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「生贄なら、役立たずのお姉様で十分よ」
伯爵家の長女リネットは、母を亡くしてから台所に立ち続け、家族からは「台所の匂いのする娘」と疎まれてきた。婚約者を妹に奪われた翌朝、屋敷に竜王国の使者が舞い降りる。竜王の花嫁は食べられてしまう――そう噂される竜の国へ、リネットは妹の身代わりとして差し出されることに。
持っていけたのは、母の形見の片手鍋ひとつだけ。
たどり着いた竜王国で待っていたのは、何を食べても灰の味しかしない呪いに蝕まれた竜王カイゼル。ところが、リネットが夜の厨房で煮たスープだけは、なぜか味がして――。
「明日も作れ。明後日も。ずっとだ」
自分は身代わりの料理番だと思い込むリネットと、一年前の雪の夜からずっと彼女を探していた不器用な竜王。母のレシピとあたたかいスープが、竜の国の食卓と二人の心をゆっくり満たしていく、じれじれ溺愛ファンタジー。
文字数 38,016
最終更新日 2026.11.04
登録日 2026.11.04
「〈穴掘り〉? 伯爵家の恥さらしめ。北の荒野の廃砦でもくれてやる。二度と戻るな」
グランツ伯爵家の三男アルトは、十五で授かったスキルが〈穴掘り〉だったせいで、三年間ずっと家の銀山で穴を掘らされてきた。そしてある日、あっさり追い出された。
行き先は、魔物しかいない北の辺境・ガルド荒野。押し付けられた廃砦の地下を掘ってみたら――
「やっと来たぁ! マスター! ルルにごはん(魔素)ください!!」
しゃべる迷宮核が出てきた。
どうやら〈穴掘り〉の正体は、ダンジョンを生み出す〈迷宮創造〉だったらしい。
宝箱のふりが下手すぎるミミック、骨がすぐ外れるガイコツ執事、罠に三回かかった方向音痴の女剣士。にぎやかな仲間とダンジョンを掘り進めていくうちに、なぜか冒険者が押しかけ、温泉が湧き、荒野に街ができていく。
一方そのころ。アルトがいなくなったグランツ銀山では、毎日のように落盤が起きていた。
※ざまぁは自業自得です。主人公は実家に戻りません。
文字数 40,033
最終更新日 2026.11.04
登録日 2026.11.04
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