恋はあせらず
暖かく優しい風と共に甘い香りが鼻をくすぐる。
「恋はあせっちゃダメよ」
ドライヤーの風切音を超えてママの声が優しく耳に届く。
「ゆっくりと時間をかけて育めばいいの」
三面鏡と仲良しな、まあるくて柔らかい椅子。ママが綺麗になる魔法の椅子。
ママのお化粧道具でイタズラするから勝手に座るとしかられるけれど、お風呂上がりにはいつもお尻を優しく包んでくれる。
床に届かない足をぶらつかせた私にとって、それはすごく幸せな時間。
「なぜって?素敵な恋はそう簡単には訪れないものよ」
暖かい風と共に髪の間をジグザグに指が動く。
忙しなく動いていた手は最後にそっと肩に触れる。
「与え与えられる事に幸せを感じられたらそれが恋よ」
優しく微笑むママの顔は鏡の奥まで続いていた。
お陰様で私、宇佐美 鈴香は恋愛に対して不器用に育ちました。
「恋はあせっちゃダメよ」
ドライヤーの風切音を超えてママの声が優しく耳に届く。
「ゆっくりと時間をかけて育めばいいの」
三面鏡と仲良しな、まあるくて柔らかい椅子。ママが綺麗になる魔法の椅子。
ママのお化粧道具でイタズラするから勝手に座るとしかられるけれど、お風呂上がりにはいつもお尻を優しく包んでくれる。
床に届かない足をぶらつかせた私にとって、それはすごく幸せな時間。
「なぜって?素敵な恋はそう簡単には訪れないものよ」
暖かい風と共に髪の間をジグザグに指が動く。
忙しなく動いていた手は最後にそっと肩に触れる。
「与え与えられる事に幸せを感じられたらそれが恋よ」
優しく微笑むママの顔は鏡の奥まで続いていた。
お陰様で私、宇佐美 鈴香は恋愛に対して不器用に育ちました。
あなたにおすすめの小説
【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。
【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します
「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
三年前、私は婚約者を捨てた
三年前、私は婚約者を捨てた。
嫌いになったわけではない。
他に好きな人ができたわけでもない。
ただ、彼の母に言われたのだ。
「あなたは、怜司を幸せにできますか」
その一言に答えられなかった美桜は、医師である婚約者・怜司の未来を壊すことが怖くなり、理由も告げずに東京を離れた。
誰も知らない海沿いの街で、ひとり静かに暮らす三年間。
忘れたかった。
でも、怜司の番号だけは消せなかった。
そしてある夜、かけるつもりのなかった電話が、三年ぶりに彼へつながってしまう。
愛していたから逃げた女と、置き去りにされても待ち続けた男。
発車ベルに消したはずのさよならが、もう一度、二人の時間を動かしはじめる。
切なくて、静かで、やさしい再会の恋愛短編。
毎夜、幼馴染の元へ通う夫へ。完璧な妻の仮面は返上いたします
社交界で「理想の夫婦」と称えられるグランヴェル伯爵夫妻。だが実態は、毎夜幼馴染の愛人の元へ通う夫レオナルドと、一人冷たいベッドで眠るアメリアの「白い結婚」だった。
愛人に金品を貢ぎ、妻を「冷たい飾り」と見下す夫。しかし彼は知らなかった。己が誇る「優秀な領地経営」を担っていたのが、アメリアの頭脳だったことを――。
限界を迎えたアメリアの知的な罠が弾ける時、偽りの夫と愛人に完膚なきまでの絶望が襲いかかる!
※ハッピーエンド保障
※5話完結
【完結】悪役令嬢が愛されている場合、断罪フラグは勝手にバキバキ折れるらしい【全23話+おまけ2話】
題名変更しています。
旧:悪役令嬢は折られたフラグに気が付かない
エドウィン王子から婚約破棄されて、修道院でいじめ抜かれて死んでしまう予知夢を見た公爵令嬢アデリアーナは、男爵令嬢のパナピーアに誘惑されてしまうはずの攻略対象者との出会いを邪魔して、予知夢を回避できるのか試そうとする。
婚約破棄への道を自分で潰すつもりなのに、現実は何だか予知夢の内容とどんどんかけ離れて、知らないうちに話が進んでいき……。
宰相インテリ子息、騎士団長の脳筋子息、実家を継ぐために養子になったわんこ系義弟、そして婚約者の王太子エドウィンが頑張る話。
あるいは、電波系ヒロインがドツボにハマっていく話。
*リハビリに短編を書く予定が中編くらいになってしまいましたが、すでにラストまで書き終えている完結確約作品です。全23話+おまけ2話、よろしくお願いします。
*短い期間ですがHOTランキング1位に到達した作品です。