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第1章 パーティー結成編
11、依頼受注
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次の日の朝。俺は日が昇ると同時に目が覚めて、朝からストレッチで体をほぐした。今日からはとにかく体が資本だから、壊さないように注意をしないといけない。
「うぅ~ん、昨日はどうなることかと思ったけど、人生って何が起きるか分からないな」
一日経って少し冷静になってきた俺は、改めて自分のスキルのことを考えた。俺のスキルって、どのぐらい希少で凄いものなんだろうか。
想像できないぐらい凄いってことは分かるけど、具体的に広まったらどうなるのか想像ができない。まだスキルのことも完全に分かったわけじゃないからな……。
「あんまり広めないほうがいいのかな」
フィーネと仲間にならなければ、変質させた素材で稼ぐしかなかったから、スキルを隠すという選択肢はなかった。
でもフィーネと仲間になった今、無理に素材をたくさん作り出して稼ぐ必要はないし、そもそも変質させた素材を売っても採取したことを疑われない。
昨日だって森の中にある素材をたくさん売却したけど、隣にフィーネたちがいたことでなんの疑問も抱かれなかった。
フィーネはテイマーでリルンは見るからに強いから、森の奥の素材だって普通に採取してきたんだなと思われるはずだ。
それなら……わざわざ明かす必要はないか。
絶対に隠したいというほどじゃないけど、とりあえず明かさない方向でいくかな。
そんなことを考えながらストレッチを終えて、朝食の時間になったことで食堂まで下りた。
「エリク、おはよう」
食堂に入るとすでにフィーネが席に着いていて、爽やかな笑みを浮かべながら手を振ってくれる。テーブルの上にはちょこんと座ったラトがいて、ファムの実を美味しそうに食べていた。
「おはよう。待ったか?」
「ううん、さっき来たところだから大丈夫。今日の朝ご飯はシチューだってよ」
「おおっ、楽しみだな」
店員に宿泊してることを示すために部屋の鍵を見せて、それぞれ一人分の食事を受け取った。シチューからは湯気が立っていて、食欲を刺激されるいい香りが鼻に届く。
「そういえば、さっき考えてたんだけど……」
美味しいシチューで幸せを感じながらスキルの話をすると、フィーネは俺の意見に概ね同意してくれた。
「エリクのスキルは欲しがる人も多いと思う。面倒ごとを避けたいなら明かさないのが無難かもね」
「やっぱりそうだよな」
「うん。希少素材を手に入れても不思議に思われないためにも、高ランクを目指そうか」
「確かにそうだな。頑張るか」
そんな結論に達して朝食を食べ切った俺たちは、さっそく宿を出てギルドに向かうことにした。
リルンとも合流してギルドの中に入ると、中にはかなりの数の冒険者がひしめき合っている。
「……こんなに混んでるのが普通なのか?」
「うん。いつもこんな感じかな」
「マジか……それって帰りも?」
「帰って夕方ってことだよね? 夕方も同じぐらい混んでることが多いよ。皆が荷物を持ってるから、もっと混み合ってるように感じるかも」
それは危険だな……採取前の素材に触れるといい方向に変質することが分かったとはいえ、採取後の素材を劣化させてしまうのは変わらないのだ。
混み合ってる時間のギルドでは細心の注意を払おう。両手で変質後の素材をいつも持ってるようにするべきかもしれないな。
そんなことを考えつつギルド内を進み、依頼が貼られている掲示板の前にやってきた。
「どれにしようか。パーティーとしてはFランクだから、受けられるのはEランクまでだよね」
パーティーランクは例えば個人のランクがBの人たちが新たにパーティーを組んだ場合は、基本的にそのランクが考慮されて最初のランクが決まる。
ただ俺たちみたいにFランクが仲間にいたり、他の仲間のランクもそこまで高いわけじゃない場合は、考慮されずに一番下からなのだ。
「あっ、この辺とかどう?」
フィーネが手にしたのは、Eランクに割り振られた依頼の一つだ。依頼内容にはレッドスネークの皮の納品、三枚と書かれている。
「俺は魔物討伐に関して何も分からないから任せるよ。フィーネの方がリルンたちの実力を分かってるだろうし」
「了解。じゃあ……後はこれと、これもいけるかも」
最終的にフィーネが手にしたのは、三枚の依頼票だ。どれも魔物の討伐で、種類は全く被っていない。
「そんなに一度に受けられるなんて凄いな」
「Eランクの依頼で全部弱い魔物だからね。近くの森にいるだろうし、三つぐらいは余裕だよ。エリクは何か受けたい依頼はある?」
「うーん、俺は微妙なんだよな」
素材変質でいい素材が手に入るとは言っても、どの素材に変質するのかまだ全然把握できていない。
「とりあえず、ヒール草の採取依頼だけ受けておきたいかな」
