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始まり
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私はサイラル王国第1王子のアーダンだ。自分でいうのは何だが、文武両道で非の打ちどころのない王子だと思う。騎士団の副団長にも剣で勝り、政治でも執政官に意見を採用されるほどの有能ぶりだ。だが、強者に油断は禁物。今日もこうして剣を振っている。この剣は私専用の大剣とあってかなりの重量だ。この剣を使いこなせるのは私ぐらいだろう!
「殿下!危ないです。何を中庭でしておられるのですか!」
「見ての通り素振りだ。昨日、騎士団長のメンデルが日々の修行あってこその強さと言っていたのでな」
「あの人はまた余計な話を…とにかく次期王位継承者のあなたに万一のことがあってはことです。すぐにおやめください!」
「わが剣を疑っているのか?そのような無様はさらさぬ」
「殿下!アーダン殿下!」
「おお!エディンではないか。どうしてここに来たのだ?今は学園に通っている時間では?」
「それはこちらのセリフです!あれだけ卒業までは学園に必ずお越しくださいと申したはずです」
「私はすでに学園で学ぶことはない。そのような場には卒業の式典だけで十分だ」
「何を世迷言を…忘れたのですか?最終考査で赤点だらけで卒業までの全日出席と補習でようやく単位が揃うんですよ?次期国王が留年なんて認められませんよ」
「あ、あれは学園の陰謀だ!試験時には私の回答に対して何も言わなかったのだ!後になって間違いを指摘するなど間違っている!」
「間違っているのは殿下です。もっと、王族としての振る舞いを勉強してください!」
「だが、いつもダンスとマナーは満点だろう?」
「そ、それは…それだけではないですか!もっと、他のことも学んでください」
「むぅ、エディンと踊っているのは楽しいのだがな…」
「はぁ、バカなこと言ってないで戻りますよ」
「わっ、ちょっと待て…」
エディンが私を引っ張っていく。エディンは侯爵家に生まれ、魔法の使い手として知られている。いつも私を身体強化の魔法を使ってこうやって連れていこうとするのだ。私がむやみに魔法を使えないと思って好き勝手しおって。
「分かったから、少しだけ素振りをさせろ」
「仕方ありません。5分だけですよ」
「うむ」
ブン ブン ブン
ふふふ、やはりなかなかの重量だな。これだけの剣を操ることができるのはやはり王国でも私ぐらいだろう。
「さーて、興も乗ってきたな!うおっ!?」
大きく振りかぶろうとして腕を上げようとしたところ手が滑ってしまった。
スポッ
そして私の手を離れた剣は…。
ザクッ
「い、いやぁぁぁぁ。で、殿下の頭に剣が…」
「何という事だ。おい!すぐに大神官様を!」
「はっ…はっ!」
ドタドタドタ
兵士たちの足音が去っていくのが聞こえる。そして耳元ではエディンの声が響いていた。
「殿下!危ないです。何を中庭でしておられるのですか!」
「見ての通り素振りだ。昨日、騎士団長のメンデルが日々の修行あってこその強さと言っていたのでな」
「あの人はまた余計な話を…とにかく次期王位継承者のあなたに万一のことがあってはことです。すぐにおやめください!」
「わが剣を疑っているのか?そのような無様はさらさぬ」
「殿下!アーダン殿下!」
「おお!エディンではないか。どうしてここに来たのだ?今は学園に通っている時間では?」
「それはこちらのセリフです!あれだけ卒業までは学園に必ずお越しくださいと申したはずです」
「私はすでに学園で学ぶことはない。そのような場には卒業の式典だけで十分だ」
「何を世迷言を…忘れたのですか?最終考査で赤点だらけで卒業までの全日出席と補習でようやく単位が揃うんですよ?次期国王が留年なんて認められませんよ」
「あ、あれは学園の陰謀だ!試験時には私の回答に対して何も言わなかったのだ!後になって間違いを指摘するなど間違っている!」
「間違っているのは殿下です。もっと、王族としての振る舞いを勉強してください!」
「だが、いつもダンスとマナーは満点だろう?」
「そ、それは…それだけではないですか!もっと、他のことも学んでください」
「むぅ、エディンと踊っているのは楽しいのだがな…」
「はぁ、バカなこと言ってないで戻りますよ」
「わっ、ちょっと待て…」
エディンが私を引っ張っていく。エディンは侯爵家に生まれ、魔法の使い手として知られている。いつも私を身体強化の魔法を使ってこうやって連れていこうとするのだ。私がむやみに魔法を使えないと思って好き勝手しおって。
「分かったから、少しだけ素振りをさせろ」
「仕方ありません。5分だけですよ」
「うむ」
ブン ブン ブン
ふふふ、やはりなかなかの重量だな。これだけの剣を操ることができるのはやはり王国でも私ぐらいだろう。
「さーて、興も乗ってきたな!うおっ!?」
大きく振りかぶろうとして腕を上げようとしたところ手が滑ってしまった。
スポッ
そして私の手を離れた剣は…。
ザクッ
「い、いやぁぁぁぁ。で、殿下の頭に剣が…」
「何という事だ。おい!すぐに大神官様を!」
「はっ…はっ!」
ドタドタドタ
兵士たちの足音が去っていくのが聞こえる。そして耳元ではエディンの声が響いていた。
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