真っ白になった。早く性器をいじってほしい。ここだけでイキたいあまり、いやらしいことしか浮かばない。

「ベ、ベッドで俺をリードしてくれるところ。ケイルにいやらしいことされたり抱かれると、気持ちいいっ」

 ――これで良かっただろうか。

 不安になっていると、ケイルに覆い被さられた。舌が入り込む口づけは、俺の口腔内を犯す勢いだ。

「んんっ」
「それなら、自信を持って進めていいんだね。いつもやり過ぎだって言われるから、今日は抑えめにしようかと思ってたけど、遠慮しないよ」

 口の端を光らせ、ケイルが不敵に微笑む。と同時に、期待ゆえか背筋に怖気が走った。
 あっという間に射精させられた俺は、大きく股を開かされ後孔を弄られるままになる。潤滑油を垂らされ、クチュクチュという淫靡な音が部屋じゅうに響く。

「あいだが空いていたから、硬くなってる。しっかりほぐさないとね」
「ん、ふぁっ……」

 後孔を愛されると、前をさわられるのとは別の快楽が芽吹く。高いところに追い上げられて、それが続くのだ。女の人の快楽ってこんな感じだろうか。

 前立腺の膨らみをそうっと撫でられ続け忘我の域に達したとき、ぐにゃりとした柔らかいものが入って来た。

「なにが入ってるんだ、ケイル?」
「ひたらよ」

 足のあいだに息が吹き込まれて仰天した。こいつ、俺の尻に舌を差し込んでいたのか……!

「やめてくれ、そこは汚い。だから……っ」
「ジャミルの体に汚いところなんてないよ。ね、気持ちいい?」

 尖らせた舌をグリッとねじ込まれ、舌の先で前立腺を撫でられた。柔らかい粘膜の感触が恐ろしいほどの快楽を生み出し、目に星が飛ぶ。

「あ、やだ、やだ……っ!」

 なんて快感なんだろう。まるで海で心地の良い小舟に揺られているようだ。最も感じるところを舌で翻弄され、さわられてもいないのに性器から白いものが溢れだす。

「ああ――っ!」

 どこかから、体ごと落とされたような錯覚がする。まだ余韻に震えていると、昂ぶったものが尻に押しつけられた。

「ジャミルを見てたら、いつもより大きくなっちゃった。でも、これだけ感じてくれてるなら大丈夫だよね?」

 遠慮もせず一番奥まで差し込んだケイルがすぐに動き始める。巨根といっても差し支えない大きさに、内壁が悲鳴を上げる。

「ジャミル、きみの口から好きだと聞けて嬉しい。具体的にどこがいいって今まで聞けたことがなかったから、心配だったんだ」

 ズン、と奥を疲れて悲鳴が出た。

「奥はやだ……。気持ちいいけど、意識が飛びそうになる」
「そう、じゃこれは?」

 腰を引いたケイルが、グリグリと中を掻き回すものだから、「ふぁ、ああんっ!」と間抜けな声を上げてしまった。

 それからは、もうちゃんとした受け答えなど出来なかった。

「やん」とか「ひんっ」とか幼児のように甘えた声しか出せなくなった俺の体を、散々暴いたケイルは嬉しそうだった。

 結婚式を挙げた神聖な夜、俺はこうして夫に好き放題喰われて朝を迎えたのだった。
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