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184.凄いユイゴさん達と、新しいハリセンのしまい方
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「そうです。この矢には私の魔力を流してあります。魔力によって、色々な使い方ができるのですよ」
アーティストさんがそう言って、矢を構えます。そして遊んだら片付けるって決めていたんだけど、黒い物の攻撃で片付ける事ができなくて。向こうの方に置きっぱなしになっていた、ぬいぐるみの方へ矢を放ちました。
ローレンスさんに貰った、大事なリス魔獣のぬいぐるみじゃなくて、他のウマ魔獣のぬいぐるみを出して遊んでたの。
矢はさっきのハリセンみたいに、ぬいぐるみに刺さったと思ったんだけど、刺さっていませんよって言われて。それですぐにアーティストさんが何かを引くような動作をしたら、矢と一緒にぬいぐるみがこっちに飛んできました。それを4回繰り返したアーティストさん。全員のぬいぐるみを取ってくれたよ。
「今のは私の魔力を流したまま、矢を放ったのですよ。そして矢に流している魔力をぬいぐるみにも流して、矢にぬいぐるみを付けます。ここまでは分かりますか?」
うんって頷く僕達。エイデンお兄ちゃんも頷いてたよ。お兄ちゃんもどういう矢なのか知らなかったみたい。何か僕達よりも目をキラキラさせて矢をじっと見てました。
「ぬいぐるみがしっかりとくっついたのを確認したら、私は流していた魔力を自分の方へ戻すように引っ張ります。イメージが大事ですので、先程は引っ張る動作をしました。そうすると矢が私の方に戻って来るので、物を取る事ができるのです」
『魔力でそんな事ができるの?』
「かなり長い時間、練習する必要があります。それに誰でもできるわけではありません。私達ハイエルフの中でもできる者はそういません。それと人間達が使っている矢ではおそらく無理かと。私達のは村で作られる特別な物なので」
「しゅごいねぇ」
『とっても難しい!』
『でもアーティストさんはできるなの!』
僕達がそう言ったら、笑った顔を見た事がなかったアーティストさんが、一瞬だけ笑った気が。
「私はイメージをしなければできませんが、ユイゴ様はイメージなどしなくとも、簡単に矢を使う事ができます。そうですね、私の倍は動きが早いですし、もしかするとあなた方には、いつ矢を放ったのか分からないかもしれません」
「ふあ!? しょんにゃにはやい!?」
『見えない矢、凄い!!』
『見てみたいなの! あっ、でも、見えないなの!』
僕達は向こうで、スノーラ達と話しをしているユイゴさんを見ます。そしてユイゴさんに向かって拍手。アーティストさんも凄いけど、そのアーティストさんよりも凄いなんて。僕も見てみたいなぁ。
僕達が拍手して見ているから、ユイゴさんが不思議な顔をして僕達を見てきたよ。そりゃあそうだよね。急に見られて拍手されたら、何?ってなるよね。でも今はお邪魔できないからこっちで拍手。
他にも飛ばして戻せる矢には、使い道がいっぱいあるみたいだけど。それは今度、もしお話しする時間があったら教えてくれるって。残念、もっとお話し聞きたかったけど、アーティストさんがユイゴさんに呼ばれてスノーラと交代。僕達はアーティストさんに、取ってくれてありがとうをしました。そうしたらまた変な顔になってたよ。ありがとう、何か変だったかな?
「しゅのー、あーてしゅとしゃん、しゅごかっちゃ! でも、ゆいごしゃんは、もっちょ、しゅごいの!」
『うん! 凄いんだって!』
『2人とも凄いなの!!』
『僕もあれ、やってみたいな』
『待て待て、何の話だ?』
「今、彼が使っていた弓の話しを聞いたのだけど…」
僕達の話しじゃ分からないって、エイデンお兄ちゃんが説明してくれました。ん? そう言えばアーティストさん、僕の話したこと、全部分かってたよね? スノーラでも今みたいに分からない事があるのに。
『そうか、さすがハイエルフだな。魔力を細かく操るのはなかなか大変なんだ。我はそんな面倒な事はやりたくない』
うんうん頷きながら、僕達のぬいぐるみを魔法でしまってくれます。それからお兄ちゃんはハリセンだけでも出しておく?って。どうしてか分からないけど、僕達が剣を付けているベルトを、みんなから集めました。
それからさささっとベルトに何かをして、すぐにまた僕達に付けてくれたんだけど。次はハリセンを集めるお兄ちゃん。ハリセンの手元の所、ゴソゴソと何かしていて、僕達は何をしているのか見ようと、前から見てみたり、横から見てみたり。何か付けてる?
