〜espoir〜五つ星オーベルジュのオーナーだなんて、こんな僕には向いてません!
寒い。お腹空いた。むしろ眠い。帰りたい。サッとシャワー浴びて、カップ麺でも何でもいいからガッとお腹に入れて、コンビニで買った缶チューハイをパッと煽って、バタンと布団に横になって眠りたい。
28歳。フリーター。つまり無職。職歴無し。そんな僕が、レストランとして三つ星、ホテルとしては五つ星を5年連続で獲得してきた老舗オーベルジュ『espoir』のオーナーになるだなんて。僕自身、今だに信じられないんだから。
こんな、何者でもない僕が、世界中から熱視線を浴びる名だたるスタッフを率いる何者かになれるなんて信じられないし、荒唐無稽な話でしかないのに。
お金がなくてもいい。困難でもいい。ただ、明確で確固とした当たり障りのない自由が欲しい。そうして選んできた人生の道程。だけど、結局僕はまだ、こうして過去に囚われている。
父の遺言。
"色褪せぬ希望を、お前に託す"
……まぁ、まだあの人、亡くなって無いけどね。
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