沖田氏縁者異聞
わたしは、狡い。
土方さまと居るときは総司さんを想い、総司さんと居るときは土方さまに会いたくなる。
この優しい手に触れる今でさえ、潤む瞳の奥では・・・・・・。
僕の想いなんか蓋をして、錠を掛けて捨ててしまおう。
この胸に蔓延る、嫉妬と焦燥と、独占を夢みる欲望を。
どうして俺は必死なんだ。
弟のように大切な総司が、惹かれているであろう最初で最後の女を取り上げようと。
置屋で育てられた少女・月野が初めて芸妓としてお座敷に出る日の二つの出逢い。
不思議な縁を感じる青年・総司と、客として訪れた新選組副長・土方歳三。
それぞれに惹かれ、揺れる心。
新選組史に三様の想いが絡むオリジナル小説です。
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
月が照らす野原を
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