「ヴァンパイアボクサー」
長身百八十五センチメートル、不老不死の吸血鬼。幾千年の退屈な永劫を生きてきた男が選んだのは、己の肉体を極限まで削り落とし、契約上の限界値・五十五・三三八キログラムのライトフェザー級で戦うプロボクサーの道だった。水分はおろか血の一滴すら絶つ「絶血減量」。干し肉のように削ぎ落とされた肉体、落ちくぼんだ眼腔、剥ぎ取られた余裕。超満員の後楽園ホール、立ち込める熱気と熱線の中でゴングが鳴り響く。目の前で打ち打つ対戦相手の灼熱の頚動脈。濃厚な血液の鼓動。密着したクリンチの瞬間、数千年の野性が叩き起こす猛烈な吸血衝動が襲いかかる。だが、男はその内なる化け物を狂気の意志で踏みにじる。「俺は怪物としてではない??一人のプロボクサーとして戦う」怪物ゆえの圧倒的な力を捨て、人間と同じルール、同じ激痛に身を投じることでしか得られない「生の質感」。乾ききった拳と純粋な誇りが激突する、凄惨で気高き拳闘アクションファンタジー!
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