29 / 68
第6話・お題部屋でまさかのBLモードです
フカフカ、モチモチ、アッタカイ(視点混合)
しおりを挟む
「つーか、アンタだって、ここ切なくねーの? 触って欲しいとか思わない?」
ズボンの上からソフトタッチで股間を撫でられた私は
「ひゃっ、な、撫でないでください」
「アンタ、ここも自分で触ったことが無いの? 胸より、ずっと気持ちいいよ? 病みつきになるよ……?」
甘い声で誘惑しながら、絶妙な力加減で入り口をくすぐってくる風丸に、私は足をもぞもぞさせながら
「んっ、んっ。ゆ、誘惑しないで。そこは本当にダメなんです。やだぁ……」
「……ここまで来てマジで生殺しなのか」
風丸はガクッと項垂れると、そのまま私の胸にぽふっと顔を埋めて
「マスターちゃん、マジで性質が悪い」
「す、すみません。でも胸を触られるだけならともかく、風丸と最後までするのは……」
本当は私も、風丸に最後までされてしまいたいです。でも風丸が私との触れ合いを心地よく感じるのは、多分あの能力のせいです。相手の正常な判断力を奪って体を繋げるなんて、絶対に許されません。
まだ私のところに来たばかりの頃に
『本当は色事が好きじゃない』
『人に触れられるのは嫌い』
と言っていたのが、きっと風丸の本心だから。風丸の意思を捻じ曲げて「触れられて嬉しい」なんて喜んじゃダメです。
しかし言い淀む私に風丸は
「俺はもう丸ごと食っちまいたいよ」
ハッキリ求められると、不覚にも心が揺らぎます。そのまま押されたら危ないところでしたが
「……でもこれは俺の自然な感情じゃないらしいしな」
風丸は自分でブレーキをかけると、やや恨めしそうに私を見て
「本当に厄介な能力をもらってくれたよ、マスターちゃん」
「す、すみません。幸せにするどころか悶々とさせてしまって」
いろいろと申し訳なくて、しゅんと謝罪する私に
「本当にな。欲求不満なんてはじめてだよ」
風丸は疲れたように言いましたが、ふと雰囲気を和らげて
「まぁ、でもアンタのおかげで、まぁまぁ幸せだよ。胸を触るだけでも気持ちいいしね」
風丸は機嫌よさそうに私の胸に顔を埋めました。もう性的な意図は無いようで、ただ甘えるような仕草に
「風丸これ好きですね」
羞恥心がバグったのか、今はただ愛しさに和みながら言うと
「だってマスターちゃんの胸、大きくて気持ちいいんだもん」
風丸はゲームでも聞いたことが無いような甘えた声で言いました。私の母性に100万のダメージです。ギュッと抱きしめたい気持ちを抑えて、ただよしよしと頭を撫でていると、風丸は心地よさそうに脱力して
「……下は諦めるから今日はこのまま、ここで寝ていい?」
本当は断るべきだったのかもしれませんが、風丸を甘やかしたい気持ちが勝って
「はい。ゆっくり休んでください」
私の胸に甘える風丸の頭を優しく撫でながら、その日はそのまま一緒に眠りました。
【風丸視点】
夜。お題部屋でのことが響いて、なかなか眠れなかった俺はマスターちゃんのところへ夜這いに行った。本当はそのままやっちまいたかったけど、俺のこの謎の情動はマスターちゃんのトリップ特典とやらのせいらしい。
正直ここまで来たら、どんな理由だろうが、マスターちゃんが欲しくて堪らないのは事実なんだから、その欲求を解消したかった。でもマスターちゃんはキスとか性交とか、大事に考えているらしい。ちゃんと心の伴った触れ合いじゃないと傷つくようだ。それを考えると、マスターちゃんが死ぬほど欲しくても、なぜか無理強いはできなかった。
その代わり昨日はマスターちゃんの胸を枕にして、そのまま一緒に寝た。
翌朝。職業柄眠りの浅い俺は、マスターちゃんより早く目覚めた。でも寝起きでぼんやりした頭は、昨日のやり取りをすっかり忘れていた。そのせいでマスターちゃんと同じベッドで、くっついて眠っていた自分に気付き、人と一緒に寝るなんてマジかと驚いた。
