思い出を木匙に預ける食堂娘と、悪夢を食べる真っ白な馬~追放先のフィヨルド村で、今夜もみんなの眠れない理由をいただきます~
i)登場人物の紹介
カイ
二十五歳の記憶術師。つらい記憶そのものではなく、そこにまとわりつく感情の重さを木の食器へ一晩だけ預けられる。本人の同意を何より大切にする、真面目で世話焼きな女性。
ユキムク
悪夢の霧を食べる真っ白な巨馬。威厳たっぷりなのに人参には弱く、悪夢を食べたあとは天気予報のようなげっぷをする。
ヴァス
閉店寸前の宿兼食堂「木匙亭」の店主。妻を雪崩で亡くして以来、店を畳もうとしていた。
ルエイ、チエイク、エヴイたち
金勘定に厳しい行商人、不器用で陽気な護衛、規則に厳しい衛生官など、癖は強いが温かな村人たち。木匙亭の食卓を通じ、カイと少しずつ支え合っていく。
ii)あらすじ
権力者から「都合の悪い記憶を永久に消せ」と命じられ、それを拒んだ記憶術師カイは、北方のフィヨルド村へ追放される。
濃霧の中で出会ったのは、なぜか彼女の靴をくわえて逃げる真っ白な巨馬ユキムク。追いかけた先には、「本日をもって閉店」と札を掲げた木匙亭があった。
カイの術は、人を忘れさせる力ではない。眠れないほどつらい感情の重さを木匙へ一晩だけ預け、夜明けには本人へ返す。その一晩に温かいものを食べ、眠り、誰かと話すための力だ。
カイとユキムクは木匙亭で、悪夢や後悔を抱えた村人たちを少しずつ迎え入れていく。
やがて見つかるのは、カイが十年前に異世界へ来た理由と、帰れなかった日の記憶につながる古いタペストリー。そして記憶術への規制によって、ようやく居場所になった木匙亭にも退去の危機が迫る。
「忘れる」のではなく、「今夜だけ休んで、明日また一緒に抱える」。
悪夢を食べる白馬と温かな料理、小さな助け合いを描く
カイ
二十五歳の記憶術師。つらい記憶そのものではなく、そこにまとわりつく感情の重さを木の食器へ一晩だけ預けられる。本人の同意を何より大切にする、真面目で世話焼きな女性。
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ヴァス
閉店寸前の宿兼食堂「木匙亭」の店主。妻を雪崩で亡くして以来、店を畳もうとしていた。
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やがて見つかるのは、カイが十年前に異世界へ来た理由と、帰れなかった日の記憶につながる古いタペストリー。そして記憶術への規制によって、ようやく居場所になった木匙亭にも退去の危機が迫る。
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