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243.街について見た物、間に合え!!(カース視点)
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『イテテテ、久しぶりに本気を出したから、距離を見誤ったね』
周りを確認しようと、この辺りで1番大きな木にとまろうとして、行きすぎて枝に顔をぶつけてしまった。はぁ、これで何回目か。だんだんと感覚が戻ってきて、ここまで来るまでに、ぶつかる回数は減ったけどね。
森を出てから数時間、僕はもう街の近くまで来ていた。うん、やっぱり僕が本気を出せば、スノーラよりも早く飛べる。ただ、僕はそういうのはねぇ。やっぱり日の当たる場所で、ゴロゴロするのが性に合ってるよ。
今回だって、スノーラがささっと解決してくれていたら、僕はいつも通り今頃はゴロゴロしていたのに。
ただ…。流石にこの状況は不味いね。街へ近づくにつれて、闇の力がかなり強くなってきて、今では周りの気配が分からないほどに、闇が全てを覆ってしまっている。ほんの少しの時間でここまでとは。まったく、あの頃のようだ。いや、あの頃よりも悪い状況かな。
スノーラとあいつの、マサキとの事があって。スノーラの友として、2度とこんな事が起きなければ良いと思っていたけれど。どうしてスノーラに家族ができると、こうも問題が起きるのか。森からスノーラ達が出て行った時、今度こそ幸せな時間が続けば良いと、そう願ったんだけど。スノーラがあの子達と一緒にいる時のあの表情。本当に幸せそうで。
はぁ、まったく。マサキが命をかけて封印したのに、誰がその封印を解いたのか。奴が世界を支配すればこの世界なんてすぐになくなってしまう、そんな事分かっているはずだろうに。そうまでして奴を復活させ、何がしたいのか。
ディアブナスが完全に復活してしまった今、スノーラだけでは止められそうにないね。ただそうなると、ここで今、闇が止まっているということは、スノーラ以外にもこの闇を止めている、かなりの力の持ち主が共に戦っている筈だ。
さっき1度だけだけど、あいつの気配を感じたし。奴の闇のせいで気配が分からなくなっている今、一瞬だけ感じた気配だから、本当にそれがあいつ気配なのかは分からない。でも、あいつがいるなら、そのおかげで闇はまだここまでで止まっているんだろう。それか他にも止めている者達がいるか。
『お、あれがそうかな? 確かまっすぐに進んで右に少し曲がって、それからまた真っ直ぐ? いやぁ、久しぶりに森から出たから記憶がねぇ。ん? あれは…』
向こうの方に街が見えてきた。その街はどこよりも闇の力を強く感じ。あの街に奴、ディアブナスが居る事は間違いなだろう。そして街を覆っている結界と、それに群がる魔獣達。街を守っている結界からは、さまざまな力を感じる。どうも僕が思っていたよりもかなりの人数で、ディアブナスに対抗しているみたいだ。
『へぇ、魔法陣も発動してるんだ。取り敢えずディアブナスを止めて、後からどうするか考えるって感じかな』
大勢の者達の力で張られている街を守る結界、そしてそれに群がる魔獣達よりも外側に魔法陣が発動していて。それは昔、失敗してしまった魔法陣でもあるけれど、それでも1度はディアブナスを封印した魔法陣で。
確かにあれで止めておくって考えは良いね。ただ、ディアブナスの相手をしながら、ここの魔法陣をスノーラ達が発動させたとは思えない。しかもまだ魔法陣は不完全だ。誰かが何とか発動させたけど、全然魔力が足りていないって感じかな。
う~ん、そうだね。着いたら僕は魔法陣の方に行こうかな? まずは魔法陣を完成させることが大事だよね。
それと何処から入ろうか。せっかくの結界だ。僕が中へ入るために結界に穴を開けて、そこから魔獣が入ったら、結界を張った者達に文句を言われそうだよ。その辺からヒョイと入れてくれないかな?
