夜明けのカディ

イヴォルブ。それは土、風、水、木。この世のありとあらゆる物質を装甲やエネルギーに変換し、具現する巨大人型機動兵器。

蒼のイヴォルブ、ルオーケイルを駆る青年カディは、相棒のスレッドとともに旅を続けていた。

故郷を焼かれたカディは、第二の故郷と出会い、そこで穏やかに過ごしていく……はずだった。

すべてが色鮮やかに映る日々、親しい友や美味い飯、安寧の中にいようとも、ふとしたことで思い出し、どす黒く燃え上がる。どこで生き、どれほど過ごそうとも消せぬ炎。それはかつて、自身の故郷を焼き払ったものからつけられた、呪いにも似た記憶。

カディは消せない炎を鎮めるため、故郷を奪った存在へと牙を向ける。

これは大切なものを奪われたカディが紡ぐ、復讐と反抗の物語。
悪も正義もない。ただ己の魂を鎮めるためだけに、カディは進む。
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