ヒール草ならあのどこにでもある雑草を変質させれば手に入るし、確実に達成できるだろう。
「了解。じゃあこの四つだね」
四枚の依頼票を手にした俺たちは、依頼の受注受付を済ませてギルドを後にした。
「うぅ~ん、昨日はどうなることかと思ったけど、人生って何が起きるか分からないな」
一日経って少し冷静になってきた俺は、改めて自分のスキルのことを考えた。俺のスキルって、どのぐらい希少で凄いものなんだろうか。
想像できないぐらい凄いってことは分かるけど、具体的に広まったらどうなるのか想像ができない。まだスキルのことも完全に分かったわけじゃないからな……。
「あんまり広めないほうがいいのかな」
フィーネと仲間にならなければ、変質させた素材で稼ぐしかなかったから、スキルを隠すという選択肢はなかった。
でもフィーネと仲間になった今、無理に素材をたくさん作り出して稼ぐ必要はないし、そもそも変質させた素材を売っても採取したことを疑われない。
昨日だって森の中にある素材をたくさん売却したけど、隣にフィーネたちがいたことでなんの疑問も抱かれなかった。
フィーネはテイマーでリルンは見るからに強いから、森の奥の素材だって普通に採取してきたんだなと思われるはずだ。
それなら……わざわざ明かす必要はないか。
絶対に隠したいというほどじゃないけど、とりあえず明かさない方向でいくかな。
そんなことを考えながらストレッチを終えて、朝食の時間になったことで食堂まで下りた。
「エリク、おはよう」
食堂に入るとすでにフィーネが席に着いていて、爽やかな笑みを浮かべながら手を振ってくれる。テーブルの上にはちょこんと座ったラトがいて、ファムの実を美味しそうに食べていた。
「おはよう。待ったか?」
「ううん、さっき来たところだから大丈夫。今日の朝ご飯はシチューだってよ」
「おおっ、楽しみだな」
店員に宿泊してることを示すために部屋の鍵を見せて、それぞれ一人分の食事を受け取った。シチューからは湯気が立っていて、食欲を刺激されるいい香りが鼻に届く。
「そういえば、さっき考えてたんだけど……」
美味しいシチューで幸せを感じながらスキルの話をすると、フィーネは俺の意見に概ね同意してくれた。
「エリクのスキルは欲しがる人も多いと思う。面倒ごとを避けたいなら明かさないのが無難かもね」
「やっぱりそうだよな」
「うん。希少素材を手に入れても不思議に思われないためにも、高ランクを目指そうか」
「確かにそうだな。頑張るか」
そんな結論に達して朝食を食べ切った俺たちは、さっそく宿を出てギルドに向かうことにした。
リルンとも合流してギルドの中に入ると、中にはかなりの数の冒険者がひしめき合っている。
「……こんなに混んでるのが普通なのか?」
「うん。いつもこんな感じかな」
「マジか……それって帰りも?」
「帰って夕方ってことだよね? 夕方も同じぐらい混んでることが多いよ。皆が荷物を持ってるから、もっと混み合ってるように感じるかも」
それは危険だな……採取前の素材に触れるといい方向に変質することが分かったとはいえ、採取後の素材を劣化させてしまうのは変わらないのだ。
混み合ってる時間のギルドでは細心の注意を払おう。両手で変質後の素材をいつも持ってるようにするべきかもしれないな。
そんなことを考えつつギルド内を進み、依頼が貼られている掲示板の前にやってきた。
「どれにしようか。パーティーとしてはFランクだから、受けられるのはEランクまでだよね」
パーティーランクは例えば個人のランクがBの人たちが新たにパーティーを組んだ場合は、基本的にそのランクが考慮されて最初のランクが決まる。
ただ俺たちみたいにFランクが仲間にいたり、他の仲間のランクもそこまで高いわけじゃない場合は、考慮されずに一番下からなのだ。
「あっ、この辺とかどう?」
フィーネが手にしたのは、Eランクに割り振られた依頼の一つだ。依頼内容にはレッドスネークの皮の納品、三枚と書かれている。
「俺は魔物討伐に関して何も分からないから任せるよ。フィーネの方がリルンたちの実力を分かってるだろうし」
「了解。じゃあ……後はこれと、これもいけるかも」
最終的にフィーネが手にしたのは、三枚の依頼票だ。どれも魔物の討伐で、種類は全く被っていない。
「そんなに一度に受けられるなんて凄いな」
「Eランクの依頼で全部弱い魔物だからね。近くの森にいるだろうし、三つぐらいは余裕だよ。エリクは何か受けたい依頼はある?」
「うーん、俺は微妙なんだよな」
素材変質でいい素材が手に入るとは言っても、どの素材に変質するのかまだ全然把握できていない。
「とりあえず、ヒール草の採取依頼だけ受けておきたいかな」
ヒール草ならあのどこにでもある雑草を変質させれば手に入るし、確実に達成できるだろう。
「了解。じゃあこの四つだね」
四枚の依頼票を手にした俺たちは、依頼の受注受付を済ませてギルドを後にした。
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