何て考えているうちに、僕は街の中心の上空についた。森からここまで、結局数時間で着いた。う~ん、本当にどこから入ろうか。と、あれはハイエルフか? そうか彼らが来てくれてたんだね。スノーラとあいつと、ハイエルフ達。だからここまでもったのか。
さてさて、ディアブナスは何処だろうね。おっ、あれか。相変わらずの禍々しい力だね。ん? おいおい、何やってるだ! 危ないだろう、って言うかスノーラは何してるんだ。
僕は急いで入る場所を探す。そのまま入っても良いけど、あっちに魔獣達を入れるような穴は開けたく無い。余計な敵を増やしたいくないからね。僕が中へ入ればあそこまでは一瞬で着くんだから、ハイエルフ達には悪いけど穴を…。
そう思っている時だった。たまたま結界に穴を開けた魔獣達が、街の中へと入って行き。結界は何度も修復しているようだけど、あそこはどこよりも弱くなっていたみたいだ。ちょうど良い、あそこから入らせてもらおう。そして全速力であの子の所に。全く着いてそうそう、この状況だなんてね。
僕は穴の開いた方へ向かう、あまり早く飛ぶと中に入れずに通り過ぎることになるから、ここだけは普通に飛んだ。次々に入ろうとする魔獣達をささっと倒しながら、結界の中へ入れば。それと同時に結界が修復され。危ない危ない、ギリギリだった。
そして中へ入るとすぐ近くにいたハイエルフ達と目が合った。僕が誰かすぐに分かったようで、攻撃をされる事はなく良かったよ。
僕はディアブナスがいる方を見る、そして一直線にあの子の所へ向かった。
一瞬だ。僕はそれだけ速く飛べるのだから。バレていなければ、一瞬で助ける事ができる。スノーラのためにもスノーラの家族を助けないと。もう彼があの悲しみの中で生きるのは見たくないからね。もちろん後でお礼はしてもらうけど。
見えた! 良し、気づいていない! 今だ!!
周りを確認しようと、この辺りで1番大きな木にとまろうとして、行きすぎて枝に顔をぶつけてしまった。はぁ、これで何回目か。だんだんと感覚が戻ってきて、ここまで来るまでに、ぶつかる回数は減ったけどね。
森を出てから数時間、僕はもう街の近くまで来ていた。うん、やっぱり僕が本気を出せば、スノーラよりも早く飛べる。ただ、僕はそういうのはねぇ。やっぱり日の当たる場所で、ゴロゴロするのが性に合ってるよ。
今回だって、スノーラがささっと解決してくれていたら、僕はいつも通り今頃はゴロゴロしていたのに。
ただ…。流石にこの状況は不味いね。街へ近づくにつれて、闇の力がかなり強くなってきて、今では周りの気配が分からないほどに、闇が全てを覆ってしまっている。ほんの少しの時間でここまでとは。まったく、あの頃のようだ。いや、あの頃よりも悪い状況かな。
スノーラとあいつの、マサキとの事があって。スノーラの友として、2度とこんな事が起きなければ良いと思っていたけれど。どうしてスノーラに家族ができると、こうも問題が起きるのか。森からスノーラ達が出て行った時、今度こそ幸せな時間が続けば良いと、そう願ったんだけど。スノーラがあの子達と一緒にいる時のあの表情。本当に幸せそうで。
はぁ、まったく。マサキが命をかけて封印したのに、誰がその封印を解いたのか。奴が世界を支配すればこの世界なんてすぐになくなってしまう、そんな事分かっているはずだろうに。そうまでして奴を復活させ、何がしたいのか。
ディアブナスが完全に復活してしまった今、スノーラだけでは止められそうにないね。ただそうなると、ここで今、闇が止まっているということは、スノーラ以外にもこの闇を止めている、かなりの力の持ち主が共に戦っている筈だ。
