月に愛を吠える
「あなたは誰よりも強い獣の血が流れてるの。でもね、人々はそういうものを恐れるの。だからね、決して自分の力やこの姿を見せてはいけないわよ。母さんと約束して」
ラファール国のとある田舎の集落に住むフラムは、亡き母から強くそう言い聞かされていた。
周りとは違った肌の色、目の色。なにより誰よりも強い力を持つ彼は、“化け物の子”と陰で呼ばれ、遠巻きにされていた。
「君、一緒に来ないか? 私の研究の手伝いをしてもらいたいんだ」
そんなある日、村の近くの森の中で遭遇したヴァンにそう声をかけられ、フラムは王都へ出ることに。
ヴァンは魔獣を研究する王都のアカデミーの研究者だというのだ。
村での貧しい生活から一転、見るもの聞くものすべてが初めてで目新しい王都とアカデミーでの暮らしに、フラムは圧倒されつつも徐々に馴染んでいく。
しかし、フラムには誰にも明かせない秘密があるのだが、それがヴァンにバレてしまった!?
「なあ、フラムよ。一つ私に協力してくれないか? その……君の秘密であろうその姿を誰にも明かさない約束の証しに」
てっきり屋敷を追い出されると思っていたフラムに、ヴァンがとある提案を持ちかける。
それにより二人の距離は一層近くなり、フラムは自分に権利や自由を教えてくれるヴァンに惹かれていき、やがて自分の中に芽生えた感情に気付く。
(そうか、俺はヴァンさんの特別になりたいんだ。それも、ものすごい特別に)
自分の感情の変化を思い切ってヴァンに相談してみるのだが、思いがけないことを言われてしまい――――
研究一筋で恋に鈍い伯爵令息✕化け物の子と呼ばれたピュアな野生児が育む純愛BL !
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