上 下
205 / 211
連載

339 嬉しいこと楽しいことがいっぱい

しおりを挟む
 お仕置きができるっていうのは何となく分かったルリ達。でもいまいち分かっていないところもあって、お仕置きしても良いのに、みんなあんまり喜んでいません。
 それを見ていたスノーラがこれわダメだって、みんなに分かるように、もう少し簡単に説明してくれました。

 それでようやく、しっかりと理解したルリ達。その後はもう大盛り上がり。どんなお仕置きしてもらうか。もちろんこの前のジャガルド達を運んできた、あの半透明ボールジャンプお仕置きはしてもらうけど、他にも色々してもらおうって、みんなとってもニコニコだよ。

 そんなルリ達を見ていたお父さん達とジュエイムソンさんは、ちょっと苦笑いをしていました。ジュエイムソンさんは、こんなに盛り上がるなんて思っていなかったとも。みんなずっと、お仕置きできるか心配していたもんね。

 その後も話しは続いて、お仕置き以外のことが色々決まりました。これから馬車をどこに運んで、どこからジャガルド達を馬車に乗せるか。ほら、大丈夫だとは思うけど、馬車に乗るまでに何かあったらダメだからね。

 それに住民達がジャガルド達が運ばれるのを見に来て、集まりすぎて道が塞がっちゃったら? そしてその中に、ジャガルドを助けようとする人達がいたら?
 もちろんこれもドラゴンお父さんや、特別な馬車のおかげで大丈夫なはずだけど。その悪い人達のせいで、住民に怪我人が出るといけなし、人質に取られて交渉に使われたら大変。

 結局ジャガルドの運び方の話し合いと準備を、明日と明後日でやる事に。だからすぐにお仕置きじゃなくて、明後日にお仕置きを見られる事になりました。

 それでね、スノーラは始め、明後日のお仕置きって聞いて、ルリ達が早くって言うかと思ったみたいなんだけど。でもルリ達もちょうど良いって。何でかって言うと、どんなお仕置きをしてもらうか、これから考えないといけないからだって。

「くくく。はぁ、本当に楽しみにしていたんだな。陛下がお許しくださって良かった。このままお仕置きなしだったら、俺はこのチビ達に襲われてただろうな」

「みんな被害者だからな。さて、これからの事について話しを…」

 僕達は自分の部屋で、そしてお父さん達はお父さんの仕事の部屋で、それぞれ話し合いをしようと、お家に入ろうとした時でした。スレイブさんが訪ねてきました。僕とルリ達に用事だって。だからその場で話しを聞くことに。

 でもルリ達は最初、ほとんどスレイブさんの話しを聞いていなかったと思ったよ。だって話しを聞いているようで、お仕置きの話しをやめていなかっただもん。

「一応は確認も終わっていて、もう大人は入れるようになっているんですが。も少しすれば子供もいつものようの入れるようになるかと。それで今まで色々大変な事がありすぎたので、レン君達に少しでも楽しんでもらえればと。……まぁ、今も別の事で楽しそうですが」

「ああ、そっちは気にしないでくれ。それとそっちの事だが、そういえばそろそろだったな。また面倒かけると思うが頼む」

「はい」

 え? 何々? 楽しいこと?

「レン君に、ルリ、アイス。新しい仲間も一緒に、また洞窟探検に行きませんか?」

 おお!! スレイブさんと洞窟探検!! この前の洞窟探検、とっても楽しかったもんね。それにスレイブさんに、苔を取るヘラも貰ったし。あれからまだ1回も洞窟探検に行けていないもん。

『探検!?』

『洞窟!?』

『わぁ、2回目の洞窟探検だね!!』

『何々? 洞窟探検だって?』

『洞窟……、僕達時々洞窟で暮らしてた』

 お仕置きの話しをし続けていたルリ達が、一斉にスレイブさんの周りに集まりました。

「おや、ちゃんと話しを聞いていたんですね」

 ね、ちゃんと話し聞いてたんだね。お仕置きの話しで聞いてないと思ったのに。

『洞窟探検って何するの?』

 ブローとフーリが聞いてきて、ルリ達が洞窟探検について、鼻息荒く説明を始めました。それで話しを聞いたブロー達は、面白いそうって。

 それからブロー達は洞窟に住んでいたでしょう? だから洞窟に詳しいけど。僕達がしたような冒険はしたことないから楽しみだって。生活に必要なこと以外、何もしていなかったみたいだよ。

「では、みなさんお仕置きが終わって、ジャガルド達が無事にこの街から運ばれたら、時間を合わせて洞窟探検に行きましょう。そうですね、ブローとフーリにもヘラを用意しておきますね」

『本当!? やったねフーリ!!』

『うん!!』

 ジャガルド達のお仕置きに、洞窟探検まで決まって、ルリ達はさらに大盛り上がり。一気に楽しみなことが決まりました。ヘラは綺麗のして、スノーラにしまっておいてもらったど、行く前にちゃんとチェックしなくちゃ。

 みんなでスレイブさんに、よろしくお願いしますをしました。

「怪我をしないように楽しみましょうね。では私はこれで。…と、あの話をしないと。ローレンス様、1つお願いがあるのですが」

「何だ?」

「すみませんが、少しの間バディーをお借りしてもよろしいでしょうか?」

「バディーを? 別にかまわないが。バディーも良いか?」

『ああ』

「ではバディーがいい時に、私の所へ来てもらっても良いですか?」

『ああ。まぁ、大体予想はできているが』

 こうしてバディーに何かをお願いしたスレイブさんは帰っていきました。バディーに用事って何だろうね。

 ちょっと気になったけど、部屋に戻って僕達はお仕置きと洞窟探検の話しを。お父さん達もこれからの話しをしに仕事の部屋へ。

『ねぇ、それでお仕置きだけどさ』

『あ、そのお仕置き良いかも。それでさ、洞窟探検の方だけど…』

『いつも思うのだが』

『何だ?』

『小さな者というのか、これくらいの子供達というのか、なぜこんなことができるのかと思う』

『こんなこと?』

『今回は2つのことだが。色々な話しをいっぺんにするだろう? よくそれで話しができると思ってな』

『ああ、そういことか。確かに不思議だ』

『そういえば森にいる子達もそうだね』

『今もお仕置きの話しをしているのに、突然洞窟探検の話しをしただろう。これは子供にだけ授かっている能力なのか?』

『我らには真似できんな』
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

さよならイクサ

現代文学 / 完結 24h.ポイント:894pt お気に入り:0

不撓不屈

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:2,137pt お気に入り:1

ある工作員の些細な失敗

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:1,618pt お気に入り:0

1人の男と魔女3人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:369pt お気に入り:1

恋と鍵とFLAYVOR

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:269pt お気に入り:7

愛及屋烏

BL / 連載中 24h.ポイント:198pt お気に入り:5

川と海をまたにかけて

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:0

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。