俺は人前で無防備になるのが嫌いだ。自分がさんざん人の寝首を掻いて来たから。人の隙を突いて来た人間ほど、自分が隙を見せることを恐れる。
だから人と寝るなんて言語道断。必要があって一緒に寝ても、それはフリで本当は起きていた。寝ようとしたって眠れなかった。
それなのに今はガチでマスターちゃんと寝ていた。いつもの悪夢にうなされることも無く。何、気持ち良く寝てんだと自分にツッコむ。流石に気を抜き過ぎだ。さっさと離れろと思うのに……ダメだ。全然離れらんねぇ。
はだけたままのマスターちゃんの胸に再び頬を寄せる。肌が吸い付くみたいに、気持ち良くて離れられなくなる。マスターちゃんの体は布越しだとフカフカで、じかに触れると水気を含んだようにモチモチしている。どっちの感触も気持ち良すぎてヤバい。人間じゃなきゃ絶対に持って帰っている。
ちょっとだけ身を起こして、マスターちゃんの寝顔を見る。俺が乗っかっているせいか少し寝苦しそうだ。表情のせいもあるが、相変わらず美人とは言えない顔立ちなのに、不思議とずっと見ていたくなる。
プニプニのほっぺたを突きながら、自分の謎の情動について考えていたが、気付けば自然と微笑んで
「……可愛い」
その呟きにギョッとして、ベッドからバッと飛び退る。なんだ、可愛いって。いや、可愛いのは可愛いけど。犬とか猫とかに言うアレじゃなくてなんか……言語化しようとすると、妙に顔が熱くて、胸がこそばゆくて、心臓がうるさくなる。
戦ったわけでもねーのに、なんだこれ。ドキドキして気持ちいい気もするけど、なんか変に恥ずかしい。これもマスターちゃんの能力のせいなのか?
ここまで情緒を狂わされたら、普通は本能的に排除したくなる。それなのにマスターちゃんを見ると、心がふにゃっとなって、どうがんばっても殺意が湧かない。
取りあえず離れることにすると、マスターちゃんに毛布を掛け直してから自分の部屋に戻った。
ズボンの上からソフトタッチで股間を撫でられた私は
「ひゃっ、な、撫でないでください」
「アンタ、ここも自分で触ったことが無いの? 胸より、ずっと気持ちいいよ? 病みつきになるよ……?」
甘い声で誘惑しながら、絶妙な力加減で入り口をくすぐってくる風丸に、私は足をもぞもぞさせながら
「んっ、んっ。ゆ、誘惑しないで。そこは本当にダメなんです。やだぁ……」
「……ここまで来てマジで生殺しなのか」
風丸はガクッと項垂れると、そのまま私の胸にぽふっと顔を埋めて
「マスターちゃん、マジで性質が悪い」
「す、すみません。でも胸を触られるだけならともかく、風丸と最後までするのは……」
本当は私も、風丸に最後までされてしまいたいです。でも風丸が私との触れ合いを心地よく感じるのは、多分あの能力のせいです。相手の正常な判断力を奪って体を繋げるなんて、絶対に許されません。
まだ私のところに来たばかりの頃に
『本当は色事が好きじゃない』
『人に触れられるのは嫌い』
と言っていたのが、きっと風丸の本心だから。風丸の意思を捻じ曲げて「触れられて嬉しい」なんて喜んじゃダメです。
しかし言い淀む私に風丸は
「俺はもう丸ごと食っちまいたいよ」
ハッキリ求められると、不覚にも心が揺らぎます。そのまま押されたら危ないところでしたが
「……でもこれは俺の自然な感情じゃないらしいしな」
風丸は自分でブレーキをかけると、やや恨めしそうに私を見て
「本当に厄介な能力をもらってくれたよ、マスターちゃん」
「す、すみません。幸せにするどころか悶々とさせてしまって」
いろいろと申し訳なくて、しゅんと謝罪する私に
「本当にな。欲求不満なんてはじめてだよ」
風丸は疲れたように言いましたが、ふと雰囲気を和らげて
「まぁ、でもアンタのおかげで、まぁまぁ幸せだよ。胸を触るだけでも気持ちいいしね」
風丸は機嫌よさそうに私の胸に顔を埋めました。もう性的な意図は無いようで、ただ甘えるような仕草に