「良し、これで良いかな?」
お兄ちゃんの前に並ぶ僕達。すぐにいつもみたいに右に剣を付けてくれます。でもその後が違いました。左側にも剣を付けるような物が付いていて、そこにハリセンを付けてくれたんだ。それのおかげで剣みたいに、ハリセンをしっかりとベルトに付けることが出来ました。
それとベルトに付けても落ちないようにね、剣には剣と持ち手の間に、支えるような物が付いてるでしょう? それがハリセンにもついていて、さっきお兄ちゃんはこれを付けてくれてたんだ。
「この部分はね、ガードって言うんだよ。剣についてるでしょう? 剣みたいにハリセンも持てた方が良いと思ってね」
あの支えみたいな物、ガードって言うんだって。今の僕達の格好は、右に剣、左にハリセン。まずは剣をシュッ!!と抜いてみて、それを元に戻して。次はハリセンをシュッ!!と出して、しまう時は剣よりもちょっと時間が掛かっちゃうけど、ちゃんとしまう事ができました。
ルリは僕達とちょっと違います。しまった時に剣とハリセンがクロスになってて、何か格好良いんだ。
でもね、ハリセンしまう時に先の方が開いてるでしょう? どうやってルリはしまうのかな?って思ってたら、ハリセンをしまうベルトの部分がちょっと違いました。
パチンッて金具?が内側に動くようになってて、それにはめる感じなの。だから取る時は剣と同じシュッと抜けば良くて、しまう時は上手く羽とクチバシを使ってパチンッてはめます。
僕もルリ達もニッコリ。だってハリセンはおもちゃだけど、武器だもんね。みんなでお兄ちゃんにありがとうをします。
「さっきのあれを見せられちゃね」
『まさか本当に武器になるとは、ルルリアの言ったことは本当だったな』
ディアブナスが復活して、みんなピリピリしてたけど、僕達はニコニコです。少しの間だったけど、嫌なこと全部忘れられたよ。それのおかげかな? 僕思ったんだ。きっと大丈夫ッて。
アーティストさんがそう言って、矢を構えます。そして遊んだら片付けるって決めていたんだけど、黒い物の攻撃で片付ける事ができなくて。向こうの方に置きっぱなしになっていた、ぬいぐるみの方へ矢を放ちました。
ローレンスさんに貰った、大事なリス魔獣のぬいぐるみじゃなくて、他のウマ魔獣のぬいぐるみを出して遊んでたの。
矢はさっきのハリセンみたいに、ぬいぐるみに刺さったと思ったんだけど、刺さっていませんよって言われて。それですぐにアーティストさんが何かを引くような動作をしたら、矢と一緒にぬいぐるみがこっちに飛んできました。それを4回繰り返したアーティストさん。全員のぬいぐるみを取ってくれたよ。
「今のは私の魔力を流したまま、矢を放ったのですよ。そして矢に流している魔力をぬいぐるみにも流して、矢にぬいぐるみを付けます。ここまでは分かりますか?」
うんって頷く僕達。エイデンお兄ちゃんも頷いてたよ。お兄ちゃんもどういう矢なのか知らなかったみたい。何か僕達よりも目をキラキラさせて矢をじっと見てました。
「ぬいぐるみがしっかりとくっついたのを確認したら、私は流していた魔力を自分の方へ戻すように引っ張ります。イメージが大事ですので、先程は引っ張る動作をしました。そうすると矢が私の方に戻って来るので、物を取る事ができるのです」
『魔力でそんな事ができるの?』
「かなり長い時間、練習する必要があります。それに誰でもできるわけではありません。私達ハイエルフの中でもできる者はそういません。それと人間達が使っている矢ではおそらく無理かと。私達のは村で作られる特別な物なので」
「しゅごいねぇ」
『とっても難しい!』
『でもアーティストさんはできるなの!』
僕達がそう言ったら、笑った顔を見た事がなかったアーティストさんが、一瞬だけ笑った気が。
「私はイメージをしなければできませんが、ユイゴ様はイメージなどしなくとも、簡単に矢を使う事ができます。そうですね、私の倍は動きが早いですし、もしかするとあなた方には、いつ矢を放ったのか分からないかもしれません」
「ふあ!? しょんにゃにはやい!?」
『見えない矢、凄い!!』
『見てみたいなの! あっ、でも、見えないなの!』
僕達は向こうで、スノーラ達と話しをしているユイゴさんを見ます。そしてユイゴさんに向かって拍手。アーティストさんも凄いけど、そのアーティストさんよりも凄いなんて。僕も見てみたいなぁ。
僕達が拍手して見ているから、ユイゴさんが不思議な顔をして僕達を見てきたよ。そりゃあそうだよね。急に見られて拍手されたら、何?ってなるよね。でも今はお邪魔できないからこっちで拍手。
他にも飛ばして戻せる矢には、使い道がいっぱいあるみたいだけど。それは今度、もしお話しする時間があったら教えてくれるって。残念、もっとお話し聞きたかったけど、アーティストさんがユイゴさんに呼ばれてスノーラと交代。僕達はアーティストさんに、取ってくれてありがとうをしました。そうしたらまた変な顔になってたよ。ありがとう、何か変だったかな?