さっき1度だけだけど、あいつの気配を感じたし。奴の闇のせいで気配が分からなくなっている今、一瞬だけ感じた気配だから、本当にそれがあいつ気配なのかは分からない。でも、あいつがいるなら、そのおかげで闇はまだここまでで止まっているんだろう。それか他にも止めている者達がいるか。
『お、あれがそうかな? 確かまっすぐに進んで右に少し曲がって、それからまた真っ直ぐ? いやぁ、久しぶりに森から出たから記憶がねぇ。ん? あれは…』
向こうの方に街が見えてきた。その街はどこよりも闇の力を強く感じ。あの街に奴、ディアブナスが居る事は間違いなだろう。そして街を覆っている結界と、それに群がる魔獣達。街を守っている結界からは、さまざまな力を感じる。どうも僕が思っていたよりもかなりの人数で、ディアブナスに対抗しているみたいだ。
『へぇ、魔法陣も発動してるんだ。取り敢えずディアブナスを止めて、後からどうするか考えるって感じかな』
大勢の者達の力で張られている街を守る結界、そしてそれに群がる魔獣達よりも外側に魔法陣が発動していて。それは昔、失敗してしまった魔法陣でもあるけれど、それでも1度はディアブナスを封印した魔法陣で。
確かにあれで止めておくって考えは良いね。ただ、ディアブナスの相手をしながら、ここの魔法陣をスノーラ達が発動させたとは思えない。しかもまだ魔法陣は不完全だ。誰かが何とか発動させたけど、全然魔力が足りていないって感じかな。
う~ん、そうだね。着いたら僕は魔法陣の方に行こうかな? まずは魔法陣を完成させることが大事だよね。
それと何処から入ろうか。せっかくの結界だ。僕が中へ入るために結界に穴を開けて、そこから魔獣が入ったら、結界を張った者達に文句を言われそうだよ。その辺からヒョイと入れてくれないかな?
何て考えているうちに、僕は街の中心の上空についた。森からここまで、結局数時間で着いた。う~ん、本当にどこから入ろうか。と、あれはハイエルフか? そうか彼らが来てくれてたんだね。スノーラとあいつと、ハイエルフ達。だからここまでもったのか。
さてさて、ディアブナスは何処だろうね。おっ、あれか。相変わらずの禍々しい力だね。ん? おいおい、何やってるだ! 危ないだろう、って言うかスノーラは何してるんだ。
僕は急いで入る場所を探す。そのまま入っても良いけど、あっちに魔獣達を入れるような穴は開けたく無い。余計な敵を増やしたいくないからね。僕が中へ入ればあそこまでは一瞬で着くんだから、ハイエルフ達には悪いけど穴を…。
そう思っている時だった。たまたま結界に穴を開けた魔獣達が、街の中へと入って行き。結界は何度も修復しているようだけど、あそこはどこよりも弱くなっていたみたいだ。ちょうど良い、あそこから入らせてもらおう。そして全速力であの子の所に。全く着いてそうそう、この状況だなんてね。
僕は穴の開いた方へ向かう、あまり早く飛ぶと中に入れずに通り過ぎることになるから、ここだけは普通に飛んだ。次々に入ろうとする魔獣達をささっと倒しながら、結界の中へ入れば。それと同時に結界が修復され。危ない危ない、ギリギリだった。
そして中へ入るとすぐ近くにいたハイエルフ達と目が合った。僕が誰かすぐに分かったようで、攻撃をされる事はなく良かったよ。
僕はディアブナスがいる方を見る、そして一直線にあの子の所へ向かった。
一瞬だ。僕はそれだけ速く飛べるのだから。バレていなければ、一瞬で助ける事ができる。スノーラのためにもスノーラの家族を助けないと。もう彼があの悲しみの中で生きるのは見たくないからね。もちろん後でお礼はしてもらうけど。
見えた! 良し、気づいていない! 今だ!!
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