ビッチ令嬢と副団長

香月みまり

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ミリアーナside

昇任だと!?

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ある日唐突に辞令が降りた。


右の者、副団長補佐に任命す。



何ですと!?

辞令の紙を手に、ワナワナと震えた。



なぜ、このタイミング!?

そしてなぜ私!?

バンと机に用紙を叩きつけて、今し方それを私に手渡した男を睨みつけた。


「異論はみとめん」

いつも通り、沢山の書類に囲まれて、少し不機嫌な副隊長は、私の言葉を待たずに、バッサリと言い切った。



「なんで!?」

しかし、そんな事で引き下がる私ではない。
だって今まで第4には副団長補佐なんて役職は無かったのだ!(ほかの団にはあるところもある)

それを突然!しかも私!?


納得いかない。しかも副団長補佐ということは、フィルと共に過ごす時間が増えると言うことで。


それは色々辛い。

ガタンと手にしていたペンを机に置いた彼が大きく深い息を吐いた。

「隊長が仕事をしなさすぎる!おかげで、おれは隊の事務処理に追われていて、隊長の外部での仕事に付き添えない。そうなると王宮にも出向けるもので見目が整ったもの、身分があって、失礼のない振る舞いができる人間が補佐に必要なんだ。
色々考えた結果、お前が適任だと言う事になった。もちろん事務処理もやってもらう」



「っ、、お断りします!」

能力を認められたからと言うのなら納得できる。これでは、ただ伯爵令嬢だからと言う事ではないか。しかも、デスクワークだ。残業も増える。


それは、、納得いかない。

わたしの言葉に、フィルは予想していたと言う顔をしていた。


「上官命令だ、俺ではなく団長のな!もう上層部の会議も通って、手続き済みだ。承認も降りている、諦めて励め。」

淡々と言われて私は唇を噛む。
上層部も知っていると言うことは、、、。


フィルも私の考えている事に気づいたらしく、わずかに口角を上げて頷いた。


「まぁ、どうしても気に入らないなら断っていいぞ。ロドスは嫁入りが遅れるって反対していたみたいだし。断って花嫁修行でもしたいのならな。」  



バン!

机に両手をついた衝撃で書類の山の一つがガサリと崩れた。

「お役目、つつしんでお受けします。」

彼を睨みつけて、低く言うと。


「期待しているよ」

大して期待してもいなさそうな顔で頷かれた。



くそぅ。
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