「しゅのー、あーてしゅとしゃん、しゅごかっちゃ! でも、ゆいごしゃんは、もっちょ、しゅごいの!」
『うん! 凄いんだって!』
『2人とも凄いなの!!』
『僕もあれ、やってみたいな』
『待て待て、何の話だ?』
「今、彼が使っていた弓の話しを聞いたのだけど…」
僕達の話しじゃ分からないって、エイデンお兄ちゃんが説明してくれました。ん? そう言えばアーティストさん、僕の話したこと、全部分かってたよね? スノーラでも今みたいに分からない事があるのに。
『そうか、さすがハイエルフだな。魔力を細かく操るのはなかなか大変なんだ。我はそんな面倒な事はやりたくない』
うんうん頷きながら、僕達のぬいぐるみを魔法でしまってくれます。それからお兄ちゃんはハリセンだけでも出しておく?って。どうしてか分からないけど、僕達が剣を付けているベルトを、みんなから集めました。
それからさささっとベルトに何かをして、すぐにまた僕達に付けてくれたんだけど。次はハリセンを集めるお兄ちゃん。ハリセンの手元の所、ゴソゴソと何かしていて、僕達は何をしているのか見ようと、前から見てみたり、横から見てみたり。何か付けてる?
「良し、これで良いかな?」
お兄ちゃんの前に並ぶ僕達。すぐにいつもみたいに右に剣を付けてくれます。でもその後が違いました。左側にも剣を付けるような物が付いていて、そこにハリセンを付けてくれたんだ。それのおかげで剣みたいに、ハリセンをしっかりとベルトに付けることが出来ました。
それとベルトに付けても落ちないようにね、剣には剣と持ち手の間に、支えるような物が付いてるでしょう? それがハリセンにもついていて、さっきお兄ちゃんはこれを付けてくれてたんだ。
「この部分はね、ガードって言うんだよ。剣についてるでしょう? 剣みたいにハリセンも持てた方が良いと思ってね」
あの支えみたいな物、ガードって言うんだって。今の僕達の格好は、右に剣、左にハリセン。まずは剣をシュッ!!と抜いてみて、それを元に戻して。次はハリセンをシュッ!!と出して、しまう時は剣よりもちょっと時間が掛かっちゃうけど、ちゃんとしまう事ができました。
ルリは僕達とちょっと違います。しまった時に剣とハリセンがクロスになってて、何か格好良いんだ。
でもね、ハリセンしまう時に先の方が開いてるでしょう? どうやってルリはしまうのかな?って思ってたら、ハリセンをしまうベルトの部分がちょっと違いました。
パチンッて金具?が内側に動くようになってて、それにはめる感じなの。だから取る時は剣と同じシュッと抜けば良くて、しまう時は上手く羽とクチバシを使ってパチンッてはめます。
僕もルリ達もニッコリ。だってハリセンはおもちゃだけど、武器だもんね。みんなでお兄ちゃんにありがとうをします。
「さっきのあれを見せられちゃね」
『まさか本当に武器になるとは、ルルリアの言ったことは本当だったな』
ディアブナスが復活して、みんなピリピリしてたけど、僕達はニコニコです。少しの間だったけど、嫌なこと全部忘れられたよ。それのおかげかな? 僕思ったんだ。きっと大丈夫ッて。
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