「風丸これ好きですね」
羞恥心がバグったのか、今はただ愛しさに和みながら言うと
「だってマスターちゃんの胸、大きくて気持ちいいんだもん」
風丸はゲームでも聞いたことが無いような甘えた声で言いました。私の母性に100万のダメージです。ギュッと抱きしめたい気持ちを抑えて、ただよしよしと頭を撫でていると、風丸は心地よさそうに脱力して
「……下は諦めるから今日はこのまま、ここで寝ていい?」
本当は断るべきだったのかもしれませんが、風丸を甘やかしたい気持ちが勝って
「はい。ゆっくり休んでください」
私の胸に甘える風丸の頭を優しく撫でながら、その日はそのまま一緒に眠りました。
【風丸視点】
夜。お題部屋でのことが響いて、なかなか眠れなかった俺はマスターちゃんのところへ夜這いに行った。本当はそのままやっちまいたかったけど、俺のこの謎の情動はマスターちゃんのトリップ特典とやらのせいらしい。
正直ここまで来たら、どんな理由だろうが、マスターちゃんが欲しくて堪らないのは事実なんだから、その欲求を解消したかった。でもマスターちゃんはキスとか性交とか、大事に考えているらしい。ちゃんと心の伴った触れ合いじゃないと傷つくようだ。それを考えると、マスターちゃんが死ぬほど欲しくても、なぜか無理強いはできなかった。
その代わり昨日はマスターちゃんの胸を枕にして、そのまま一緒に寝た。
翌朝。職業柄眠りの浅い俺は、マスターちゃんより早く目覚めた。でも寝起きでぼんやりした頭は、昨日のやり取りをすっかり忘れていた。そのせいでマスターちゃんと同じベッドで、くっついて眠っていた自分に気付き、人と一緒に寝るなんてマジかと驚いた。
俺は人前で無防備になるのが嫌いだ。自分がさんざん人の寝首を掻いて来たから。人の隙を突いて来た人間ほど、自分が隙を見せることを恐れる。
だから人と寝るなんて言語道断。必要があって一緒に寝ても、それはフリで本当は起きていた。寝ようとしたって眠れなかった。
それなのに今はガチでマスターちゃんと寝ていた。いつもの悪夢にうなされることも無く。何、気持ち良く寝てんだと自分にツッコむ。流石に気を抜き過ぎだ。さっさと離れろと思うのに……ダメだ。全然離れらんねぇ。
はだけたままのマスターちゃんの胸に再び頬を寄せる。肌が吸い付くみたいに、気持ち良くて離れられなくなる。マスターちゃんの体は布越しだとフカフカで、じかに触れると水気を含んだようにモチモチしている。どっちの感触も気持ち良すぎてヤバい。人間じゃなきゃ絶対に持って帰っている。
ちょっとだけ身を起こして、マスターちゃんの寝顔を見る。俺が乗っかっているせいか少し寝苦しそうだ。表情のせいもあるが、相変わらず美人とは言えない顔立ちなのに、不思議とずっと見ていたくなる。
プニプニのほっぺたを突きながら、自分の謎の情動について考えていたが、気付けば自然と微笑んで
「……可愛い」
その呟きにギョッとして、ベッドからバッと飛び退る。なんだ、可愛いって。いや、可愛いのは可愛いけど。犬とか猫とかに言うアレじゃなくてなんか……言語化しようとすると、妙に顔が熱くて、胸がこそばゆくて、心臓がうるさくなる。
戦ったわけでもねーのに、なんだこれ。ドキドキして気持ちいい気もするけど、なんか変に恥ずかしい。これもマスターちゃんの能力のせいなのか?
ここまで情緒を狂わされたら、普通は本能的に排除したくなる。それなのにマスターちゃんを見ると、心がふにゃっとなって、どうがんばっても殺意が湧かない。
取りあえず離れることにすると、マスターちゃんに毛布を掛け直してから自分の部屋に戻った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
147
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる